セントレジス恐るべし | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

1月9日(木)、セントレジスホテルの最上階12階にある
イタリアンレストラン「ラ・ベデュータ」に友人と先輩2人とで訪れた。

セントレジスは、最近オープンした最高級ホテルで、日本ではまだ大阪にしか無いそうだ。
大阪ではリッツカールトンと並ぶブランドのホテルである。

さほど広くないが、大阪の中心本町駅の真上にあるため立地条件は抜群である。
阪急梅田駅から徒歩で20分以上歩いて行くしかない
リッツカールトンよりずっと交通至便のホテルだ。

今週の土曜日には恒例の医師会の新年会があるが、
会場はリーガロイヤル大阪であり、これまた行きにくい。
この年になると面倒くさがりになり、不便なホテルに行くのには足が遠のいてしまう。

まあそれはともかく、大阪で最高級のホテルだからレストランも高価であるかと思いきや、
実際にはリーゾナブルなのである、と今回初めて知った。

これも連れて行って頂いた先輩と、彼を紹介してくれたワインの師匠である
同期生のおかげである。
この同期生はフランス語研究者で、ミシェル・グロやベルナール・グロとも顔なじみである。
従って、今回はグロ・フレールの看板ワインを持参した。





メニュー


アミューズ 鮟鱇の肝にパルミジャーノを粉状にしたものがかかる


鮮魚のカルパッチョ

左側にレモンのジュレのソースがあるが、右側にはバルサミコベースのソースが
点状に置かれている。
これがいかにもイタリアンで、少量でインパクトがある。


グラスの白ワイン 

ヴェネトピエモンテ州のDOCGだそうである。
カルパッチョに合わせて供された新鮮なもので、これはソムリエの憎いチョイスだ。

これに先立つグラス・シャンパーニュはヴーヴ・クリコのイエローラベルだった。
ヴーヴ・クリコはセントレジスのグループだから、要するにハウス・シャンパーニュである。

不遜な感想だが、今のわたしにはイエローラベルでも水っぽく感じる。
こんなところで普段飲みしているシャンパーニュが立派なものだと思うわけである。
まあ、少量生産品とこんなグラン・メゾンのブランドものは比べられないのだが。


鴨肉のパスタ料理


鮟鱇の身を薄い豚で包んだもの

上にイワシのように見えるのは、チコリという野菜である。


和牛ロースのグリル

微妙な獣臭を残したジビエのようなグリル。
これは赤ワインと相性がバッチリ。
量も適切で仕事ぶりも繊細。


デザート これは平凡でした


グロ・フレール・エ・スール クロ・ヴージョ・ミュジニ 2005
購入日    2007年11月
開栓日    2014年1月9日
購入先    かわばた
インポーター 八田
購入価格   11000円

当日持参したので、わざと新しめのものを持って行ったが、当然のごとく若い。
まだ果実そのものが感じられ、タンニンはほぐれず少しざらざら感があった。

しかし香りは抜群で、状態もバッチリのワインであり、良年ゆえの若開けであったと言える。
これなら2004を持って行った方が良かったかな、と思ったが、
分かりやすいのは2005が勝るだろう。

2000年あたりはこの半額で買えたのだが、さすがに2005は高くなっている。
何を血迷ったか、同じものを4本も買っているのに気付いた。
同じ状態のワインとして、わたしの好みの飲み頃は最低でも3年先、
「リバー基準」では5年から10年先、といったところだろうか。

ベルナール・グロは時にへたをするむら気な造り手だが、
一緒に行った友人の話では、フードフェスタではいつも自分がベロベロに酔っているらしい。
このワインもかなりボトル差が大きいのだけれど、畑が良いのは間違いない。


リッツカールトンのフレンチ「ラ・ベ」では、料理の価格は置いておいても、
とにかくワインリストの価格が異常で、まともな経済感覚では付き合いきれない。
しかも持ち込み料はべらぼうである。

しかし、セントレジスは違う。
「大阪人はお得感がないとリピートしない」
と今回連れて行って頂いた先輩が、直接ホテルのトップにアドバイスしたそうだ。

この先輩は関西を代表する私立大学の最高幹部の1人で、どうも相当な人のようである。
しかしわたしにとっては友人の友人であり、もはや友人なのだけれど、
先輩にもかかわらずいつも言いたい放題のことを言っている。
きっとあちらの業界関係者から見たら、わたしは無礼な奴なのだろうと思う。

今回分かったが、セントレジスはさすがの超一流ホテルで、雰囲気とサービスは抜群である。
ホテルのレストランでここまでやられると、個人のレストランなら内装やサービスでは
比較にならないから、相当腕で勝負しないといけなくなる。

セントレジスさん、恐れ入りました。
これまで知らないですみませんでした。

良い時代になったものだ。