どうひっくり返ってもこれはガメイだ・・ルロワ | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

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メゾン・ルロワ ブルゴーニュ・ルージュ 2007
購入日    2010年4月
開栓日    2011年11月22日
購入先    ウメムラ
インポーター AMZ
購入価格   3340円

1週間前に開けてすでに記事にした、メゾン・ルロワのACブルゴーニュの続報である。

新たにもう1本開けたのではなく、美味しくないので放置していたものを
1週間経って再度口に入れてみただけである。
こんなものを楽しんで短期間で連続して開けるほど、わたしの舌はバカになっていない。

開栓後1週間が経つが、もはやガメイ臭しかしない。
ブラインドで飲んだら、これはボージョレだと自信を持って言う。

真実など知ったことではない。
わたしがガメイだと感じたら、それは自分にとってガメイであり、
実際はカベルネだろうがメルローだろうが山田錦だろうが、「実質上ガメイ」なのである。

何でこんなガメイっぽいワインを、かのルロワの名を冠して、
「ブルゴーニュ」という看板を掲げて売るのだろう。
「羊頭狗肉」ならぬ、「ブル頭ボジョ肉」ではないのか。

いや、そう強気に書いたところで、これはまっとうなブルゴーニュのピノ・ノワールである、
という反論が来るかも知れない。
しかし、誰が何と言おうと、今のこのワインはガメイの香りと味しかしない。

フェイクワインである可能性も考えられる。
だが、それ以外の可能性があることにふと気付いた。

セレナ・サトクリフの著書「ブルゴーニュワイン」(早川書房刊)によると
「ボージョレの中でも特級物にあたる10のクリュ・ワイン、つまり「村名ワイン」が
格下げされる場合は、ACボージョレではなく、ACブルゴーニュになってしまうことは
知っておいたらいい」
と記載されている(p174)。

すなわち、10のクリュ(フルーリーやムーラン・ナ・ヴァンやモルゴンなど)のどこかで
造られたガメイによるワインである可能性もあるわけだ。

いずれにしても、同じエチケットを纏った1998とは、まったく異なる畑のブドウであることは
明らかである。

はっきり言って、こんなガメイ(もどき?)のワインに3000円超の価格を払うことは
馬鹿げている。
5年物のACボージョレなら、1500円も出せば手に入るし、質だってこれと変わらない。

ところがわが国でボージョレと言えば、3000円くらいが主力のヌーボーしか
一般的には手に入りにくい。
このあたりに、日本のワイン市場のいびつさを感じてしまう。

期せずしてまたワイン業界から嫌われる記事を書いてしまったようだ。

わたしが開けたのは、たった1本である。
ウメムラさんなどでは、かなりの本数が出ているはずだから、
これがガメイである、と感じる飲み手が1人ぐらいはいてもいいな、と思うのだが。

ネガティヴなことばかり書いてきたので、自省の念を込めて最後に一言添えておこう。
同じ価格帯で買えるボージョレ・ヌーボーより、ずっとこっちの方が美味しいですよ。