皮ごと甘いシャインマスカット 「特産に」輪之内町で栽培 | 地域特産品

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安八郡輪之内町海松新田の伊藤康弘さん(76)が市場にほとんど出回っていない種なしブドウ「シャインマスカット」を栽培している。糖度が約20度と甘く、皮ごと食べられる大粒の実が特徴で、大垣市内の洋菓子店とジェラート店で商品化されるなど人気を呼んでいる。

シャインマスカットは2006(平成18)年に登録された新品種。岡山県などを中心に徐々に生産が増えているが、岐阜県農産園芸課によると、県内の生産農家は珍しいという。伊藤さんは約20年前から趣味でブドウを栽培しており、シャインマスカットは5年前に育て始めた。

これまでは近所の人や親戚に配るのみだったが、地元の農産品を使った商品を販売する同市内原の洋菓子店「ギャルリ・シュシュ・アー」のパティシエ白木亮年さん(36)から町を通じて依頼があり、「シャインマスカットが町の特産品になれば」と提供した。

同店が開発したのは皮ごと1粒の実をみりんかすで覆い、レモン風味のホワイトチョコレートでコーティングした「極みの一粒」(1個300円)。パリッとしたチョコレートとみずみずしいマスカットの食感が特徴で贈答用にもできる。

大垣市安井町の「生ジェラート家モーリー」(森兼ともみ店長)では、皮ごとミキサーにかけ、ミルクのベースと合わせたジェラート「ミルキーシャインマスカット」(1カップ120ミリリットルで380円)を販売。120ミリリットルに平均5、6粒を使用しており、ミルクの濃厚さとマスカットの爽やかさがほどよく合っている。

「通常のマスカットにはないほど香りが良い。希少な品種がまさか近くにあるとは」と白木さん。農業の後継者育成にも携わる伊藤さんは「シャインマスカットを栽培する若い人が増え、地域活性化につながれば」と話していた。

出典:岐阜新聞