行政書士試験 平成23年度問30 民法の問題 | 行政書士試験 独学チャレンジ!!

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おばんです。

 

本試験まであと2週間を切りました。

 

ここからは体調管理を注意して下さいね。

 

この時期の私は、行政書士試験 平成22年度問29 民法の問題に書いた生理的なものの改善の時期でした。

 

3時間の試験を集中してやるためには、気にすることがない状態にしないといけませんからね。

 

少しずつ改善しましょう。

 

今日は平成23年度問30の問題○×式でやりましょう。

 

今日の問題は少し文が長いのですが、昨日の内容をしっかり把握していれば解ける問題です。

 

それでは早速。

 

 

 

問題

AがBから土地を借りてその土地上に建物を所有している場合において、Aは、その建物上に甲抵当権を設定したが、Bから土地を取得した後に、さらにその建物に乙抵当権を設定した。その後、Aは、甲抵当権の被担保債権について弁済できなかったので、甲抵当権が実行され、その建物は買受人Cが取得した。この場合、この建物のために法定地上権は成立しない。

 

 

 

正解は?

×

 

 

 

1.AがBとの間で土地賃貸借契約により建物を所有

 

2.Aは建物甲抵当権を設定

 

3.AはBから土地取得建物に乙抵当権を設定

 

4.Aは甲抵当権の被担保債権について弁済できず甲抵当権が実行され建物をCが取得する

 

こんな流れですね。

 

法定地上権の成立要件が四つありましたね。

 

1.抵当権設定当時に土地の上に建物が存在すること

 

2.抵当権設定当時に土地と建物が同一の所有者であること

 

3.土地と建物の一方又は両方に抵当権が設定されたこと

 

4.抵当権の実行により土地と建物がそれぞれ別人の所有となること

 

この問題、要件の2.があてはまりません。

 

よって

 

なんて簡単な問題ではないんですね。

 

この問題、判例によって土地の場合建物の場合結論が異なるんで注意が必要な問題です。
 

土地のみの場合は、一番抵当権者は、法定地上権が成立しないことを前提に担保価値を高く評価していますので、後から法定地上権を認めるとその価値が下がってしまいますよね。

 

建物のみの場合は、一番抵当権者は、法定地上権が成立しないことを前提に担保価値を低く評価しているので、後から法定地上権を認めてもプラスにはなれど、マイナスにはならないでしょう。

 

法定地上権は抵当権者にプラスになるのか、マイナスになるのかってことを考えると判断しやすいと思います。

 

判例知識とはいえ、要件を満たさなくても法定地上権が成立する例外パターンですね。

 

重要です。

 

 

 

問題

Aは、自己所有の土地(更地)に抵当権を設定した後に、その土地上に建物を建築したが、抵当権の被担保債権について弁済をすることができなかった。この場合において、抵当権者が抵当権を実行して土地を競売すると、この建物のために法定地上権は成立せず建物は収去されなければならなくなることから、抵当権者は、土地とその上の建物を一括して競売しなければならない。

 

 

 

正解は?

×

 

 

 

この問題は更地に抵当権が設定されています。

 

一問目の土地のみの場合ですね。

 

抵当権の設定後に建物を建築していますので、抵当権者は更地の価値を算定して抵当権を設定している訳ですので、抵当権を実行した場合、法定地上権は成立しないのが原則です。
 

この場合、建物を撤去しなければならなくなりますよね。

 

社会的にも経済的にも損失が発生するってやつです。

 

そのための規定がありましたね。

 

覚えてますよね。

 

一括競売の規定です。
 

ただ、この規定は「~することができる。」であり、抵当権者の権利でありますが義務ではありませんので×ですね。

 

この二問目は、最後まできちんと問題を読みましょうって意味では良い問題なんではないでしょうか。
 

 

 

問題

Aが自己所有の土地と建物に共同抵当権を設定した後、建物が滅失したため、新たに建物を再築した場合において、Aが抵当権の被担保債権について弁済することができなかったので、土地についての抵当権が実行され、その土地は買受人Bが取得した。この場合、再築の時点での土地の抵当権が再築建物について土地の抵当権と同順位の共同抵当権の設定を受けたなどの特段の事由のない限り、再築建物のために法定地上権は成立しない。

 

 

 

正解は?

 

 

 

辞書ですね。

 

共同抵当権=同一の債権の担保として数個の不動産の上に設定される抵当権

 

この問題は建物の滅失により、要件の一番が問題になるケースです。

 

1.抵当権設定当時に土地の上に建物が存在すること

 

順に抜き出しましょう。

 

1.Aが自己所有の土地と建物に共同抵当権を設定

 

2.建物が滅失

 

3・新たに建築

 

4.Aが被担保債権について弁済することができず、土地の抵当権が実行され、土地を買受人Bが取得した

 

当初は、土地と建物の共同抵当権の設定でしたが、途中で建物がなくなっています。

 

ここが問題点ですね。

 

これは判例知識です。

 

平成7(オ)261 短期賃貸借解除等 平成9年2月14日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 大阪高等裁判所

 
土地及び地上建物に共同抵当権が設定された場合、抵当権者は土地及び建物全体の担保価値を把握しているから、抵当権の設定された建物が存続する限りは当該建物のために法定地上権が成立することを許容するが、建物が取り壊されたとき土地について法定地上権の制約のない更地としての担保価値を把握しようとするのが、抵当権設定当事者の合理的意思であり、抵当権が設定されない新建物のために法定地上権の成立を認めるとすれば、抵当権者は、当初は土地全体の価値を把握していたのに、その担保価値が法定地上権の価額相当の価値だけ減少した土地の価値に限定されることになって、不測の損害を被る結果になり、抵当権設定当事者の合理的な意思に反するからである。
 
建物が存続する限り法定地上権が成立することを許容
 
共同抵当と言えば有名な判例ですのでしっかりと把握しましょう。
 
 
 
問題

AがBから土地を借りてその土地上に建物を所有している場合において、Bは、その土地上に甲抵当権を設定したが、Aから建物を取得した後に、さらにその土地に乙抵当権を設定した。その後、Bは、甲抵当権の被担保債権について弁済したので甲抵当権は消滅したが、乙抵当権の被担保債権については弁済できなかったので、乙抵当権が実行され、その土地は買受人Cが取得した。この場合、この建物のために法定地上権は成立しない。

 

 

 

正解は?

×

 

 

 

1.がBとの間で土地賃貸借契約により建物を所有

 

2.土地甲抵当権を設定

 

3.Aから建物取得土地乙抵当権を設定

 

4.Bは甲抵当権の被担保債権について弁済したが、乙抵当権は弁済できず抵当権が実行され土地をCが取得する

 

こんな流れですね。

 

甲抵当権設定時に要件の2.を満たしていません。

 

乙抵当権設定時には要件の2.満たされてすべての要件を満たす状態になっているパターンですね。

 

先順位の甲抵当権は弁済し消滅しているので、乙抵当権については法定地上権を認める上で何も障害はありません。

 

判例でもそのように判断しています。

 

土地を目的とする先順位の甲抵当権後順位の乙抵当権が設定された後、甲抵当権が設定契約の解除により消滅し、その後、乙抵当権の実行により土地と地上建物の所有者を異にするに至った場合において、当該土地と建物が、甲抵当権の設定時には同一の所有者に属していなかったとしても乙抵当権の設定時に同一の所有者に属していたときは、法定地上権が成立するというべきである。

 

平成18(受)1398 建物収去土地明渡請求事件 平成19年7月6日 最高裁判所第二小法廷 判決 破棄自判 仙台高等裁判所

 

 

 

問題

AとBが建物を共同で所有し、Aがその建物の敷地を単独で所有している場合において、Aがその土地上に抵当権を設定したが、抵当権の被担保債権について弁済できなかったので、その抵当権が実行され、その土地は買受人Cが取得した。この場合、この建物のために法定地上権は成立しない。

 

 

 

正解は?

×

 

 

 

1.Aの土地AとBが建物を共有

 

2.土地抵当権を設定

 

3.Aが被担保債権を弁済できず抵当権が実行される

 

4.土地をCが取得する

 

こんな感じですね。

 

これも判例知識です。

 

内容を読むと納得ですね。

 

建物の共有者の一人がその建物の敷地たる土地を単独で所有する場合においては、同人は、自己のみならず他の建物共有者のためにも右土地の利用を認めているものというべきであるから、同人が右土地に抵当権を設定し、この抵当権の実行により、第三者が右土地を競落したときは、民法三八八条の趣旨により、抵当権設定当時に同人が土地および建物を単独で所有していた場合と同様、右土地に法定地上権が成立するものと解するのが相当である。

 

昭和46(オ)844 建物収去土地明渡請求 昭和46年12月21日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所

 

ただし、この問題の絡みで注意しなければならない点があります。

 

土地単独建物共有⇒法定地上権は成立

 

土地共有建物単独⇒法定地上権は不成立

 

土地が単独の場合は判例のように自己のみならず他の建物共有者のためにも右土地の利用を認めているものと判断されますが、土地が共有の場合はこの限りではありません。

 

平成2(オ)663 建物収去土地明渡等 平成6年12月20日 最高裁判所第三小法廷 判決 破棄自判 札幌高等裁判所

 

 

今日は問題文自体が長かったのもありますが、例外や最後までしっかり読んで答えなければならなかったり、又、土地と建物で判断が異なるなど注意が必要なものが多かったですね。

 

しっかり復習して下さいね。

 

 

今日のところはここまでです。

 

 

んでまずまた。

 

 

 

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