控えめでいとおしいが・・ユリス・コラン | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~
ユリス・コラン ブラン・ド・ブラン・エクストラ・ブリュット NV
購入日    2011年1月
開栓日    2011年7月26日
購入先    かわばた
インポーター ラシーヌ
購入価格   5400円

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

昨年9月に05ものを開けて以来、自宅で開けるのはこれで2度目だが、今回は06ものである。
実はこの間、アキュイールにも持ち込んだし、ハジメでロゼを開けてもらったので、
ちょっとはこの造り手の特徴が分かってきた気がする。

このシャンパーニュ、今検索しても、ネット上にはほんの僅かしか残っていない。
ましてこんな値段では皆無だ。
我ながら買い物上手な大阪のおばちゃんキャラだと自画自賛する。

ハジメで開けたロゼは相当に稀少品だったのだろうな、と改めて思う。
もちろんリストには無かったものだが、こんなところに三つ星レストランとしての
懐の深さを感じる。
それは、一度や二度訪問しただけでは分からないものだろう。

さて今回の1本、相変わらず控えめなヒネ香、酸味とミネラルも大人しめで、
痩せた酒質のシャンパーニュである。
少し温度が上がってきたら、そのヒネ香や果実香が立ち上がってくるが、
低い温度では奥ゆかしすぎると感じる。

しかし、今回はそれをポジティブな意味に捉えたい。
なぜなら、奥ゆかしさにいとおしさを覚え、ついつい杯が進むのである。
パーティ会場の片隅で壁を背にしている、露出度の低い目立たないドレスをまとった
大人しい美人、と言えば褒め過ぎか。

稀少すぎると伝説は作れまい。
神秘性を表に出すには控えめすぎる。
5000円台では安すぎて、伝説にはなり得ないかも。

伝説のシャンパーニュを市場に確立するのは、何と難しいことであろうか。
今回の1本を開けた印象から、この価格で気軽に市場で手に入るなら、
毎ヴィンテージを少しずつリピートしてもいいな、と思った。

少量生産であまりタマがないなら仕方ないけれど、
稀少を武器にして、もったいぶって出してこないのは勘弁して欲しい。
そこまでして追いかける気には、今のところならないから。