先週出版された、朽木祥さんの新作です。
私の地元の小網代も出てくる、小帆船と少年たちの物語です。
主人公の海生(かいせい)は中学受験に失敗して地元鎌倉の中学に通っている一年生。鬱屈した気持ちをもてあまして、幼馴染の田明と家出を計画します。なんと、ヨットマンだったおじいちゃんのクルーザー、(物語中では別の名前になっていますが)小網代の「アイオロス号」まで、鎌倉から「ウィンドシーカー号」(A級ディンギー)で行こうと言うのです。
この船での家出や小網代でのキャンプ、アイオロス号の出来事は大冒険といって良いでしょうが、朽木さんの描き方は大げさになることなくしっかりとしていて、いつの間にか物語に引き込まれていきます。
ランサマイトなら好きな場面がいっぱいで、惜しむらくはページが足りない!この倍ぐらいあってもいいと思いましたよ。出てくる帆船も2隻とも木製で、素敵です。
そして、おまけは神宮さんが解説を書いております。
うーん、満足しました。