ラ サーカス ビズ・・渋いチョイスのワインたち | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る


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27日の木曜日、来週開かれる講演会の準備のためリーガ・ロイヤルホテルを
訪れたが、宴会部に入っていくやいなや、名乗る前に
「お待ちしておりました」
と言われたのには相当面食らった。

わたしはきっとこのホテルの要注意者リストに、顔写真入りで載っているのだと思う。
7月にあった医師会の宴会のワインに関し、このブログでいちゃもんをつけたのが
効いているのだろうか。

「あのワインを選んだのは岡さんではなくて寺島さんです。
 まったく、何を考えているんでしょうか」
と苦情を繰り返し言っておいたが、さて来年の新年会のワインがどうなるか楽しみだ。

会議のあと、心斎橋の「Le Cirques Biz(ラ サーカス ビズ)」を訪れた。
連れて行ってくれたのは、わが医会の元締めである堺市医師会のK先生である。
わたしもあちこちでピ~ヒャララと偉そうなことを言っているが、このK先生の
ストイックな姿勢には頭が上がらないし、その仕事ぶりには敬服している。

この日ののメンバーは、K先生とまいどの敬愛する副院長、西宮の大先生とわたしとの
4人であった。
K先生がご贔屓のこの店は、かつて堺市にあったそうだが、心斎橋に移転した
ということである。

デジカメを持って行かなかったので、残念ながら料理の写真はないが、
カジュアルなフレンチ・イタリアンで、一品あたりの量が多く、若い人たちには
大いに受けそうな店であり、非常に好感が持てた。
店主のIDEさんはソムリエで、何の前知識もなく訪れたのだが、興味あるワインが
いろいろと提示された。

「え?ボトルを持って帰るんですか?」とあきれられたが、これはわたしには
毎度のことなのである。
料理の写真がないのは残念だが、ワインだけ記録しておきたい。


デュヴァル シャルパンティエ "トラディション" ブリュット NV
インポーター 野村ユニゾン

わたしがワインにウルサイおっさんだ、という前知識もなく、
何も銘柄を指定することなく供された、夏の夜にふさわしいシャンパーニュ。
なるほどこれなら欠点を指摘するのが難しいし、万人受けするに違いない。
ピノ・ノワール80% シャルドネ20%だそうだが、もっとシャルドネの比率が高いように
感じる。

ネット価を調べてみて驚いたのだが、3500円少々で手に入る。
店での価格は知らないが、こ~れは安いわ。
強烈な個性は乏しいにしても、まだまだ良心的なシャンパーニュは探せばあるんだな、
と思った次第。


ギー・ボサール ヴァン・ムスー・トラディショネル・キュヴェ・ルートヴィッヒ・ハーン NV

もう1本泡ものを所望した結果、これになった。ロワールの産らしい。
店主はピノ・ムニエとおっしゃっていたが、 あるHPにはフォル・ブランシュ45%、
シャルドネ25%、ムロン・ド・ブルゴーニュ20%、カベルネ10%と書かれている。
エチケットにも堂々とビオディナミと謳われているが、これは賛否両論あるところ。

実はこの泡もの、ほんの少ししか飲んでいないので確信はないのだが、
熟したリンゴのような果実味に独特のビオ香が漂い、極めて個性的だし品格もある。

自宅でネット価を調べて仰天した。
何と1900円程度で売っているやおまへんか!
わたしの直感が外れていなければ、泡ものでは近年まれに見るCPである。
こんな泡が2000以下!と驚きのあまり、迷わず在庫の4本を押さえてしまった。

ちなみにルートヴィッヒ・ハーンというのは、ミュンヘン交響楽団の女流?ヴァイオリニスト
だそうである。
エチケットにも楽譜が書かれている。

少しケチをつけると、ミュンヘン交響楽団というのは無名のオケで、有名なのは
ミュンヘン・フィルハーモニーの方である。
こっちは怪物指揮者のクナッパーツブッシュや、彼をけなしてはばからない
変人指揮者のチェリビダッケが振っているのでなじみ深い。

クナがミュンヘンフィルを振った最後の演奏会の記録はブルックナーの3番で、
よくもまあこんなテンポの滅茶苦茶な演奏ができたものと感心する。
この録音はブルックナーの全録音中でも屈指の怪演で、あの怪演好きの宇野功芳でも
あきれているほどだから、その程度たるや尋常ではない。
わたしは、実はこれを名演だと思っているから、ワインばかりでなく音楽でも
けったいな趣味を持っていると自覚している。


ドメーヌ・アルマン・ジョフロワ ジュヴレ・シャンベルタン アン・ジョア  2002
インポーター オーデックス ジャパン

これはぴったり飲み頃で大当たりだった。
村名格だがそれ以上のクオリティはあり、軽やかなるも華やかで、ジュブレにしては
土臭さもなく実に上品である。
K先生は、こんなピノは初体験とおっしゃる。

さして有名な造り手ではないが、マジなども所有しているようだ。
これならぜひ上級キュヴェも試したくなる。
暴騰のブルゴーニュも、まだまだ捨てたものではないかも知れない。
5年後には、誰も気付いていないようなマイナーな造り手ばかりを揃えて
「有名になるな~」
と祈りつつ飲んでいる自分がいるような気がする。


ドメーヌ・ド・ラルロ ニュイ・サン・ジョルジュ・1er・クロ・ド・フォレ・サンジョルジュ 1988
インポーター BBRジャパン

2005だともはや1万円では手に入らない、この造り手のモノポール畑。
店頭価格16000円とのことで、安いとは思うが、そもそもこんなヴィンテージは
なかなかお目にかかれない。
こんなものをチョイスしても、ブル古酒オタクのわたししか喜ばないと分かっていながら
周りの受けも考えず、理性を忘れて開栓してもらった。

IDEさん曰く「もう5年前に開けておけば良かったなあというワインです」
その通りだと思った。枯れてはいなかったが、その数歩手前であり、
一般受けはしないだろうが、とてもキレイな古酒だ。
おそらく新しいヴィンテージでも、柔らかで女性的なワインなのだろう。

他の大先生はいざ知らず、わたし個人はと言えば、大感激とはいかないまでも
相当楽しめた。
20年もののブルゴーニュの1級で、しっかりフルーツが残っている方が珍しいかな、
というのは最近よく分かってきた。この1本も貴重な体験であった。

面白い店だった。
この店主、価格を見据えてワインを選ぶ能力は相当なものかも知れない。
価格の内訳はよく分からないのだが、決して高ビーな感じではなく
とても良心的な店だと思った。
こんなワインたちがゴロゴロしているとしたら、ぜひ時間を見つけて訪れなくては。

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