ワナカ2日目の朝。


目覚めたら・・・



誰もいなかった。


どうやらみんなチェックアウトしてしまったらしい。


身支度をして朝食でも・・・と思っていると、一人の男が

乱入・・・じゃなくて、ベッドメイクをしに来たアルバイトの

男の子だった。


昨日 ウエイクボードに 私を誘った(完璧人数あわせのため)

そしてお米が吹き零れていると指摘してくれた 彼である。


彼は、そこで住み込みアルバイト(エクスチェンジだったかも?)

をしている、私と同年代のイギリス人で、ポールと言った。

昨日は、ちょっと失礼な人?なんて思っちゃったけど

話してみると、フレンドリーな子だ。



朝ごはんをリビングで食べていると、ポールがやってきた。


私が日本人だとわかると、日本語を教えて欲しいと言うでは

ないか。

といっても、まじめな日本語ではなく、


ナンパのための日本語を習いたいという。



ポールは、なぜ私に日本語を教えてほしいのかを

説明しだした。


「僕の友達は、日本で英会話の教師をやっているんだ」


ほほぅ。


「ジョン・レノンににてるんだ。」


ほ、ほほう。微妙な・・・


「イギリスでは、まったくモテなかったのに、日本に行った

途端に、彼女がいっぱいできたんだよ!もう5股ぐらい!」


と、力説するポール。


「ねえ、日本人は白人が好きなの?だからジョン・レノンでも

もてるのかな?」


し、知りませんよ。でもジョン・レノンって、イギリスでは

カッコよくない部類に入ってるのかね。私はよく知らないけど。



「だから僕は彼を頼って日本に遊びに行く予定なんだ。」


ということで、彼が英語で、覚えたいフレーズを言い、それを

私が日本語に訳し(デタラメも多々あり)発音を教えるという

へんな日本語教室が開かれた。


全部、ナンパ用会話術。


そんな日本語を教える私も私だけど・・・


ヤツは、そうとう真剣で、一語一句紙に書いて必死に

発音の練習をしていた。



そんなことに付き合っているうちに、お昼近くに!

なんて思っていたら、


「パズリング・ワールドには行った?よかったら

つれていってあげようか?」


(パズリング・ワールドとは、不思議な、斜めになったり、

目の錯覚を利用したような家がある場所。

正直ショボイが、唯一といっていいほどの見所スポット)


とのありがたい提案。喜んでのっかることに。



彼は、車を持っていた。


「さあ、これが僕の愛車だよ。」


私はこんな車を生まれて初めて見たような気がする。


超超超オンボロ。


かつて見た、どんな車よりも。

メーターのところ、なぜか中の機械丸出し。

メーターも無かったような気がする・・・。

外装には、ペンキで色々と書いてある。

日本では 間違いなく廃車と思われるだろう。


果たして走るのであろうか。



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