一流サバイバーへの道 -7ページ目

親友

ドロシーの夫のタクミです。

今回は、長年『妻ドロシーの日常』に居続けてくれた
『妻の親友』のお話をしたいと思います。
気付いたら長文でしたので、お手透きの時にでもお読み下さい。

今回は『ブログに私達の事をかいてよ♥』
との要望に答える形での書き込みですので
妻ドロシーの親友への感謝がメインとなった内容です。


妻ドロシーを表す時に出てくる表現としては
『頑張り屋さん』、『辛抱強い』
『しっかりとした芯を持っている』
『実は非っ常に寂しがりやで甘えん坊。
 でも、それは絶対に見せたがらない』
『秘密主義』、『パン♥』
等々・・・かな?と思います。

ですが、『妻はどんな人だった?』と
問われた時に、私が先ず最初に思い浮かぶのは
『目立ったり注目されたりするのは苦手な人』
という印象です。


決してグループの中で中心人物にはならない。
自分が会話の中心にはならない。
話し上手より聞き上手。

そんな印象です。

そんな妻ドロシーですが、
本人は意識せずに身につけた特技があります。

それは、
『決して中心人物にはならないけれど
 自然に抵抗無く人の輪に入っていき
 いつのまにか溶け込んで仲良しになる』
ということです。

そんな特技が活かされたのか、
高校時代の毎日は
妻に取って良い思い出となっていたようです。

『楽しかった』という言葉を聞けた私も
嬉しくて仕方有りませんが、
それもこれも『親友』あっての賜物かと思います。


前回の記事にも書きましたが
亡くなるまでの間、
妻の側で、妻に『勇気と下らない笑い』を
与え続けてくれたのが
『親友Eちゃん』と『親友H』です。

親友E、親友H 共に、
私が妻ドロシーから紹介されたのは
今から約16年前でしょうか?
私が妻と過ごした時間が約17年ですから
今振り返ると、私としても中々の付き合いですね。

親友Eちゃんは、不思議な女性です。変わっています。
醸し出す雰囲気は『社会に適合するのを自ら放棄した女性』
といった感じですが、実際は会社の重役なのですから凄い!

私から見ると、発言の前後の文脈が支離滅裂で
主語を語らず会話が進むので
登場人物の誰の事を言っているのか
私には分かりませんが、
長年の付き合いの親友故でしょうか、
妻とはしっかり会話が成り立っていました。

そう言えば、妻が亡くなった後に
『私達が何を話していたか見ても良いよ』
と言われ、妻と親友Eちゃん、親友Hの3人の
グループLINEを読ませてもらいましたが、
朝起きてから寝る迄の間、文字での会話が一切無く
LINEスタンプのみで会話が成り立っていたのを見て
私から見すると訳が分からず驚くと同時に、
そんな方法でも意思の疎通が取れていた友人が居る事に
嬉しさも感じました。

Eちゃんは脳を介さずに脊髄反射的に下らない言葉を発している。
そんな印象もありますが、それはむしろ逆で
あえて下らない言葉だけを選んで発言し、
他は黙して語らない、口の堅い女性といった印象です。

ですので、私とドロシーの夫婦喧嘩の際や
日常生活での私への愚痴や悩み等々は、
親友Eちゃんが1番知っているかも。
いや、そうに違い有りません!!
妻ドロシーの味方で居たということは
時々は私に取っては敵だったこともあるのでしょう(笑)

ドロシーが亡くなった後、
『あの時ドロシーはどう思ってたんだろう・・・?』
と、Eちゃんに聞いても、
『随分前の事だから忘れたよ~』とはぐらかされ・・・。
その回答の仕方は、私に聞かせられない内容なの!?
と勘ぐってしまいますが、
何にせよEちゃん!!
ずっとずっと妻ドロシーの味方でいてくれて本当にありがとう!!
・・・それと、お互いあと20kg、一緒に痩せようね(笑)


親友Hは、私から見ると
少し無理をして空元気を見せながらも
毎日家族の為に頑張っている明るい女性
といった印象です。

いつも自分の事より他人の事を考え、優先し
その所為で疲れてしまったりしている。
そんな感じを受けたりもします。
H!無理しちゃダメだぞ!

それは、私に対しての対応でも一緒で
私自身がどうしても寂しさに押しつぶされそうになった時に
猛スピードで手を差し伸べてくれるのもHです。

実は、親友Hと、私やドロシーは、
音信不通の時間が10年前後ありました。

何故そうなったのか、理由は私達も親友Hも全く覚えていません。
とても小さなスレ違いが原因である事は間違い有りませんが、
逆に、10年前後も会わずにいた『親友』が、
まるで運命に呼び寄せられたかのように、再会し
そして以前よりも更に親しく時間を共有していった・・・。
神様もニクい事をするものです。

実際は、この数年間の妻ドロシーの闘病生活を
親友Eちゃんが親友Hに打ち明けたのが切っ掛けです。

ドロシーもHも、お互い相手の事を気にしながらも
連絡を取る切っ掛けを失っていたのですが
皮肉なもので、ドロシーの病気が切っ掛けで
再び密度の濃い付き合いをすることが出来ました。

『タクミさんが、ドロシーの旦那さんで良かった』
『タクミさんが旦那さんで、ドロシーは幸せ者だと思った』
「『友達の旦那さんのタクミさん』に話してるんじゃなく
 『友達のタクミさん』に話してる』
等々、キラーフレーズ、パンチラインを繰り出すのが上手く
その度に私の胸は熱くなります。

親友Hの家のダイニングは、私の家から持って行った
妻ドロシーの写真で埋め尽くされ、
『一体此処は誰の家だ?』といった状態になっています。
本当に本当に嬉しいです。

皆からそんなに愛して貰える妻をもって
私も幸せで胸が一杯です。

EちゃんとHは、毎日妻とLINEで連絡を取り合い、
動画のチャットでお互いの笑顔を確認し合い、
妻を元気づける為の手段をいつも考え、
(我が家の猫のKを病院に連れて行く方法を
 模索していたりもしました)
千羽鶴を作り、一羽一羽にメッセージを書き込み
それぞれ多忙の中、考えうる限りの事をしてくれました。

感謝以外の何物でもありません。

先日見つけたのですが、
妻の手帳には、親友Eちゃんや親友Hも含む
高校時代の5人グループの写真が挟んでありました。
いつも持ち歩いていたのか、
写真の四隅は少し折れ曲がり
変色もしておりましたが
妻ドロシーに取って、
それ程に大切な思い出だったのでしょう・・・。


親友Eちゃん。親友H。
心からどうも有り難う。
本当に有り難う。

貴女達と知り合えた妻ドロシーは幸せ者でした。
ドロシーが天国に行った今、
あちらの世界で『親友って呼べる人は居る?』と
質問されたら、妻は胸を張って、こう答えていると思います。

『居るよ♥今も親友だもん!
 あいつらがこっちに来たら、また一緒にバカ話するんだ♥』
と満面の笑顔で。

15/5/4  ドロシーの夫 タクミより













四十九日

ドロシーの夫の タクミです。


本日4/30(木)は、亡くなった妻ドロシーの七七日。
つまり、四十九日です。

仏教的には、この日迄に閻魔様に裁きを受け
極楽浄土に行けるかどうかが決まるのでしょうが、
妻なら大丈夫ですよね(*^o^*)

あんなに頑張って生きたんですから、
多少のことは多めに見て貰えるでしょう!
立派に生ききった妻ですから
閻魔様も拍手で見送ってくれるのだと
心から信じています。

『天国』と言ってみたり
『極楽』と言ってみたり
『お空』と言ってみたりと
表現の方法は様々ですが、
とにかく妻ドロシーが
心も身体も安らかにいてくれれば!!
それだけを祈りたいと思います。

四十九日だからといって
いつもと何か変わる訳ではないのですが、
不思議なもので、亡くなって直ぐの方が
妻の死そのものを悼むことに集中していたような
そんな気がします。

ダメですね・・・・。
時間が経つと、色々な悩みや
後悔や、懺悔や、感謝や
『自分発信』の感情が渦を巻いて
グチャグチャです。

純粋に妻の死の弔いだけが出来れば良いのでしょうが
思い出を振り返ると同時に
余計な事まで考えてしまって・・・。

悩みだらけで、一番 悟りから遠いところにいる自分と
妻との距離が離れてしまっては困るのですが・・・。



先日、妻の双子の妹家族の家にお邪魔してきました。
自分達も辛いのに、私の事を気遣って
いつも温かく迎えてくれます。

旦那さんも
(私にとっては弟であり、同い年の友人と
 思っているのですが、文脈上は分かりにくいので
 旦那さん、と他人行儀な表記になりますが・・・)
休み無しで働き続けて
直ぐにでも横になりたいでしょうに、
私が帰宅する迄、話に付合ってくれました。

これは私の人間性の賜物ではなく、
ひとえに、妻の人柄のお陰で
残された私に皆さんが良くして下さっているのだと
心から感謝しています。


さて、その双子の妹から
こんな事を言われました。
『ドロシーの病気回想記の続きが気になる』


2014-1-20に妻が書いた『回想記23』。
その記事は、妻の中学時代の発病の頃の内容です。
私と妻が出会う10年も前の内容です。

妻が久々に学校に登校してみると
周囲からの好奇の目を浴びせられ
かつ、イジメも始まった。
そんな、辛い内容の記事です。

たとえそれが、どんな内容であれ
少しでも妻の思いを知りたい私達としては
やはり、とても気になる記事ですし、
『書き終えずに途中で止まったままの記事』
でもあるのことは間違いなく、
続きが読みたくて仕方がありませんが、
今となっては叶わない願いです。

確かに、私と付合い出してからの会話の中で
『中学時代は全然楽しくなかった』と
妻は言っていました。
『その代わり、高校時代は楽しかった!』と
何度も聞きました。

一時的とは言え
病気の事を忘れられる時間が訪れ、
そして何より、
現在まで付き合いの続く
『親友』と呼べる仲間の存在が
高校時代の思い出を
楽しかったものにしてくれているのだと思います。


妻の高校時代の写真の中で
いつも一緒に写っている5人グループ。

その中でも
先日、亡くなるまでの間
妻ドロシーを勇気付けようと
アレやコレやと考えては、
会いに来てくれた、親友Eちゃんと親友H。

そして、多忙な中、仕事を切り上げて
妻の火葬に参列してくれた親友Sちゃん。


私が直接会った事があるのは
この三人だけですが、
辛い日常の中で、彼女達のお陰で
妻の気持ちがどれ程 楽になったことか。

妻と私との時間では得られなかった『何か』が
妻と彼女達との時間の中では
確実に存在していたのだと思います。

彼女達抜きにして
妻の人生は語れないと思える程の存在。

そして、妻が亡くなった今となっては
残された私を支えてくれている妻の親友。


そんな『親友』について
次回は書きたいと思います。


今回も、妻ドロシーのブログを読んで頂いて
誠に有り難うございました。

失礼致します。


15/04/30 ドロシーの夫の タクミより






VIP患者の天国からの応援

ドロシーの夫のタクミです。


本日4/23(木)は、妻ドロシーの六七日です。
つまり、ドロシーが旅立ってから、もう6週間が経ちました。

来週は七七日で、俗に言う四十九日です。

早いものですね・・・。
この6週間の間にも
感情や思考は、ぐるぐると目まぐるしく動き
思い出に浸ったり、悲しんだり、後悔したり
妻に感謝をしながら穏やかに過ごしたり、
謝罪の気持ちで心が張り裂けそうになったり・・・
と、全く落ち着かない精神状態だったなあ・・・
などと、高々6週間を振り返っています。

昨日は、妻が息を引き取ったがんセンターに
必要な書類を受け取る為に、久々に行ってきました。


妻に取っても私に取っても、
入院も通院も辛かったけれど
『このがんセンターに来ている間は生きてる証拠』
と思って今まで通っておりました。

『がんセンターに通わなくなったら、治ったか死んだかだね(^∇^)』
なんて、以前 笑いながら話していた記憶が蘇ります。

辛く苦しい経験を沢山して来た場所なのに
いざ通わなくなると、なんだか寂しいものです。

『妻が亡くなった』
『もう通う必要がなくなった』。

そんな現実を突きつけられているような感覚が襲ってきます。

おかしな話ですが、
またこの病院に妻と通う事を望んでいる自分がいます。

『もうお前には用が無くなった場所なんだよ』と
病院から言われるのを拒絶するかのように
私は病院の中をフラフラと歩いて廻りました。

いつも良くしてくれた看護士さん達がいる外来受付。
時間潰しに立ち寄った、院内の喫茶店。
コーヒーを買って、病室まで持って帰ったコンビニ。
今回は幾ら請求されるんだ?とビクビクしながら
順番を待った会計窓口。

『私はVIP患者だから♥上客だから♥』と
おどけていた妻や私に取って
この がんセンターは『勝手知ったる場所』であり、
不謹慎ではありますが、初めて見た患者さんがいると
『お!新人ちゃん。先輩の私に挨拶がないなぁ(*^ー^)ノ』
などと妻は話しておりましたが、
久々に行ったがんセンターは、
なんだかヨソヨソしく他人行儀に感じられ、
『もう、此処には来ないんだな・・・』と
寂しさすら感じました。


散々お世話になった、亡くなった病棟に足を運ぶことも
病棟に向かう為のエレベーターの前に行くことも出来ませんでした。

みっともない話ですが、泣いてしまいそうな気がして
『ヤバいヤバい。行かない方が良い』と思い
視線を向けることすらしませんでした。

良くして下さった看護士さんや、
顔見知りの先生達、笑顔で支えてくれた栄養管理師さん
病院関係者の方々には、しっかりとご挨拶をしなければ・・・
そう思って病院に向かった筈でしたが
軽く笑顔で会釈をした程度で済ませ
病院を後にしました。



何年も妻と通い、
また、何度も妻のお見舞いに訪れた病院。
この数ヶ月は、我が家の別宅のようになっていた病院。

ここでは今も病気と闘っている人たちがいます。
妻同様、沢山の苦しさ・辛さ・悲しさを抱えながら
必死で生きている人達がいます。

そして、その患者さん達の気持ちに寄り添い
『絶対良くしてみせる』と、患者さんと共に
日々闘っている医師や看護士さん達がいます。

妻は残念ながら亡くなってしまいましたが
妻も私も『お世話になった病院がここで良かった』
と、心から思っています。

VIP患者の妻は、きっとこう言っているでしょう。

『この病院と、ここの先生と看護士さんを信じてれば
 絶対大丈夫だよ!安心して♥』と・・・。


このブログを読んで下さっている皆様にも
妻の応援が届きますように
心から祈っております。


15/04/23  ドロシーの夫 タクミ