観戦記1723 IBFバンタム級王座戦 エマヌエル・ロドリゲスvs井上尚弥 | 人生マイペンライ

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格闘技を愛し50歳過ぎても殴り合う

《本日のTV鑑賞》

 

1995年に野茂英雄さんが大リーグのロサンゼルス・ドジャースと契約しメジャーリーグでデビュー。当時、仕事中にラジオで生中継される放送に心躍り「こんな日本人が出てくるんだ」と感服した。

サッカーでも三浦知良選手が1994年にセリエAに移籍、そして1998年には中田英寿さんもセリエAに移籍し大活躍した。テニスでも伊達公子さんや錦織圭選手、そして大阪なおみ選手の大活躍など今や世界で活躍する日本人は多くなり、逆に日本の中だけでの活躍では認められにくい現状でもある。

格闘技でも、MMAならUFCやONEでの契約~活躍が日本の上位にあり、キックボクシングではGROLYやONEがあるが今でも「ムエタイ」を目指す道が最強を目指す道の傾向はある。

そして、ボクシングも4団体認可とともに暫定王者、スーパー王者など多くの「最強」が生まれた。また、テレビありきのキャラ作りなどで世界王者の権威が落ちていた。

そして、団体やプロモーター対立の弊害を乗り越えて大金を懸けて開催されるWBSS(ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ)まさに、スーパースターには総てを引き寄せる‘なにか‘がある!日本ボクシング界の最高傑作と云われる井上尚弥選手が世界の‘MONSTER・INOUE‘になる!

 

井上選手は父親の真吾さんがアマチュアでボクシングをしていた事もあり、小学校1年生の時に父が経営するジムでボクシングを始める~史上初の高校7冠を達成し~ロンドン五輪を目指すが、アジア選手権決勝でカザフスタンのビルジャン・ジャキポフに負けて銀メダル。ロンドン五輪を諦めて父親の考えもあり、父から離れ大橋ジムに入門も 『塗装業を経営していた父が、それを捨ててまで自分たちのトレーナーに就いてくれたからもっと頑張らなきゃと思うし、親子で二人三脚でやって世界王者になる事が一番意味がある事だから他の人では駄目』 と、真吾さんもトレーナーとして大橋ジムに入る。2012年10月のデビュー戦は、東洋太平洋ミニマム級7位のクリソン・オマヤオを4RでKO 『観戦記289』 早くも、日本ライトフライ級6位&東洋太平洋10位。2戦目は、2013年1月にTV的にはタイの王者ガオフラチャーン・チューワッタナを(知っている人は、ガオフラチャーンが日本での戦績が1勝6敗のそういうボクサー)110秒でKO 『観戦記366』そして4月の3戦目に日本ライトフライ級1位の佐野友樹選手を10RにTKO 『観戦記453』 8月に日本記録の辰吉丈一郎選手に並ぶ、4戦目での日本王者を狙って現WBCライトフライ級王者の田口良一選手の日本ライトフライ級王座に挑戦し判定で日本王座栄冠 『観戦記563』12月の5戦目に、小野心選手が返上した東洋太平洋ライトフライ級王座をヘルソン・マンシオと決定戦を行い5RにTKOで八重樫選手と並ぶ5戦目で栄冠。そして、2014年4月に当時は日本最速の6戦目で(現在は田中恒成選手が5戦目で奪取 『観戦記888』)アドリアン・エルナンデスを6RにTKOでWBCライトフライ級王座を栄冠。これは、師匠の大橋会長、大橋会長の師匠の米倉会長の6戦目での世界王者挑戦失敗の無念を晴らした50年越しの悲願達成。

 

9月には初防衛戦でサマートレック・ゴーキャットジムを11RにTKO勝ち~WBCライトフライ級王座を返上。強いな。と思いましたが、ボクシング関係者や私は横浜に住んでいるので大橋ジムの関係者や現役から聞く 『井上尚弥の減量前は怪物どころじゃない!ローマン・ゴンサレスに勝てる』 と言う言葉を信じきれなかった。 しかし・・・フライ級&スーパーフライ級で通算27度防衛しているWBOスーパーフライ級王者のオマール・ナルバエス(ノニト・ドネアにはフルボッコされたが(『観戦記38』)を衝撃の2RにKOして2階級制覇。怪物なんてものじゃなかった!とんでもない者を観た・・・同じ時代に生きていて良かったとさえ思えた。

 

しかし強打ゆえに拳を痛めて1年のブランクをつくるも、2015年12月の初防衛戦でも、WBO1位のワルリト・バレナスをガードごと吹き飛ばして2RにKO 『観戦記1036』5月の2度目の防衛戦では、試合中に両拳を痛めながらもパレナスと暫定王者決定戦で引き分けているWBO1位のデビッド・カルモナを圧倒し判定勝ち 『観戦記1121』 3度目の防衛戦も3位と伝えられていたが、ランキング1位で31歳のペッチバンボーン・ゴーキャットジムを10RにKO 『観戦記1190』 そして、防衛戦の1週間後の9月10日にカルロス・クアドラスのWBCスーパーフライ級王座に挑戦して 『観戦記1203』 4階級制覇したローマン・ゴンザレスをアメリカで視察し統一戦の気運も高まるが・・・井上陣営はWBAスーパーフライ級王者のルイス・コンセプシオンにも対戦オファーをしたらしいが、ルイス・コンセプシオンは12月10日にボクシング熱が燃え上がっているイギリスで防衛戦(しかし体重超過の上に判定負け) そして、そのルイス・コンセプシオンに8月にWBAスーパーフライ級王座を奪われた 『観戦記1188』 WBO10位の河野公平選手と4度目の防衛戦も6Rに見事すぎるTKO勝利 『観戦記1251』 減量苦から、バンタム級に転向してWBA界バンタム級スーパー王者のザナト・ザキヤノフに挑戦の話が上がるも、秋にアメリカでビックマッチが予定されているとの話が伝わる中で2017年5月にWBO2位のリカルド・ロドリゲスを3RにTKO勝ち 『観戦記1321』 そして、6度目の防衛戦はアメリカのカルフォルニア州カーソンでWBOスーパーフライ級7位のアントニオ・ニエベスを追い回して6R終了時にTKO勝ち 『観戦記1367』

 

バンタム級に上げて山中慎介選手に挑戦の噂もあったが、山中選手が2017年8月にルイス・ネリに4RにTKO負けし王座陥落 『観戦記1356』 井上選手はスーパーフライ級では統一戦も望めず、2018年にはバンタム級に上げる事を宣言し2017年年末にWBO6位のヨアン・ボワイヨを3RにTKOで降す 『観戦記1416』

そして2018年5月にWBAバンタム級王者のジェイミー・マクドネルに挑戦し(この時点で暫定王者にレイマート・ガバリョ、スーパー王者にライアン・バーネットがいるWBA3人王者問題)わずか1R112秒でKOして3階級制覇 『観戦記1470』

 

そして統一戦に飢えている井上選手にこれほど待ち望んだ大会はないWBSSに参戦し、2018年10月の1回戦で元WBAバンタム級スーパー王者のファン・カルロス・パヤノをわずか1R70秒でKO 『観戦記1588』

 

そしてイギリスのグラスゴーでの準決勝で対戦するのは、IBFバンタム級王者のエマヌエル・ロドリゲス!

 

プエルトリコのロドリゲスは野球とサッカーをしていたらしいが、14歳でボクシングを始める~2010年のAIBAユース(18歳以下)選手権でフライ級銀メダル~8月のシンガポールで開催されたユースオリンピックではフライ級で金メダルを獲得~2012年6月にデビューし、ハソン・アゴストを1RでKO~その後も8連勝4KOで、2014年10月にミゲール・カルタヘナとのWBOラテンアメリカバンタム級王座決定戦を1RにKOして王座獲得~2015年2月にハボル・モルナルを2RにTKOで降し初防衛に成功~5月にルイス・ヒノホサを3RにKOして2度目の防衛に成功~8月にはアレックス・ランヘルを7RにKOして、WBA&WBC暫定ラテンアメリカバンタム級王座を獲得~2016年6月には、日本で山中慎介さんのWBCバンタム級王座にも挑戦した 『観戦記624』 アルベルト・ゲバラに判定勝ち~2017年3月に、元WBOスーパーフライ級王者のオマール・ナルバエスと対戦が決まったかたと思われたが流れ、ロビンソン・ラビナンサを1RにKO~8月にヒオバニ・デルガドを4Rに棄権に追い込む。そして、2018年5月にポール・バトラーのIBFバンタム級王座に挑戦するが、バトラーが体重超過・・・試合はジャッジ2名がフルマークを付ける大差判定勝ちで王座獲得~WBSSに参加し、2018年10月の1回戦ではIBF3位のジェイソン・マロニーを2-1の判定勝ちで準決勝進出 『観戦記1599』

 

これでようやく、井上選手が望んだ王座統一戦がWBSS準決勝で!と、思われたがIBFはWBAバンタム級王者の上にWBAバンタム級スーパー王者のノニト・ドネアがいる事に統一戦を認可しない。ロドリゲスのIBFに井上選手が挑む形となった?が、そんなことよりもノニト・ドネアが待つバンタム級最強を決める決勝戦を目指す!

 

会場のイギリス・グラスゴーはWBSSの格調高い雰囲気に、リングサイドにはノニト・ドネアが見守りこれぞ‘世界戦‘の雰囲気で身震いする!

 

2019年5月18日 IBFバンタム級王座戦 井上尚弥vsエマヌエル・ロドリゲス

 

井上尚弥 17勝15KO無敗 WBAバンタム級王者

 

エマヌエル・ロドリゲス 19勝12KO無敗 IBFバンタム級王者

 

1R、ロドリゲスが、しっかりガードしながら前に出る~右!

 

井上選手は下がりながら左を打ち距離を測るが、ロドリゲスがガンガン攻める!

 

2R、やはりロドリゲスが前へ前へ出るが、井上選手も距離が掴めてきたか!?ロドリゲスに詰めさせずに廻って左フック!

 

距離が詰まり、両者のフックが空を切る~井上選手が右ボディーから左フック!

 

ロドリゲス吹っ飛んだ!早くもダウン!

 

立ち上がったロドリゲスに、さらに井上選手が左右のボディー!ロドリゲスまたもダウン!

 

ロドリゲスは苦悶の表情!終わったか!?

 

なんとか立ち上がったロドリゲスに、井上選手が一気に詰める!

 

もう、ロドリゲスは崩れ落ちるしかない・・・・

 

IBFは3ダウン制ではないのでロドリゲスは立ち上がるが、戦意は失われてレフリーはストップ!

 

いやぁ~これは堪らない!同じ時代に生まれて良かった!バンタム級で3試合(総て世界戦)だが、合計441秒しか試合をしていない井上選手。最初にダウンを奪った左フックは相打ち気味だったが、パワー&スピードともに井上選手が完全に上回りこの時点で勝負ありだったか!?決勝は秋だと云われているが、開催地はアメリカ、イギリス、サウジアラビアが候補らしい。確かにどちらかのホームでやるのは不公平になるのかもしれないが、ドネアは日本でも人気もあり度々来日もしているから日本で開催してくれないかなぁ~

しかし、WBAは他団体王座を獲得した時などに‘スーパー王者‘に格上げしていたが決勝で井上選手はWBA&IBFバンタム級王者としてWBAバンタム級スーパー王者のノニト・ドネアと統一戦。

 

WBCバンタム級暫定王者で実弟の井上拓真選手は、ツイッターを更新し「この男最強すぎる…兄弟が嫌になるぜ(笑)」と、つぶやく

 

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