中庸を行く・・グロのニュイ・サン・ジョルジュ レ・シャリオ | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

ミシェル・グロ ニュイ・サン・ジョルジュ・レ・シャリオ 2003
購入日    2006年12月
開栓日    2018年3月25日
購入先    かわばた
インポーター トーメン
購入価格   4599円

 

年のせいで和食中心の食生活になっているため、日本酒を合わせる機会が増えているが、

最近ワインを飲んでいない、というわけでは決してない。

しばらく前に開けたワインだが、印象に残ったので記録しておく。

 

最近はワインが主役になるような食事はしていない。

あくまで食中酒としてのワインを愛でるようになっている。

自分でも食への審美眼がこの3年ほどでぐんと高くなったと感じる。

これも京都の食の大家3人の影響だ。

 

イヤミだからあまり書きたくないが、大阪で最も予約困難店とされる

心斎橋の某店に4年間も毎月通い続けたら、それが味覚のスタンダードになってしまうのだ。

 

赤ワインはピノ・ノワール以外は飲まなく、いや飲めなくなってしまった。

昔はあれほどボルドーが好きだったのに、どうしたことか自分でも分からない。

 

そのブルゴーニュのピノ・ノワールだが、入手困難なルーミエやフーリエを無理して探して

高いお金を払って飲むことに価値が見いだせなくなっている。

どちらの造り手のワインも30本ずつくらいは残っていると思うが、

もちろんほとんど村名で、飲み頃待ちの状態だ。

 

ミシェル・グロはまだ手に入りやすい。

とはいえ、10年前には4000円くらいで手に入った村名も、今では8000円になっている。

もはやブルゴーニュワインは、日常の飲み物ではなくなっているのだ。

ブログを更新できない理由もそこにある。

ともあれまだまだ手持ちはあるので、ワインの新規購入はほとんどしなくなった。

 

そこでこのレ・シャリオだが、2003を1本だけ購入していた。

10年くらい前に2002を開けた覚えがあるのだが、その時の幸福感を思い出した。

やっぱり良い畑だ。

中庸という形容詞が最も当てはまる。何より神経質でないのが良い。

2003年の熟した果実感がしっかり残っていて、今が丁度飲み頃だと感じるし、

今後5年経ってもまだまだ飲み頃が続いているだろうと思う。

 

先週上七軒で北野をどりを見て、京都のとあるレストランで食事をしたが、

食べログ評価が高い人気店で満席だったにもかかわらず、結果的にお金と貴重な一食を捨てた。

一緒に行った自称グルメで、さんざん接待で美味いものを食ってきた

元シンガポール支社長は旨いと絶賛していたが、「おまえはアホか」と一喝しておいた。

シンガポールであれだけ旨い小籠包を食わせてくれたのに、どうなってるんや?

 

テタンジェとラングドックの白を開けてグラスワインも飲んだけれど、

いずれも自宅では飲まないレベルのワインで、2人で総額3万1千円だからねえ。

心斎橋の名店と変わらぬ値段である。

これなら勝牛の定食を食べてビールを飲んで帰った方がましだった。

 

今日も記念パーティがあり、一流ホテルの宴会部の食事をしてきたが、

ワインは当然のこととして、料理も家の方がずっと美味しい。

阪神百貨店の地下で買う刺し身や、明石から届けてくれる魚屋さんの魚を

日常に食べるというのは非常に贅沢なことなのである。

 

だから、食もワインも冒険をしなくなった。

だが、京都の食の巨人によると、セブンイレブンの親子丼は美味しいらしい。

仙太郎の黒糖どらやきも旨いらしい。

食に関して畏敬してやまない京都のYさんが言うのだから、絶対に間違いない。

 

ワインとは合わないとは思うが、今度買ってみよう。

このくらいの冒険ならしてもよい。