「女というのは、過去もなく、未来もなく、現在(いま)を生きるのみ・・・」(『本所桜屋敷』(『鬼平犯科帳(一)』所収)池波正太郎)
初恋の女性の嘆願を旧友岸井左馬之介から頼まれた長谷川平蔵は、こう説き伏せる。
そんなものかなあ。ちょっとある女性(知り合いではない。念のため)のことにこの台詞を思い出した。
でも、ホントは、みんな刹那的に生きてるんだよな。
誰も彼女を責められない。野心もあれば、夢もあるんだ。でも、間違いなく彼女は現在(いま)を生きている・・・
「女というのは、過去もなく、未来もなく、現在(いま)を生きるのみ・・・」吉右衛門の平蔵がもう一度その台詞を呟いた気がした。
- 鬼平犯科帳〈1〉 (文春文庫)/池波 正太郎
- ¥570
- Amazon.co.jp