今がピークか・・レシュノーのオート・コート | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

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フィリップ・エ・ヴァンサン・レシュノー  ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイ・ルージュ 2007
購入日    2009年8月
開栓日    2012年2月11日
購入先    ウメムラ
インポーター ラック・コーポレーション
購入価格   2880円

この造り手のフラッグシップ、クロ・ド・ラ・ロッシュと抱き合わせでやって来たワインである。
何本もあったので、2年前に最初の1本を開けて以降、アキュイールにまとめて持ち込ませて
もらってりして、在庫はこの1本だけになったようだ。

その最初の1本は、予想通りボルドー右岸のように濃いワインであったが、
この2年間でかなり熟成は進んで、相当柔らかくなってきている。

実際に昨年アキュイールに持ち込んだボトルは、最初の1本とはうって変わって
ブルゴーニュらしくなっていた。

写真でも分かるとおり、ウサギの胸元には呼び寄せ用に使った食べかけのごはんつぶが
付いているが、ワインのエチケットには液漏れのあとがある。
ウメムラから自宅に来たボトルの半数近くが、明らかに液漏れしていたのである。

幸いにも中身には問題は無かったのだが、抱き合わせとはいえ、こんなボトルを何のコメントもなく
ぬけぬけとお得意様のわたしに送りつけてくること自体、愉快なことではない。
液漏れボトルが熱入りだったりしたらもちろん言語道断で、抗議してごっそり返品を申し入れただろう。

幸いこのワインたちはそんなことはなく、液漏れの原因は元々液面が高かったせいだろう、
と思われた。

この2007もそろそろピークを迎え、そして過ぎ去りつつあるようである。
造り手の個性としての濃さは確かに残っているが、伸びやかな酸、ではなく、
「容量のないスピーカーに過大な入力を入れた際の、サチュレーションした高音」
のような酸を感じる。

多分このあたりが、このワインの限界なのだろう。
価格はリーゾナブルである。この価格でこの内容なら何の不満もない。

最近オート・コート・ド・ニュイ名のワインは、品質は総じて安定し、
良い造り手のものでは期待を裏切られることはほとんど無くなった。

畑の位置が高いせいか、痩せていて神経質なワインが多いが、それも個性と言って良いと思う。
裾ものとして悪くはないと思っているが、ネガティブなことを挙げるとすると、
決して大化けすることもない。

このレベルのワインを普段飲みするのに不満を感じるようになったら、
エンゲル係数が暴騰するのは間違いない。

実際わたしもそうなりつつあるが、これは大変不幸なことである。