行政書士試験 平成24年度問34 民法の問題 | 行政書士試験 独学チャレンジ!!

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こんばんは。

 

いよいよ今日です。緊張する~。(何で私が 

 

最高の状態で臨んでほしいですね。

 

井上くん、ガンバ。。。

 

今日の過去問は、平成24年度問34の問題○×式でやりたいと思います。

 

不法行為に基づく損害賠償に関する記述について、民法の規定及び判例に照らして検討してみましょう。

 

 

それでは、早速。

 

 

 

問題

Aの運転する自動車と、Bの運転する自動車が、それぞれの運転ミスにより衝突し、歩行中のCを巻き込んで負傷させ損害を生じさせた。CがBに対して損害賠償債務の一部を免除しても、原則としてAの損害賠償債務に影響はない。

 

 

 

正解は?

 

 

 

Aさん車衝Bさんトラック 歩行中のCさん歩くが巻き込まれた訳です。

 

そして、Cさんピグのミイラ男2。。。

 

こんな状況下で、怪我をしたCさんピグのミイラ男2Bさんに対して損害賠償債務の一部を免除した場合Aさんの損害賠償債務に影響はないのかはてなマーク

 

今回のこう言った行為を共同不法行為と言います。

 

共同=一つの目的のために複数の人が力を合わせること。

 

怪我を負わせるために力を合わせた訳ではありませんが、意味的には複数の人が同じ条件でかかわった。」ってことになると思います。

 

共同不法行為者の責任

第七百十九条 数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも、同様とする。

2 行為者を教唆した者及び助した者は、共同行為者とみなして、前項の規定を適用する。

 

各自が連帯してその損害を賠償する責任を負うと書かれています。

 

ただし、判例では単に連帯債務ではなく不真正連帯債務だと言っています。

 

平成4(オ)1814 慰藉料、損害賠償 平成6年11月24日 最高裁判所第一小法廷 判決 破棄自判 大阪高等裁判所

 

民法七一九条所定の共同不法行為者が負担する損害賠償債務は、いわゆる不真正連帯債務であって連帯債務ではないからその損害賠償債務については連帯債務に関する同法四三七条の規定は適用されないものと解するのが相当である。

 

連帯債務求、改、殺、除、同、効、済(これらが絶対効

 

せい、こう、そう、めん、こん、じ、×3回(幾度となく唱えましたよ、

 

不真正連帯債務殺、済(この2つは絶対効で、この他は相対効

 

つまり、不真正連帯債務は、債務者の一人に生じた事由問題では免除)が他の連帯債務者には影響を及ぼさないと言うことですね。

 

連帯債務者の一人に対する免除

第四百三十七条 連帯債務者の一人に対してした債務の免除は、その連帯債務者の負担部分についてのみ他の連帯債務者の利益のためにもその効力を生ずる

 

不真正連帯債務の場合は、この規定は「相対効」と言うことでAさんの損害賠償債務に影響はないと言うことです。

 

 

 

問題

Aの運転する自動車がAの前方不注意によりBの運転する自動車に追突してBを負傷させ損害を生じさせた。BのAに対する損害賠償請求権は、Bの負傷の程度にかかわりなく、また、症状について現実に認識できなくても、事故により直ちに発生し、3年で消滅時効にかかる。

 

 

 

正解は?

×

 

 

 

Bさんトラック(負傷)衝Aさん車(前方不注意)

 

うしろから衝ドンですからね、むち打ちでしょうか心配なところです。。。

 

問題では、BさんのAさんに対する損害賠償請求権は、

 

Bさんの負傷の程度にかかわりなく

症状について現実に認識できなくても

 

事故により直ちに発生し、3年で消滅時効にかかると言っていますね。

 

不法行為による損害賠償請求権の期間の制限

第七百二十四条 不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する不法行為の時から二十年を経過したときも同様とする

 

被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅するとあります。

 

本来は、

損害及び加害者を知る=事故により直ちですね。

 

条文に照らすとこう言ったことなんですが、問題では条件が2つありますね。

 

「Bさんの負傷の程度にかかわりなく」、「症状について現実に認識できなくても」です。

 

この辺は判例による知識です。

 

昭和40(オ)1232 損害賠償請求 昭和42年7月18日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所

 

ところで、被害者が不法行為に基づく損害の発生を知つた以上その損害と牽連一体をなす損害であつて当時においてその発生を予見することが可能であつたものについてはすべて被害者においてその認識があつたものとして民法七二四条所定の時効は前記損害の発生を知つた時から進行を始めるものと解すべきではあるが、本件の場合のように、受傷時から相当期間経過後に原判示の経緯で前記の後遺症が現われそのため受傷時においては医学的にも通常予想しえなかつたような治療方法が必要とされ右治療のため費用を支出することを余儀なくされるにいたつた等、原審認定の事実関係のもとにおいては、後日その治療を受けるようになるまで治療に要した費用すなわち損害については同条所定の時効は進行しないものと解するのが相当である。

 

問題に照らすと事故当時はトラックに損害は出たけどBさん自体は負傷の程度が軽かったと言うことなんでしょうね。

 

ところが、相当期間経過に後遺症が現われたと。。。

 

受傷時においては医学的にも通常予想しえなかつたような治療方法が必要となったこと

治療するために費用を支出することを余儀なくされるにいたったこと

 

こう言った後遺症の損害による治療費については、その治療を受けるようになるまでは、時効は進行しないと言うことです。

 

言い方を変えるとBさんの負傷に関する損害が確定していなかったということになるんでしょうね。

 

事故により直ちに発生し、3年で消滅時効にかかる訳ではありません。


 

 

問題

Aの運転する自動車が、見通しが悪く遮断機のない踏切を通過中にB鉄道会社の運行する列車と接触し、Aが負傷して損害が生じた。この場合、線路は土地工作物にはあたらないから、AがB鉄道会社に対して土地工作物責任に基づく損害賠償を請求することはできない。

 

 

 

正解は?

×

 

 

 

この問題は、土地工作物責任に基づく損害賠償の請求に関する問題です。

 

Aさん車が、見通しも悪く遮断機のない踏切ありを通過中、B鉄道の東横線と接触事故を起こしたって内容ですね。

 

東横線と接触し、Aさんが負傷して損害が生じたようです。

 

問題では、「線路は土地工作物にはあたらない」と言っていますが、どうなんでしょうかはてなマーク

 

土地の工作物等の占有者及び所有者の責任

第七百十七条 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者被害者に対してその損害を賠償する責任を負うただし占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない

2 略。

3 前二項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。

 

この条文なんですが、損害を賠償する責任を負うのは、状況により占有者又は所有者です。

 

今回の件は、B鉄道会社ですね。

 

問題の焦点となっている「土地工作物」とははてなマーク

 

土地の工作物=人工的な作業によって、土地に接着して設置されたもの

 

具体例

建物、ブロック塀、自動販売機、電柱など

 

先日、ビルの外壁がはがれ落ちて通行していた人が亡くなると言う痛ましい事故が起こりました。

 

土地の工作物と考えれば、内容は同じですね。

 

問題にある「線路」はどうなのかは判例から抜粋です。

 

昭和40(オ)536 損害賠償請求 昭和46年4月23日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所

 

列車運行のための専用軌道と道路との交差するところに設けられる踏切道は、本来列車運行の確保と道路交通の安全とを調整するために存するものであるから必要な保安のための施設が設けられてはじめて踏切道の機能を果たすことができるものというべく、したがつて、土地の工作物たる踏切道の軌道施設は、保安設備と併せ一体としてこれを考察すべきでありもしあるべき保安設備を欠く場合には、土地の工作物たる軌道施設の設置に瑕疵があるものとして民法七一七条所定の帰責原因となるものといわなければならない

 

書かれていますね、「土地の工作物たる踏切道」と。。。

 

踏切にも線路は敷かれていますから、「土地工作物」ってことになります。

 

AさんはB鉄道会社に対して、土地工作物責任に基づく損害賠償を請求をすることはできます

 

 

 

問題

A社の従業員Bが、A社所有の配達用トラックを運転中、運転操作を誤って歩行中のCをはねて負傷させ損害を生じさせた。A社がCに対して損害の全額を賠償した場合、A社は、Bに対し、事情のいかんにかかわらずCに賠償した全額を求償することができる。

 

 

 

正解は?

×

 

 

 

歩行中のCさん歩くを、A社の従業員Bさんトラックが運転操作を誤って負傷させた。。。

 

配達用トラックを運転中ですから、業務中と言うことになります。

 

と言うことは、行政書士試験でもよく出てくる「使用者責任」の問題と言うことですね。

 

使用者等の責任

第七百十五条 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。

2 使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。

3 前二項の規定は使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない

 

この問題は、「A社がCさんに対して損害の全額を賠償した場合」となっておりますので、3項の求償権の問題と言うことが解ると思います。

 

問題では、「A社は、Bさんに対し、事情のいかんにかかわらずCさんに賠償した全額を求償することができる。」と言っていますが。。。

 

昭和49(オ)1073 損害賠償請求 昭和51年7月8日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所

 

使用者が、その事業の執行につきなされた被用者の加害行為により直接損害を被り又は使用者としての損害賠償責任を負担したことに基づき損害を被つた場合には、使用者は、その事業の性格規模施設の状況被用者の業務の内容労働条件勤務態度加害行為の態様加害行為の予防若しくは損失の分散についての使用者の配慮の程度その他諸般の事情に照らし損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度において被用者に対し右損害の賠償又は求償の請求をすることができるものと解すべきである。

 

「Cさんに賠償した全額を求償することができる。」

信義則上相当と認められる限度において、損害の賠償又は求償の請求をすることができる。」

 

A社はBさんに対し、全額を求償することはできません

 

 

 

問題

Aの運転する自動車がAの前方不注意によりBの運転する自動車と衝突して、Bの自動車の助手席に乗っていたBの妻Cを負傷させ損害を生じさせた。CがAに対して損害賠償請求をする場合には、原則としてBの過失も考慮される。

 

 

 

正解は?

 

 

 

Bさんくるま。R(助手席のCさんが負傷衝Aさんくるま。B(前方不注意)

 

問題の内容は過失相殺ですね。

 

損害賠償の方法及び過失相殺

第七百二十二条 第四百十七条の規定は不法行為による損害賠償について準用する

2 被害者に過失があったときは、裁判所はこれを考慮して損害賠償の額を定めることができる

 

損害賠償の方法

第四百十七条 損害賠償は、別段の意思表示がないときは、金銭をもってその額を定める

 

この問題、Aさんの前方不注意ですから、Bさんに過失はあるのかって疑問はわきますよね。

 

ただ、考えてみてください。

 

Aさんの前方不注意ですから悪いのはAさんなんですが、例えば、前方を走っているBさんが前の車と車間を開けずに走行していて急ブレーキをかけた場合などはBさん側の過失ととられてもしょうがないんじゃないでしょうか。

 

車間をあけて走っていれば急ブレーキは避けられたかもしれませんから。

 

昭和47(オ)457 損害賠償請求 昭和51年3月25日 最高裁判所第一小法廷 判決 その他 仙台高等裁判所

 

民法七二二条二項が不法行為による損害賠償の額を定めるにつき被害者の過失を斟酌することができる旨を定めたのは不法行為によつて発生した損害を加害者と被害者との間において公平に分担させるという公平の理念に基づくものであると考えられるから、右被害者の過失には被害者本人と身分上生活関係上一体をなすとみられるような関係にある者の過失、すなわちいわゆる被害者側の過失をも包含するものと解される。

 

したがつて、夫が妻を同乗させて運転する自動車と第三者が運転する自動車とが、右第三者と夫との双方の過失の競合により衝突したため傷害を被つた妻が右第三者に対し損害賠償を請求する場合の損害額を算定するについては右夫婦の婚姻関係が既に破綻にひんしているなど特段の事情のない限り夫の過失を被害者側の過失として斟酌することができるものと解するのを相当とする。

 

第七百二十二条 2項の「被害者に過失があったときは、」は、被害者本人と身分上生活関係上一体をなすとみられるような関係にある者の過失も含まれるとしてます。

 

被害者は奥さんのCさんそれと一体をなす関係の旦那さんであるBさんの過失参酌されると言うことです。

 

それとこの損害賠償の方法及び過失相殺では、「裁判所はこれを考慮して損害賠償の額を定めることができる。」とあるように、いろいろと考慮した上で、裁判所が判断することができると言うことです。

 

つまり、条文にある「これを考慮して、」のこれをは被害者側の過失ですから、被害者側の過失を考慮しないで定めても良いと言うことです。

 

 

最後に過失相殺について、、、

 

過失相殺

第四百十八条 債務の不履行に関して債権者に過失があったときは、裁判所はこれを考慮して損害賠償の責任及びその額を定める

 

債務不履行に基づく損害賠償の場合には、裁判所は、債権者の過失を必ず考慮して賠償額を減額する必要があると言うことです。

 

この違いはポイントです

 

 

今日のところはここまでです。

 

最後までありがとうございました。

 

 

んでまずまた。

 

 

 

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