『舟を編む』 三浦しをん
年の初めの試とて
2021年の最初のブログは読書感想駄文となります。
(バイク乗ってないしねw)
この本は有名ですから、皆さんご存知だと思います。
何時だったか本屋大賞を取りましたね。
今年のお正月は何処もいかれないし、
読書するなら調度良いんじゃないかなぁと紹介させて頂きます。
玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていく。しかし、問題が山積みの辞書編集部。果たして『大渡海』は完成するのか──。言葉への敬意、不完全な人間たちへの愛おしさを謳いあげる
簡単に言うと「辞書」を作るお話ですね。
そんな本読んでおもしろいの?ってなりますよね??
安心してください!面白いですよ!!
普段なにげなく使っている「言葉」
たとえば、
だれでも分かる「右」を定義しようとするだけで
①横に広がる、または並ぶもののうち、一方の側を指す語。北を向いたとき東に当たる側。縦書きの本の偶数ページに当たる側。「明」の「月」のある側。「リ」の字の線の長い側。「―に曲がる・―のほうへ進む」
②「右①」に当たる手。右手。「―投げ」
③前に述べたこと。「―御礼まで」
これだけ羅列しなければならないわけ
辞書は言葉の海のような物。
言葉を定義すればするほど大海に翻弄される船ようにさ迷いそうになる。そんな編集者の苦悩とこだわり、出会いと別れ、愛と葛藤。辞書を作るだけと思っているとその大変さに圧倒されます。
また
登場人物がそれぞれ癖があって面白いですよね。
やたら真面目で融通が利かない馬締(まじめ)さん
ひたすらチャラい男
十数年振りに辞書部門に配属されたホープな女の子
この三人の視点で物語が進んでいって
それそれの感じ方が全然違ってあきません。
その他、
まじめくんの下宿の大家さんが美人で板前見習いとか
魅力的な人物が多く
挿絵もイメージ道理で好感が持てます。
なんだか読んでほわほわする本ですね。
これ以上オレをほわほわさせんじゃねえよ!
この作品は映画になったし、アニメにもなりましたね。
普通どれかは
「なんだかなぁ」
ってなりそうなもんなんですが
これに限っては
どれもそれなりの良いところがあって、
どれも良い!
奇跡的な作品だと思います。
個人的にはやっぱり、本(原作)が一番好きかな。
さ ら に
補足若しくは蛇足
赤瀬川源平著『新解さんの謎』
実在する三省堂「新明解国語辞典」の不思議な世界感に焦点をあてた解説本。
現在の版ではそれなりに普通の解釈になってますが(それでも普通の辞書となんとなく違う)
家にある「新明解国語辞典」は読んでいて楽しいですよ。
「船を編む」を読んで面白かったら、この本もお勧めです。
いあ、
むしろ、こっちを読んでからの方が楽しめるかも?
私はこっちのパターンでした。
お は り !