平成は どんな時代と 問うてみる | がいちのぶろぐ

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昨日、新元号「令和」が発表になって、一応の落ち着きを取り戻したかに見える。次は、平成という時代はどんな時代だったのか、という総括が色々なところから出されることになるのだろう。

 

平成は「バブル経済」に湧く中でスタートしたが、すぐにバブル経済のハードランディングという大事件が起こり、平成大不況と呼ばれることになった。

 

その後は「失われた10年」と言われる「構造改革」の時を経て、どうにか経済も人心も立ち直りつつあった時に、今度は「リーマン・ショック」の大波に飲み込まれてしまった。

 

その時からでも、もう10年余りが経過した。そして世界は、アメリカの動きを見ても、ブレグジットの不透明感を見ても、広域の経済圏から、一国の保護主義的な動きが台頭してきている。

 

20世紀の前半には、2度の世界大戦と、その間の世界恐慌があった。第二次大戦が終わった後は、アメリカとソ連をトップとする東西冷戦の時代になった。

 

この東西冷戦に一応の終止符が打たれたのも、平成が始まろうとしていた頃だった。中国で天安門事件が発生したのも、ちょうど平成が始まった年のことだった。

 

この平成という時代の30年間は、IT革命・情報通信革命の時代でもあった。携帯電話が普及し、パソコンが一般的になり、パソコンと携帯電話が融合したスマートフォンによって、一気に時代が大きく変わることとなった。

 

宇宙船地球号は、これからどこに向かって進んで行くのだろう。昨年からは「AIの時代」に入ったと言っても良いだろう。IoTによって得られた大量のデータを解析し、それに基づいてコンピュータが最適解を導く時代を迎えようとしている。

 

AIの進展によって、人間の働く場所が失われるということも、一時期は話題になった。考えてみれば、コンピュータやパソコンが普及した時もそんな話があった。

 

だが、現状では働く場が失われるどころか、人手不足の時代が到来している。IT技術者に至っては、大量に不足する時代になるとまで言われている。

 

平成という時代が終わろうとしている中で、今月からは「働き方改革」によって、罰則付きの残業制限がスタートした。同時に労働者市場で、外国人雇用の門戸開放も始まる。

 

新しい「令和」という時代は、こんな状況の中で出発する。グローバリゼーションと保護貿易主義が同居する時代に、新たな幕が開くことになる。

 

こうして30年間を振り返ってみると、この時代に始まった情報通信革命は、農業革命・工業革命に続く、大きな影響力を持った変革だったことがわかる。

 

農業革命によって食料の自給が可能になり、工業革命によって製品の大量生産が可能になった。そして情報通信革命によって世界はネットワークでつながり、情報の流通に時間差が無くなった。

 

さらにそこから派生して、AIを用いることで判断機能も迅速化されることとなった。その先にある未来像は、どんなものなのだろうか。

 

日本の歴史で言うならば、鎌倉・室町時代という中世から、戦国の世を経て、安土桃山時代からの近世に経済的な自由化が始まった。その後の江戸時代には、政治的には停滞しているように見えても、経済構造は大きく変化した。

 

その最大のものは、貨幣経済の定着化だったような気がする。手形や為替など、今日につながる貨幣経済活動が確立していった。

 

そして明治期からの近代になって、資本主義経済体制の時代を迎えた。それが第二次世界大戦後の現代社会では、共産主義というイデオロギーが現実的には破たんしたことにより、経済のグローバル化が可能になった。

 

市場が世界に広がり、商品の流通圏・流通量が大幅に拡大した。それは同時に、市場拡大の限界をも意味していた。

 

そうなれば、「パイ」が拡大しない以上、限られたパイの奪い合いとなることを意味していた。パイを奪い取るためには、パイの価格を下げる必要が出てきた。

 

そのために情報通信革命とネットワーク化が大きく貢献した。最初に「楽天市場」を構想した三木谷氏の先見性は凄かったと思う。それからでも、もう20年以上経過した。

 

ただ、それすら上回るアマゾンの登場と急拡大は、まさにネットワーク時代の産物に違いない。そのアマゾンでさえ、落とし穴にはまる可能性がある。

 

それが「物流」という、労働集約型の作業である。これを克服する手段として、ドローン配送なども試みられているが、まだまだ大量輸送には適していない。

 

もう一方で、情報通信革命を支える素材としての「希少金属」の偏在という問題もある。今後は、この問題の解消を目指して、希少金属のリサイクル技術の開発競争も激化するだろう。

 

「令和」という時代は、こうした状況の中でスタートして行く。当分は新元号バブル的な動きもあるかもしれないが、それもせいぜい今年いっぱいのことだろうか。10月からは消費税引き上げの予定もあるから、そう長続きしそうにもない。

 

さて、今日もまた晴れ間が出たと思ったら曇り空になり、今は雨が降り出しそうな黒雲に覆われている。

 

私は、花に浮かれて歩き回った〝付け″が出てきたのか、今日は朝から鼻水が止まらない。