池袋東口のスクランブル交差点
昼前のこんな時間はまだ混んでいないんだな
見上げると、背伸びをして気取ってお小遣いも奮発してたまにやっときた喫茶店Milky Wayはいまもここにあった
ロゴも変わることなく
むしろもう変えた方がいい古めかしさなのに

あの頃もたぶんこれを飲んでいたようなうろ覚えだけどブランデー用みたいなグラスにクラッシュアイスのアイスロイヤルミルクティーを頼んでみた
昔はアイスミルクティー、と言っていただろうな


彼と
ここに来たのは何回だったのだろう?たぶん数回、ほんの2、3回だっただろう。飲み物の値段は450円ぐらいだったはずだから、2人分で1000円、それを出すのも大変だったように記憶しているけれど

近い席にいる女子高生たちは店内装飾を見渡して宇宙みたい~かわいいじゃん、と屈託なく言う
食事とパフェで2000円はいまでもそんなに安くないよね
この子達はこの先まだまだまだ、こんな風に過ごして行くんだ
いいなぁ

19と22歳のあすさえ定まらない男女
私たちは何を話したっけ
あの短くてほんの些細な日々の中でここに来るのが特別なときだったとしたら
それはどんなときだったんだろう

それを知っているかのように
流れる曲がその頃みたいに古い
ガゼボの雨音はショパンの調べ とか
アトランティックスターのオルウェイズ とか

私のような年代と思い出を持ったひとがいまも来るのだろうか
古い表現だけどタイムスリップしたようでちょっと居心地が悪いよ
もうあの頃じゃないのに
店もロゴも星を模した天井のネオンも音楽も飲み物もそのままだなんて
自分がこんなに変わったのに
変わらないものがそのままあるなんて

ここに来てみたところで
もうあの彼はいない
もちろんあの頃の私もいない
いつか存在していた
2人の関係はとっくに消滅したから

時間だけは延々と流れ続けると
理屈ではわかっていたけれど
あの頃はまったく感じなかった

油断すると目から涙が出そうになる
悲しくないのに
苦しくないのに
切なくて

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