90年頃、西武ライオンズで活躍していたオレステス・デストラーデが、

今日ESPNのOutside the Linesと言う番組に出演していました。


Destrade


Outside the Linesは、

スポーツを取り巻く重要問題を毎晩取り上げ、

事情に通じているゲスト数人が討論する番組です。


今日のテーマは、

メジャーリーグでのヒスパニック選手に対する差別。


先週、サンフランシスコ・ジャイアンツの放送権を持つラジオ局で、

トークショーの司会が、"Brain-dead Caribbean hitters"と、

ジャイアンツのヒスパニック選手を見下した発言をし、

ヒスパニックのフェリペ・アルー監督の知能も侮辱しました。


司会は謹慎処分、ジャイアンツは大騒動になっていますが、

リーグ中のヒスパニック選手に言わせると、

この事件でやっと表に出てきたのは、

今までも常に彼らを囲んできた差別の一片だそうです。


このトピックでデストラーデが呼ばれたのは、

選手として多くのヒスパニックの選手と接しただけでなく、

現在、衛星のスペイン語版MLBラジオ局で、

トークショーの司会をしているからでした。


日本ではあまり話題にならないことだと思いますが、

デストラーデが最も大きな課題と見ているのは、

ヒスパニックの選手にとっての言葉の壁です。


彼の言葉を少し紹介すると、


"A Japanese player gets off the plane coming from Japan to play in the Major Leagues, and he's got an interpreter right by his side. I'm not saying we're going to have an interpreter for every Major League Latino player, because that's impossible. But I think MLB needs to do a better job of having a representative, per team."


(訳)

「日本人選手がメジャーでプレーしにやってくると、

すぐそばに通訳が付いていてくれる。

その様にメジャーのラテン系選手全員に通訳を付けろ、

と言っている訳じゃない。

それは無理だろうから。

でも、チームに1人は、

ヒスパニック選手の代弁者がいなければならないと思う。」


チームによっては、

ヒスパニック選手のニーズにしっかり対応し、

コミュニケーションを上手くとっていることを認めながらも、

それが出来ていないチームが多く、

トラブルの種になっていることを指摘していました。


彼の選手経験でも、

英語でチームメイトと何とか交流するのではなく、

殻に閉じこもってしまうヒスパニックの選手が多く見られ、

変な誤解が広まったり、

ステレオタイプを押し付けられてしまう事があったそうです。


ドーピングの問題でも、

今まで処分を受けている選手のほとんどがヒスパニックなのは、

スペイン語でヒスパニック選手にポリシーを伝え、

教育するようなシステムが出来ていないからだと言われています。


代表選手の多くがヒスパニックなのに、

チーム経営者や、リーグの重役には、

ヒスパニックは皆無といっていいメジャーリーグ。


この理不尽さを、もっと多くの人が知り、

解決への力となって欲しいと思いました。



デストラーデをテレビで見ることは、

子供の頃のヒーローとの再会だっただけでなく、

彼の新しい面を知ることも出来て嬉しかったです。