メキシコ:アクテアルの虐殺、服役者を釈放へ(8月12日) | ラテンアメリカの政治経済

ラテンアメリカの政治経済

変革の現在を厳選して伝える


テーマ:

(参考:0379「サパティスタ支援者に政治弾圧」)


1997年12月22日、メキシコ州、アクテアルにおいて、妊娠中の女性4人、子供15人をふくむ先住民のツォツィル族45人が虐殺された事件で、メキシコ最高裁(SCJN)は服役中の26人の釈放、うち20人について即時の釈放を命令した。この事件では86人のやはり先住民が虐殺に直接かかわったとして2007年12月23日以降逮捕され、禁固20年から40年の刑を受けていた。のこる31人についても近く判断が下されるものと思われる。このほかは、刑務所において死亡した。


チアパス州のサパティスタ民族解放軍(EZLN)を支持する先住民と、当時の与党である制度的革命党(PRI)を支持する先住民との間での長期間の対立が背景にあるとされる。EZLNを支持する先住民は「ラス・アベハス」という団体に所属していたが、武装襲撃の結果、共同体から強制立ち退きの状態となっていた。PRIを支持する武装民兵(パラミリターレス)による住民の虐殺事件はこれより先にも少なくとも23件が報告されている。アクテアルの虐殺についても、首謀者は背後におり、武器の供給などをおこなったが、かれらは一切処罰されていないという。


今回の最高裁の決定は、2005年に刑事訴訟のシステムが改革されてから、初めての決定となった。共和国最高検察(PGR)が被告たちにたいして提出し、裁判所において認められた証拠・証言が最高裁によって点検された。証人の一人、アグスティン・アリアスは、当初スペイン語が話せないと言っていたにもかかわらず、その後、実行者の氏名を手書きしたリストを提出した。PGRは最高裁の決定に従うとしつつも、証拠の偽造はないとしている。


最高裁は証拠偽造によって、有罪とできないというもので、釈放されるものが無罪であるという意味ではないと説明している。最高裁第1刑事部の4人の判事の多数意見によるもので、少数意見である1人のセルヒオ・バルス判事の主張では、これらの問題となったリストや写真のアルバムは主要な証拠ではなく、疑わしき徴候を示すものとして採用されたのであり、これによって釈放するべきではないと主張した。


バルトロメ・デ・ラス・カサス師ジンケンセンターのディエゴ・カデナスなどは、虐殺事件の実行犯が釈放されることによって、パラミリターレスによる先住民運動団体にたいする暴力が再発する危険を警告している。1997年の生存者であるマリアノ・ルナも、「かれらはすでに武装している」と、判決後の影響を恐れている。「ふたたび、土地立ち退きと暴力がおきる」。(0455)



ウラさんをフォロー

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス