バナナの芳香(初日だけ)・・ペノ | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

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マルク・ペノ VdTミュスカデ「クロ・ラ・デジレ」 2006
購入日    2008年2月
開栓日    2012年2月21日
購入先    Alcoholic Armadillo
インポーター 野村ユニゾン
購入価格   1800円

どういうわけか分からないが、こんなワインがまだ1本残っていた。
早開けして酸を楽しむワインだったはずで、2008年の12月に開けた際には
まだ泡立っていて、ピチピチしていた。

それを今開けたらどうなっているのか。
きっと今ごろまだこのワインを持ち続けている飲み手など、ほとんどいないだろうから、
これは稀少な体験ではないか。

自慢できるような話ではなく、かく言うわたしもワインの山の中から偶然発見したに過ぎないので、
あまり期待せずに開栓してみた。

やはり時間というのは偉大なもので、早飲みすべき?ワインにもお見事な熟成をもたらしている。
一番インパクトが強かったのが、開栓すぐのバナナの香りで、
どうやったらミュスカデからバナナが出てくるのか、不思議なことこの上ない。

当然今ではすでに発泡などしておらず、切れ味の良い酸も失われている。
しかしこれに変わる魅力をきっちり身につけているので、これはこれでいいなあ、
と思ったのである。

しかしまた不思議なことにそのバナナの香りは初日の最初だけで、
酸が無いために、2日目には牙を抜かれて茫洋としたワインとなっていた。

このあたりがブドウの特徴というか限界というか、造り手の努力を越えたものを感じてしまう。
やはり2009年前半くらいに飲みきってしまうのが常識的なのであろう。

購入してから放置しておくのは、やはりワインを選ばないといけない。
当たり前の結論で面白くも何ともないが、やはりワインは農産物なのである。