~続き~

例の記事が出るちょっと前に「横須賀芸術劇場」にてAAA(Act Against Aids)の藤木直人単独でのチャリティライブがあり、わたしも見に行ったのですが、新曲の「パズル」とカップリングの「ひだまり。」などが初披露され(※パズルの初披露は、正確にはその前の新潟県長岡のイベントライブにてでしたが)
きれいな歌だね~っと感激したり、あとは始まる前に必須で「30分間の、エイズ撲滅に関するお話」をかかりの人から受けないといけなかったため、○ン○ームちゃんの着ぐるみがうろうろしてるステージ上を神妙に見てからふじっきーを迎えたわたしたちに「楽屋で話の様子は見てました!・・わりと深い話までしたんでショ?」と、ちょっと声のトーンを落として質問してくるふじっきーに「いや~ん!」と赤面した婦女子(しかも主婦とかばっかり)こんな光景でとても楽しかっただけに、それから1週間たつか経たないか(もっと経っていたかも、だけど)の、この騒動にはちょっとへこみました。良い曲だと思っていた「ひだまり。」は、たんなるのろけの曲だったのです。あらためて聞き直してみて「だめだよふじっきー!ソングライターとして、想像とかで曲を膨らませる作業ができなく、見てきたもの、経験してきたもの、そのまんまじゃ、流行歌の作曲家としては完璧・失格!」とダメだししたのはいうまでもありません。だって「別れの曲を書くには、彼女といっぺん分かれてみよう~♪」なんてやっていたのでは、総勢何人の人たちと付き合わないといけないのだか、一生のうちで数え切れません。そんなアホなことしてる人は居ないんです。

これに関連した、ふじっきーの釈明は一切正式には無いのですが、ただ、翌年2月号の「PatiPati」の表紙・巻頭インタビューにでの取材で彼はそのことを真正面からコメントしていたのを知ったのは、このPatiPati紙面からはカットされていて、3月に発売になった写真集「Growth~Naohito's World Guidebook」を最後まで読んだときです。後ろのほうの「完全版インタビュー」にてちゃんと復活収録されています。この本はとくに絶版にもなっていないし、ふつうに書店でいまでも手に入るので読んでないかたはぜひ購入してみてください。どういうふうものが読めるのかというと・・

『ファンのみんなにうしろめたいことは一切していない。普通にしているだけなのに・・』という彼のとまどいと、
『もともと、なにも無いところから始めたことなので、捨ててもいい。捨てることなんていつだってできるかも』という、追い詰められた思い、
(でも、捨てられるの?本当に?この仕事を辞められるの?のライターさんの問いに)
『ぼくはたぶん捨てられないですね・・』という、まわりのスタッフの生活もかかっている、という、芸能生活への責任感だけでどうにかやっていく所存である、というちょっと寂しいコメントでした。

これを読んでわたしはとてもはっとしたんです。彼が、「自分の喜びと、ファンの喜びと、両方両立できるようなユートピアがもしあったなら、いますぐ、Warpのジャケ写裏にあるような「まるまど付きのどこでもドア」を「ぱかっ!!」と開いて、そいういう世界に行ってみたい・・という悲しい願いがいたいほど伝わってきたからでした。
~続く~