光政とティアは森の中を進んでいた

「そういや、名前言ってなかったな」

「えっ、あ、はい」

「俺は光政だ、よろしくな」

光政とティアは握手を交わした

「こちらこそ」

「敬語なんかめんどくせーって。タメ語でいいよ」

「あ、はい。あっ、ごめん」

「それでよし。そりゃそうと、魔術師はなんで追われてるんだ?」

「わからない。あの人たちが言うには、皆殺しにするって・・・」

「なんでだよ・・・。早くこの醜い戦争終わらさなきゃな・・・」

今から2年ほど前だった

国王は全部隊に命令を下した

それが魔術師全滅作戦だ

だが、日本以外にいる魔術師は殺せない

だから国王は魔術師がいる国すべてに・・・宣戦布告をした

結果、白虎隊の活躍により、全戦を勝利した

条約として、魔術師を全員日本の政府によこすよう命じた

なぜ、国王が魔術師を全員殺そうとしているのかと言うと、魔術師の力はこれから先、武器となると考えたからだ

こんな身勝手な行動で、魔術師は殺されようとしていた

「どっかにタクシーねーかな・・・」

と光政がつぶやくと、目の前にカバンを背負った男を見つけた

「ナイス!おい、あんた!」

「へ、へい!!」

男は驚き、ゆっくり光政の方に振り返った

「あのよ、旅人の人かなんかか?」

「あ、あんたら・・・ヤカラかい?」

「はぁ?」

「近づくな!殺すぞ!」

男は腰につけていた小刀を手に取った

「おいおい、やめてくれよ」

光政は手を振りながら、違うことをアピールした

「うるせー!」

「仕方ねー・・・。これでもわかんねーかな。元白虎隊Aクラスだ」

光政は自分の白虎隊の証を見せた

「びゃ、白虎隊!?」

「ああ、元だけどな。俺はあいつらが嫌いになったんでな。俺は反政府軍と同じ気持ちだ。政府を嫌っている」

「すいませんでした」

男は小刀を川の中へ投げ捨てると、光政に土下座をした

「頭上げろや、おっさん。あんたの方が年上だろ?」

「で、ですが、白虎隊ですし・・・」

「元だよ、元!それに年下に土下座してちゃ、いろんな奴にナメられんぞ」

「はい!あの、あなたの名前は?」

「俺は光政だ」

「あ、月光の月神ですか!!」

男は驚いて立ち上がった

「あ、ああ。そうだけど・・・」

「すごい・・・。あ、俺の名前は市郎だ!!尾野市郎!!」

(急にタメ語だよ、このおっさん)と光政は心の中で思った

「俺は旅人とかじゃなくってな、町を巡って商人をしている。だから、車はあるぜ」

「そりゃよかったぜ。乗せてってくれよ」

「おう!いいって事よ!俺も商人しながら政府の動きを見てるもんでな」

「あんた・・・反政府軍か?」

「違う、違う。隠れ反政府軍だ。裏でバレないように政府の情報を調べ、それを戦場にいる俺たちの仲間に伝える役目をしている」

「お譲ちゃんは、なんて名前だ?」

「ティアです」

「よろしくの、じゃあ俺の車の場所まで行くぞ」

3人は市郎の車の止めてある場所まで向かった

「これが俺の愛車、『キャプテン号』だ!」

(だっせー)と光政は心の中で思った

「乗りな」

光政とティアが車に乗ると、商売道具がいっぱいあった

「けっこー品揃えてんな」

市郎が運転席に乗ると、光政が言った

「一応、商人なんでな。裏の仕事のことになると、この車は変形するんだぜ」

「よくできてんな」

「だろう?よっしゃ!仲間も増えた事だ!出発するぞ!!」

「次に向かう場所は?」

「江戸だ。首都江戸」

「そりゃ、燃えてくるな」

こうして、新たな仲間を加えて光政は京都に向かう事となった