【✏️ ナラティブとグリーフケア 】
参加される方は、亡き人への想いや 伝えたい気持ちを話されます。ときには、涙が溢れてこられたり、あの頃に戻ったように語られたり、また今はどうしているのと尋ねられる。こんなふうに感じる…こうだったのだろうか…今はこう思う…と。
ナラティブ(語り)とは、経験の編集作業。自分にとってかけがえのない大切な人との死別。その喪失を抱えて生きることは、亡き人を忘れることではなく、共に生きる未来のもの語りを 語り直すことなのです。「語り」というものが、自分で自分に繰り返し出来事を意味づけることで、負を転換していく語りへと変えていけるレジリエンス(しなやかな回復力)になっていく。そこにはその語りを、同じように頷きながら分かち合える存在がいることも大きいでしょう。そして「もの語り」は一つではなく、立場や見方、時間によって変化をしていきます。人は、ナラティブ(語り)によって、グリーフ(悲嘆)だけでない未来を見通していけるようになるのです。
『ともしび遺族会』では、一つひとつの言葉や感情に触れながら、その心の揺れを大切に受けとめたい。ひとりではないですよと、そっとそばにいたいなと思うのです。どんな気持ちも、その語り・分かち合いがレジリエンスになっていくでしょう。
安心して過ごすことのできる場を整えて、皆さまをお待ちしています。