第6章「空賊と海賊と山賊」

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今走っているこの場所は、何もない場所だ

ここは俺と冬耶が政府から逃げていた場所だ

果てしなく続く地平線、所々にある岩

俺たちが戦争をしている最中、政府がここにひとつの兵器を落とした

それが「磁力核爆弾」

原子力核爆弾の数十倍の威力を持つ

増えすぎた人間を消すために実験の一環としてここに落とした

無残に建物や人、動物、植物、ここにあったモノすべて消えた

何もないこの辺には山賊が増え始めた

だが、その山賊も今となっては減少していっている

「もうすぐ横浜よ」

カイルと愛子の顔が暗い

「ここらへんに来ると、あの時の惨劇を思い出すな・・・」

「ええ・・・」

この2人は、あの事件の被害者か何かなのか・・・

しばらくすると、前方に町が見えてきた

「この辺で唯一助かった町だ。最近ではヤカラが多くなったもんだ」

横浜の町に入ると、ジープは協会で止まった

「ありがとうな、世話になった」

「おう、気ぃつけてけよ」

「ああ」

光政はジープから降りると、町の中心部へ向かった

中心部からは、海が見える

港には、船がいっぱい止まっている

その港の方からパン、パンと銃声が聞こえる

光政は銃声のする方へ向かった

そこでは、海賊と政府軍が戦っていた

それ以外の人は誰一人いない

光政も建物の影に隠れた

「あいつらが言ってた通りだな。ヤカラが多い」

光政はこの場所から去り、町中を歩いていた

「ティアとおっさんはいねーな・・・」

光政は後ろから誰かにつけられているのを感じた

だんだん人数が増えていった

気づくと、周りを囲まれていた

「何のようだ?お前ら」

すると、何十人もの人が出てきた

「よぉ、兄ちゃん。よく気配に気づいたな」

「殺気がぷんぷんなんだよ」

「兄ちゃんもぷんぷん漂わせてるぜ、殺気をよぉ」

「これは威嚇だ、バカ」

「んだと!おらぁ!」

と男が光政を銃で撃とうとしたら、男の後ろからボスらしき人物が出てきた

「やめろ、お前はすぐ頭に血ぃ上らせすぎだ」

ボスらしき人物は、男の方をポン、ポン、と2回叩いた

「しゃ、しゃーせん!日高さん!」

「お前、ボスか?」

「そうだ、俺らは空賊言うもんでな。俺の名前は、『日高 ナツ』って言うんだ。よろしくな」

「で、俺に何のようだ?」

「その刀が欲しい」

「ダメだ」

「金ならいくらでも出す。それでもダメと言うなら・・・、めんどくせーことになると思うけど、タイマン張るしかねーな」

光政は刀を抜いた

「へへへ、おもしれーなぁ。始めて見るぜ、俺以外に七宝剣持ってる奴ぁ」

「お前も持ってんのか?」

「ああ」

ナツは腰にある刀を抜いた

「俺の七宝剣は、『鷹爪』だ」

ナツの方から心地よい風が吹いてきた

「心地いいだろ?俺の風」

「ああ」

「じゃあ始めるか・・・」

その時、遠くの方ででかい爆発が起きた

「あっちの方は・・・、協会!?」

光政は慌てて走り出した

「ちょー、待てよ」

ナツは刀を一振りした

すると、風でできた刃が光政の方へ飛んでいった

だが、光政は風を弾いた

「かまってるヒマはねー」

と言い残すと、光政は消えた

「あいつ!消えやがった!!」

空賊の内の1人が驚いた

「瞬間移動だ。タイマンは後に取って置いてやらぁ」

と言うと、ナツは刀をしまった

光政は協会に着いた

しかし、協会は跡形も無く消えていた

ただ1つ、残っているモノと言えば、火だけだった

「う、うぉおおおおお!!!!」

光政は吼えた

空が曇り始めた

ゴロゴロゴロ....と雷が鳴り始めた

そして、空から雨が降り始めた

光政は協会の焼け跡の前で立ち尽くしていた

雨は激しさを増していった

ざ、ざ、ざ....

光政のもとに誰かが歩いてきた

光政はその人の方を見た

顔は暗くてよく見えないが、男で体型は背がでかく、長髪

そして、でかいカマを持っている

光政が目を凝らして見ていると、男の表情が見えた

男は口が裂けそうなくらい笑っている

「誰だ・・・?」

「ふふ、俺の名前を忘れたのか?」

光政にとっては、聞き覚えのある声だった

「お前は・・・、殺したはずじゃ」

「闇がある限り、俺は死なない」

光政はゆっくりと刀を抜いた

「完成させたのか、七宝剣」

「お前を再び倒す」

「俺は死なない。闇がある限りな」

「お前は人間だ。絶対死ぬ」

「俺は人間じゃない。闇の化身だ。この魔剣がそれを表している」

「うるせー!!うぉおおおおお!!!」

光政は再び吼えた