こんにちは。
今日の問題は、各種の裁判所や裁判官に関する問題です。
行政書士試験でも取り上げられる内容ですが、「見たことがある、聞いたことがある」ものではないかと思います。
憲法にも書かれてますしね。
確実に押さえたい一問です。
今日の過去問は、平成19年度問1の問題を○×式でやりたいと思います。
それでは、早速。
問題
簡易裁判所は軽微な事件の処理のために設けられた下級裁判所であり、訴訟の目的の価額が一定額を超えない請求に関する民事事件、罰金以下の刑にあたる罪など一定の軽微な犯罪についての刑事事件の第一審を担当する。
正解は?
○
この問題はいかがですか
見たことある内容と言えば見たことあるし、無いと言えばないような。。。
確認してみますね。
下級裁判所=高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所、簡易裁判所
四つあります。
それぞれに役割があるんですが、問題にある簡易裁判所はどういった事件を扱うかと言うことですね。
これは読んで字の如くなんですが、
簡易な事件の裁判をするための裁判所=軽微な事件の裁判をするための裁判所 と言うことです。
裁判所法
(裁判権)
第三十三条 簡易裁判所は、次の事項について第一審の裁判権を有する。
一 訴訟の目的の価額が百四十万円を超えない請求(行政事件訴訟に係る請求を除く。)
二 罰金以下の刑に当たる罪、選択刑として罰金が定められている罪又は常習賭博及び賭博場開張等図利、横領若しくは盗品譲受け等の罪に係る訴訟
2 簡易裁判所は、禁錮以上の刑を科することができない。ただし、略。
3 簡易裁判所は、前項の制限を超える刑を科するのを相当と認めるときは、訴訟法の定めるところにより事件を地方裁判所に移さなければならない。
第一審の裁判権を有し、訴訟の目的の価額が百四十万円を超えない請求に関する民事事件、罰金以下の刑に当たる軽微な犯罪についての刑事事件を担当します。
と言うことで○の肢です。
問題
地方裁判所や家庭裁判所の裁判は、事案の性質に応じて、三人の裁判官による合議制で行われる場合を除き、原則として一人の裁判官によって行われるが、高等裁判所の裁判は、法律に特別の定めがある場合を除き、複数の裁判官による合議制で行われることになっている。
正解は?
○
この問題は裁判はどのように行われるのかってことが問われています。
まぁ、実際、裁判にかかったことはありませんから知識だけなんですけど。。。
時間と興味があったら裁判を傍聴してみるのは参考になるかもしれませんね。
裁判は自由に傍聴できますから。。。
裁判所法
第二章 地方裁判所
(一人制・合議制)
第二十六条 地方裁判所は、第二項に規定する場合を除いて、一人の裁判官でその事件を取り扱う。
2 次に掲げる事件は、裁判官の合議体でこれを取り扱う。ただし、略。
一~四 略
3 前項の合議体の裁判官の員数は、三人とし、そのうち一人を裁判長とする。
書いてますね、原則は一人、合議体で行うものは定められていて、その場合は三人の合議体。
第三章 家庭裁判所
(一人制・合議制)
第三十一条の四 家庭裁判所は、審判又は裁判を行うときは、次項に規定する場合を除いて、一人の裁判官でその事件を取り扱う。
2 次に掲げる事件は、裁判官の合議体でこれを取り扱う。ただし、略。
一、二 略
3 前項の合議体の裁判官の員数は、三人とし、そのうち一人を裁判長とする。
家庭裁判所も地方裁判所同様です。
原則一人ですね。
それでは、高等裁判所はどうかと言うことですが、、、
第一章 高等裁判所
(合議制)
第十八条 高等裁判所は、裁判官の合議体でその事件を取り扱う。但し、略。
2 前項の合議体の裁判官の員数は、三人とし、そのうち一人を裁判長とする。但し、第十六条第四号の訴訟については、裁判官の員数は、五人とする。
第十六条第四号の訴訟=刑法第七十七条乃至第七十九条の罪に係る訴訟の第一審
刑法
第七十七条(内乱)、第七十八条(予備及び陰謀)、第七十九条(内乱等幇助)
原則は三人の合議体、上記、刑法に関するものは五人の合議体で行うと言うことです。
ここで言えることは、最高裁もそうなんですが事件が重大であるほど裁判官の人数は増えると言うことです。
これは、人数が増えるほうが客観的で公正な裁判をすることができると言うことですね。
地方裁判所1人→高等裁判所3人→最高裁判所小法廷5人→最高裁判所大法廷15人
こんな感じです。
問題
高等裁判所長官、判事、判事補および簡易裁判所判事は、いずれも最高裁判所の指名した者の名簿によって、内閣が任命する。
正解は?
○
この問題の「最高裁判所の指名した者の名簿によって、内閣が任命する。」って見たことありますね。
そうですね、日本国憲法です。
日本国憲法
第八十条 下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によつて、内閣でこれを任命する。その裁判官は、任期を十年とし、再任されることができる。但し、法律の定める年齢に達した時には退官する。
2 下級裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。
この第八十条は行政書士試験でもよく見かけます。
1項にある下級裁判所は、1問目で確認しました。
下級裁判所=高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所、簡易裁判所
問題にある、「高等裁判所長官、判事、判事補及び簡易裁判所判事」は、下級裁判所の裁判官にあたります。
これは、裁判所法第五条の2項に定めがあります。
(裁判官)
第五条 最高裁判所の裁判官は、その長たる裁判官を最高裁判所長官とし、その他の裁判官を最高裁判所判事とする。
2 下級裁判所の裁判官は、高等裁判所の長たる裁判官を高等裁判所長官とし、その他の裁判官を判事、判事補及び簡易裁判所判事とする。
3 最高裁判所判事の員数は、十四人とし、下級裁判所の裁判官の員数は、別に法律でこれを定める。
(下級裁判所の裁判官の任免)
第四十条 高等裁判所長官、判事、判事補及び簡易裁判所判事は、最高裁判所の指名した者の名簿によつて、内閣でこれを任命する。
2 高等裁判所長官の任免は、天皇がこれを認証する。
3 第一項の裁判官は、その官に任命された日から十年を経過したときは、その任期を終えるものとし、再任されることができる。
第四十条には、「最高裁判所の指名した者の名簿によつて、内閣でこれを任命する。」とハッキリ書かれています。
問題
高等裁判所、地方裁判所および家庭裁判所の裁判官については65歳の定年制が施行されているが、最高裁判所および簡易裁判所の裁判官については定年の定めが存在しない。
正解は?
×
日本国憲法の穴埋め問題はやって頂けましたか
定年の定め云々と言うか、「法律の定める年齢に達した時には退官する。」ってのがありましたよね。
憲法には年齢の記載はありませんが。。。
憲法にある「法律の定める年齢」は、裁判所法の規定を指します。
(定年)
第五十条 最高裁判所の裁判官は、年齢七十年、高等裁判所、地方裁判所又は家庭裁判所の裁判官は、年齢六十五年、簡易裁判所の裁判官は、年齢七十年に達した時に退官する。
最高裁判所、簡易裁判所の裁判官は、70歳
高等裁判所、地方裁判所又は家庭裁判所の裁判官は、65歳 です。
最高裁判所、簡易裁判所の裁判官にも定年の定めは存在します。
問題
最高裁判所は、大法廷または小法廷で審理を行うが、法令等の憲法違反の判断や最高裁判所の判例を変更する判断をするときは、大法廷で裁判しなければならない。
正解は?
○
この問題も過去問にはありますが、やったことある人~
まぁ、古いんですがね。。。
平成17年の過去問ですから、このブログでは許可を頂いていません。
ですが、再度問われると言うことは必須の知識と言うことになるんでしょうね。
(大法廷・小法廷)
第九条 最高裁判所は、大法廷又は小法廷で審理及び裁判をする。
2 大法廷は、全員の裁判官の、小法廷は、最高裁判所の定める員数の裁判官の合議体とする。但し、小法廷の裁判官の員数は、三人以上でなければならない。
3 各合議体の裁判官のうち一人を裁判長とする。
4 各合議体では、最高裁判所の定める員数の裁判官が出席すれば、審理及び裁判をすることができる。
問題前半は1項に定めがあります。
問題は後半部分です。
(大法廷及び小法廷の審判)
第十条 事件を大法廷又は小法廷のいずれで取り扱うかについては、最高裁判所の定めるところによる。但し、左の場合においては、小法廷では裁判をすることができない。
一 当事者の主張に基いて、法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを判断するとき。(意見が前に大法廷でした、その法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するとの裁判と同じであるときを除く。)
二 前号の場合を除いて、法律、命令、規則又は処分が憲法に適合しないと認めるとき。
三 憲法その他の法令の解釈適用について、意見が前に最高裁判所のした裁判に反するとき。
問題にある「法令等の憲法違反の判断や最高裁判所の判例を変更する判断をするとき」は、小法廷では裁判をすることができないと定めています。
小法廷では裁判をすることができない=大法廷で裁判しなければならない
それと、これも覚えておいた方が良い内容です。
最高裁判所の前身にあたる「大審院」の判例を変更する場合には、小法廷ですることができます。
これは、第十条の三号に「意見が前に最高裁判所のした裁判に反するとき」と定められていますので、前身ではあっても大審院は最高裁判所ではないから小法廷でできると言うことです。
今日の問題は裁判に関する内容でしたが、裁判所法を一生懸命やらなくてはならないと言う訳ではありません。
内容的に憲法の内容から判断できるものもありましたし、過去問でも取り扱われているものもありました。
基本的に過去問知識は確実に押さえ、それに他試験の内容や模試の知識を付け加えると言うことで良いと思います。
今日も最後まで有難うございました。
今日のところはここまでです。
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