2日目がピーク・・バイエのオート・コート・ド・ニュイ | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

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ユドロ・バイエ オート・コート・ド・ニュイ 2007
購入日    2009年3月
開栓日    2012年8月1日
購入先    優心美酒SHIMURA
インポーター ヌーヴェル・セレクション
購入価格   3000円

毎年のことだが、盆休み前のこの時期は年中で最も忙しい。
暑いから患者さんは朝のうちに来られるので、9時前に仕事場に行ったら
すでに20人近い患者さんが待っておられたりする。
この時点で待ち時間1.5~2時間である。

しかし、暑くなる昼前には患者さんは枯れてしまい、朝10時を過ぎたら
数人しか来られない、なんてことがある。

先日同業者の先生から、予約制にすべきだ、との意見を頂いたが、
うちは超高齢者が多いため、予約してもその日を覚えておいてもらえるとは限らず、
そもそも予約日に天気が悪いとかえって迷惑をかける。

予約時間に来て頂いて1時間でもお待たせしたら、かえって苦情が出るから、
未だに予約制に踏み切れない。

かつては、待ち時間が長いのは医療機関の責任だとしてマスコミが非難していたが、
診療が時間通りに運ぶはずはない。
誤診でもしたら大変なことになるから、絶対に手は抜けない。
重症例や診断困難例、さらに話が長くて対話が通じない患者さんが1人来られたら、
それで診療時間が延びるのは不可抗力である。

ちゃんと説明せずに患者さんを帰したら、医師のインフォームド・コンセントが
なってない、などととマスコミは非難する。
まったく勝手なものだ。

いっそのこと1人10分で診察終了、それ以上は1分いくらで超過料金とすれば
いいのかも知れないが、そんなことをしたらまたもマスコミは
命の沙汰も金次第、医は算術などと騒ぐに決まっている。

結局のところ、忍耐強く待ち続けて下さる、信頼関係が確立した患者さんを
大事にするしかないのである。

というわけで、連日忙しい。
おまけに先週末は会議で東京をとんぼ返りしていたりするので、
プライベートな時間がまったく取れない。

そんな中、今月末の学会に演題を出したら、メーカーの目に止まり、
9月と10月に札幌と福岡での講演会にパネリストの依頼まで来てしまった。
参加メンバーを見たら、毎度お馴染みの日大教授や山梨大教授たちである。

学会入会後たった4年なのに、いつの間にこんな重鎮メンバーと肩を並べて
プレゼンする立場になったのだろう。

目立ちたいわけではないが、人前でしゃべるのは三度の飯より好きである。
声がかかると断らないからこんなことになってしまう。

きっと色んなところから嫌われていると思う。
落語家にでもなっていた方が良かったかも。


そんなこんなで、奥深いワインをしんねりむっつり開ける気にはなれない。
暑いから赤で暑苦しいのは願い下げにしたい。
ということで、先日ACブルゴーニュを開けてけっこう満足した
ユドロ・バイエのオート・コート・ド・ニュイの2007である。

ACブルより少し高いだけあって、ちょっとボディがしっかりしている。
初日は何となくざらついており、ここは酸化を待たないと仕方がない。
オート・コート・ド・ニュイにしてはやや濃いめだが、この点はACブルと大きく異なる。

わざとやや高温で長時間栓をせずに放置し、その後冷蔵庫で保管し翌日飲んでみると、
予想通り飲み頃になっている。
枯れずにまろやか、エッジも適度に丸くなって、村名クラスの風格がある。

ただ、オート・コート・ド・ニュイにしてはボディがありすぎ、糖度が高すぎで、
酸のシャープさが乏しい。
まあ、これはそういう畑、そういう造りなのであろう。

続く3日目は、枯れ果てて目も当てられない状態になっていた。
現時点で価格以上のものは十分あるし、今後もう少し時間をかけた方が
美しくなりそうではある。

村名クラスの2007も何かあったかと思うが、
これら裾ものからも十分造り手の実力は覗われるようである。