大当たりぃ〜・・ブラン・ガニャール | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~
ブラン・ガニャール シャサーニュ・モンラッシェ 1er. クロ・サン・ジャン
購入日    2005年8月
開栓日    2012年3月12日
購入先    ヴェリタス
インポーター ヴェリタス
購入価格    3280円

今日は締め切りの迫った百年誌の原稿執筆のため、丸1日パソコンと格闘していた。
貴重な休日の、実に充実した潰し方である(涙)

たまたま午後にテレビをつけていたら、前回話題にした橋下徹大阪市長が生出演していて、
例によって立て板に水のごとくしゃべりまくっていた。

彼はちゃんと人の言うことも聞いた上で、的確に自分の意見を述べている。
進行係をしていた男性アナウンサー以外、誰も彼のテンポについて行けていないし、
論点のずれたコメントも散見された。

彼は、努力してディスカッションのテクニックを身につけた、というのとは明らかに違う。
好き嫌いは別にして、本当に頭の良い人間だ、とつくづく思う。
「天才に勝る努力なし」という格言を思い出す。

番組の60歳のコメンテーターが、自分のおじが戦争に行ったことなどを語り、
君が代に対する私感を述べていたが、橋下は制度論の観点から極めてドライに論破していた。

60歳といえば自身は戦争経験者であるはずはなく、親だって実際に戦地に行ったかどうか、
という年代の人間である。
そんな世代の人間が、君が代と軍国主義を結びつけて私論を述べる。
彼なりにそう考える理由があるのだろうし、それはそれでまったく構わない。

しかしへそ曲がりなわたしは、彼の考えこそ戦後教育の1つの成果だと感じるのである。
要するに
「戦争の実体験を持たない彼に、誰かが、君が代と軍国主義を結びつける教育をした」
と訝るわけである。

その教育が正しかったのかどうか、わたしには分からない。
しかし、日本人に対するそのような教育に、わが国の利益と相反する他国の政治的意図が
もし込められているとしたら、実に恐ろしい話である。

以下はわたしの勝手な推測だが、橋下の意図するところは、
「60歳のオヤジが受けたかも知れない教育が、今後もわが国で連綿と続けられることを
 制度的な面から合法的に断ち切る」
ことにあるのではないかと思う。

教育は百年の計だ、とはよく言ったものだ。


何のブログかまた分からなくなってきた。
鬱陶しい話はこのくらいにしよう。

先週開けたワインだが、赤の産地としてはほとんど注目されず、
著名な生産者もいないシャサーニュ・モンラッシェの赤の1級ものである。

実はシャサーニュ・モンラッシェでもかなり赤ワインが生産されているらしいが、
白があまりに有名すぎるせいか、影が薄い。

ところがこのワインは素晴らしかった。
南の方だが重すぎず、さまざまなフルーツの混じった果実香がふわりと立ち上がり、
あと味も鈍調にならず、気品ある果実香を残して去っていく。

酸はシャープすぎず、タンニンは控えめでミネラルも自然である。
これだけバランスの取れたワインとは、出会えそうで滅多に出会えない。

と思って新しいヴィンテージが手に入るかネットで検索してみたら、
別のガニャールさん(親族か?)のものはわずかにあるのだが、
そもそもこの造り手の赤ワインはほとんど出回っていないことに気付いた。

買ったのは7年近く前だし、それもたった1本だけ。
価格を知ってアホらしくなる。

こんなワインを経験すると、有名どころのクソ高いブルゴーニュを追いかける必要が
あるのだろうかと疑問に思う。
経験値が少ない人ほど高いお金を出しているのかも知れない、とも思う。

今や中国のお金持ちの関心は、ボルドーの5大シャトーからDRCに向かっているらしいし、
ブルゴーニュもボルドーの有名どころの二の舞になるのは明らかである。

わたしはお金は余っているが(ウソ)、中国人のマネをする気にはならない、
とこのワインを飲んで意を新たにした。

しかし、今では売っていない。
まるで廃線になった鉄道を1回限りで辿っているような気がしてきた。

新たにローカル鉄道が建設されることが滅多にないように、
わがワイン庫に眠る宝物を探すだけの未来しかないのだろうか。