こんにちは。
今日は行政事件訴訟法の過去問で、条文問題です。
14年前に改正されたことにより新設されたもので、取消訴訟の原告適格の規定である1項の「法律上の利益」に関する解釈を規定したものです。
従来より「原告適格」の範囲を拡大しているってところがポイントです。
今となっては、しっかりと把握していないといけない内容ですね。
平成24年度問17の問題をやりたいと思います。
条文は二分割にしてますが、内容を考えて併記することにしました。
いつものごとく選択肢はご用意していません。m(__)m
今日もじっくりと考えましょう
それでは、早速。
問題1.
裁判所は、処分又は裁決の[ ア ]について前項*に規定する法律上の利益の有無を判断するに当たつては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の[ イ ]並びに当該処分において考慮されるべき[ ウ ]を考慮するものとする。
(注)*行政事件訴訟法9条1項
問題2.
この場合において、当該法令の[ イ ]を考慮するに当たつては、当該法令と[ エ ]を共通にする関係法令があるときはその[ イ ]をも参酌するものとし、当該[ ウ ]を考慮するに当たつては、当該処分又は裁決がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる[ ウ ]並びにこれが害される態様及び程度をも勘案するものとする。
正解[ ア ]は?
相手方以外の者
正解[ イ ]は?
趣旨および目的
正解[ ウ ]は?
利益の内容及び性質
正解[ エ ]は?
目的
最初に、「前項*に規定する法律上の利益の有無を判断するに当たつて」とありますので、注記されている第九条1項を確認してみましょう。
(原告適格)
第九条 処分の取消しの訴え及び裁決の取消しの訴え(取消訴訟)は、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者(処分又は裁決の効果が期間の経過その他の理由によりなくなつた後においてもなお処分又は裁決の取消しによつて回復すべき法律上の利益を有する者を含む。)に限り、提起することができる。
2 略。
取消訴訟は、法律上の利益を有する者に限り、提起できると定めています。
これが原告適格ですね。
そして問題1.には、[ ア ]について、「法律上の利益の有無を判断」する際に、考慮すべき点が明文化されているのが解ると思います。
ようは、[ ア ]についての原告適格と判断するポイントですね。
「法律上の利益の有無を判断」する、つまり判断することが困難な場合、ようは、処分又は裁決を受けた者以外の者に処分又は裁決の取消訴訟を提起する資格があるかどうかの判断をするポイントが書かれている訳です。
と言うことで、[ ア ]には、「相手方以外の者」が入ります。
次に、[ イ ]ですが、
ヒントは、「処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、」と問題2.にある「当該法令と[ エ ]を共通にする関係法令があるときはその[ イ ]をも参酌するものとし、」です。
根拠となる法令の規定の文言のみによらない
関係法令があるときはその[ イ ]をも参酌する
この内容から、法令の規定の文言ではない、そして関係法令がある時は参酌する訳ですから、「趣旨や目的」に関するものが妥当なんじゃないでしょうか。
次に「 ウ 」ですが、処分において考慮されるべきものです。
本試験では選択肢として、「公共の福祉、利益の内容及び性質、相手方の利益」がありましたが、、、
この中で処分の相手方以外の者で、処分において考慮されるべきものです。
一番最初に原告適格の範囲を拡大したと書きました。
これは、どう言うことでしょう
処分を受けた者だけが取消訴訟を提起できるのでは自分の権利を守れない場合がありますよね。
例えば、原発や空港の騒音問題など。。。
こう言った相手方以外の者で考慮されるものです。
と言うことで、[ ウ ]は、当該処分において考慮されるべきものですので[利益の内容及び性質]ってことですね。
最後は「 エ 」ですが、ここは簡単ですね。
当該法令の[イ、趣旨及び目的]を考慮するに当たつては、当該法令と[ エ ]を共通にする関係法令があるときはその[イ、趣旨及び目的]をも参酌するものとし、となっています。
「 エ 」は、[目的]です。
参考
2 裁判所は、処分又は裁決の[ア、相手方以外の者]について前項に規定する法律上の利益の有無を判断するに当たつては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の[イ、趣旨及び目的]並びに当該処分において考慮されるべき[ウ、利益の内容及び性質]を考慮するものとする。この場合において、当該法令の[イ、趣旨及び目的]を考慮するに当たつては、当該法令と[エ、目的]を共通にする関係法令があるときはその[イ、趣旨及び目的]をも参酌するものとし、当該[ウ、利益の内容及び性質]を考慮するに当たつては、当該処分又は裁決がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる[ウ、利益の内容及び性質]並びにこれが害される態様及び程度をも勘案するものとする。
言える、説明できるようになっていれば、組合せ問題は速攻で判断できますので時間の短縮になります。
一問当たり3分ですが、時間の貯金は多いにこしたことはありませんから。。。
今日も最後まで有難うございました。
今日のところはここまでです。
んでまずまた。
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