夜逃げの思い出と共に「アレナ・ナウカルパン」でルチャリブレ観戦 | プリンシペ・オリエンタルのブログ

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誰も知らない元覆面ルチャドール(プロレスラー)“プリンシペ・オリエンタル”のブログです。リングネームだったプリンシペ・オリエンタル=東洋の王子様。しかし、素顔は王子とはかけ離れた男であります。今はプロレスとはまったく関係ない毎日を送っています。

日曜日、「アレナ・ナウカルパン」でルチャリブレを観戦した。 


当初は観戦する予定ではなかった。


前日のアレナ・サンファン・パンティトラン同様に、自分の人生におけるルチャリブレの思い出の地を訪れてみたいと思って行ったのだ。




27年前の1997年7月。


日本人ルチャドールのウルティモ・ドラゴン選手が主宰する「闘龍門」への入門が許可され、この地に来た。


しかし、いろいろと思うところがあって5日で夜逃げしてしまった。


当時の仮合宿所はアレナ・ナウカルパンのすぐ近くにあった。


この会場のリングでは、最初で最後となる練習を1回だけした。


また、すでにデビューしていた先輩選手の試合をやはり1回だけ観戦した。


苦い思い出ではあるが、夜逃げ後25年以上が経ち、訪れてみようかという気になったのである。




地下鉄2号線終点のCuatro Caminos駅で下車する。


11時を回った頃だった。


多くのバスやペセロ(ミニバス)が停まっている。


アレナ・ナウカルパンへの行き方を詳しくアップしているブログを参考に、それらしき1台を見つけた。


近くを通るようなので乗車した。


ちなみに8ペソ、72円ちょっとの値段である。



スマホの位置情報が頼りになる。


15分ほどした後、下車。


右に曲がると左手に会場があった。




会場下のルチャグッズを売る店に入る。



よさげなTシャツがあったので買うことにした。


1枚250ペソが言い値だったが、2枚400ペソで話がまとまった。


500ペソを渡す。


お釣りは50ペソ。


えっ?


当然、指摘。


もう50ペソ必要か、みたいに聞かれる。


当然、と応える。


さらに50ペソを受け取り店を出た。


後味が悪い。




周辺を歩いてみる。









どの方向に夜逃げしたのかハッキリわからなかった。


それほど余裕がなかったのだろう。


会場前で自撮りの記念撮影はしておいた。


その夜に試合があることを知った。


知ってしまったからには見なければいけない気がした。




夕方まで時間があるので、いったんメキシコ・シティに帰ることにする。


Cuatro Caminos駅に戻った。


地下鉄で市内へ戻り、散策する。


この街にも中華街がある。


日曜日だからかかなり混雑していた。


そんな中、呼び込みもむなしく客が一人も入っていない店を発見。


入ってみた。


こともあろうに、日本食レストランだった。


ビールに枝豆。


餃子。


とんこつラーメン。


日本食といえば日本食か。




ブラブラ歩いてホテルに戻った。








少しだけ休息をとった後、再びアレナ・ナウカルパンを訪れた。


16時半頃。


会場前には入場待ちの列もでき、かなり賑わっていた。



3列目の席を窓口で買った。


300ペソ、約2,700円。


座席表を見せて選ばせてくれたので、隅の席にした。


17時近くになり開場となる。




椅子に書かれた数字はめちゃくちゃで、とりあえず隅に座る。


皆、テキトーに座っている。


要は、楽しめればなんでもよいのだ。




座席からの眺め。


フェンスはあるが、リングは近い。




17時15分頃に試合が始まった。


窓口でくれたプログラム。

(画像は後日撮影)




会場の盛り上がりは相当なものだった。




光や火の演出もあった。






場外乱闘も、


観客との記念撮影も、


金網マッチも、


サイン書きも、


流血戦も、


なんでもありで盛り上がる。




ルチャリブレは地元の人たちの娯楽の場だとあらためて実感させられた。


近くにいたおばさんとも少し話ができた。


楽しんでいる様子だった。




残念だっのは、会場内を売り歩くセルベッサ(ビール)売り。


セルベッサを買った際、お釣りが今はないから後で、と言ったきり知らんぷりだったのだ。


その後幾度となく横を通っているのに、だ。


試合終盤、彼を呼び止めた。


まだお釣りをもらっていない、と言う。


ああ、そうだった、いくらだったっけ、などととぼけた後に50ペソ札を渡してきた。


昼のTシャツ、夜のセルベッサ、どちらも50ペソのお釣りをくすねられるところだった。


会場の方針なのか、外国人への嫌がらせなのか、個人のモラルの問題なのかはわからないが、そんなリスクも含めてのローカル会場でのルチャリブレ観戦である。




NHK紅白歌合戦のエンディング?みたいなエンディング。


3時間半ほどの長い観戦が終わった。


20時45分頃だった。




妙に疲れた。


ペセロと地下鉄を乗り継いで帰る元気がなく、Uberで車を手配する。


5分あまりで来てくれた。




メキシコ・シティのホテルへ車は走る。


おそらくはあの日、夜逃げした後に大通りで拾って乗ったタクシーも同じ道を走ったのだろう。