遠客万来
グリーンウッドのある立川は都心から遠いですが、決してに不便なところではありません。その証拠にかなりの方が遠方からいらっしゃいます。
統計的にはグリーンウッドの患者さんの住所で、立川市在住の方は54%です。日野、国立など周辺の市町村を含めても約8割に過ぎません。
残りは都内、他府県そして外国などに住んでいらっしゃる方です。
国内で一番北から来て下さったのは岩手県花巻市からです。家内が岩手の出身なのですが、全く関係なしに、HPを見てサーマクールをしに来て下さいました。
南は福岡です。「間違えだらけの美容選び」の読者の方です。羽田空港から直接来院されました。
外国から、というのは少しトリッキーですが、普段外国に住んでおられる方が4名いらっしゃいました。お一人は多摩クリニックの頃に勤務していただいた看護婦さんの姪御さんで、アメリカのウィスコンシンに住んでおられる方です。米国でも治療が受けられるでしょうに、わざわざグリーンウッドで手術をお受けになりました。日本の健康保険はお持ちでないのですが、米国で形成外科専門医の治療を受けるより私を選んでいただきました。ご本人は英語と日本語のバイリンガルなので、腕を信頼していただいたということを大変光栄に思います。
あとの方々はニューヨークとミラノそしてハノイにお住まいの方で、たまたま里帰りの時に来院されました。
大学病院勤務時代は学会や国際ボランティアなどで年に3,4回は国外に出張していたのですが、今年は夏休みもとらず頑張っています。
世の中の夏休み期間中、グリーンウッドではBGMに小野リサを流しています。小野リサを聞きながら遠方からの患者さんから海外のお話を聞くとちょっとだけヴァカンスに行った気分になります。
もし、今このブログをどこか旅先でご覧になっている方がいらっしゃいましたら、旅先の様子をメール下さい。写真でもいいです。greenwoodclinicinfo@yahoo.co.jp
お待ちしています。
麻は麻薬の麻
ここのところ有名人の麻薬が騒動になっています。
我々医学の領域では麻薬を使用することがあります。モルフィン(モルヒネ)は強力な鎮痛作用があると同時に血管収縮作用があります。たとえば形成外科では鼻の骨が折れた時の整復に使用すると出血が少なく、かつ痛みも少ないという利点があります。ところが通常の麻酔薬ですと血管を拡張するので、血管収縮薬と混ぜて使わなくてはなりません。
ケタミンという薬は麻酔薬として手術や痛みを伴う処置などによく使用していましたが、最近これを一般人が利用して「トリップ」することが流行したので麻薬に指定されました。この薬は心臓や呼吸に対する影響が少ないので、手軽に、かつ比較的安全に使用できるよい薬だと思います。
このように麻薬は、薬の適性を知った上で使用すると便利ではあります。
僕が留学していたオーストラリアでは術後の痛み止めにモルフィンを割りと気軽に使用していましたが、日本では使用するたびに書類にハンコを押さなくてはなりませんし、また薬の使用量をきちんと記録し、残った薬も勝手に廃棄することができないなど、厳しい規制があります。
僕は日本のこの生真面目な麻薬の管理体制というのは大切なことだと思います。病院や研究所での麻薬の使用が厳しく監視されているのに対して、最近一般の人が気軽に麻薬を手に入れ、使用しているのは非常に残念なことです。
何故なら多くの人が麻薬の怖さを知らないからです。
麻薬は継続的に使用しているとくせになり、だんだんと効かなくなるという性質があります。これを依存性(くせになる)と耐性(きかなくなる)といいます。また依存性が高くなると、その薬が体から抜ける時に様々な肉体的、精神的に不快な症状があらわれてきます。これがいわゆる禁断症状(離脱症状)です。
禁断症状から逃れるために、人は更に麻薬を求め、依存性がますます高くなると同時に、耐性ができ、使用量がますます大きくなっていきます。そのうちに麻薬を買い求めるために反社会的行動(犯罪)を犯すことをなんとも思わなくなっていくのです。
大麻(マリファナ)の使用を認めようという考えがあります。大麻の危険性(依存性)はたばこより少ないから安全だ、というのが彼らの根拠です。僕に言わせればこれは全くの詭弁です。むしろ肉体的に有害であることがこれほど科学的に証明されているたばこの栽培、使用が合法であることの方がおかしいのです。
たばこも即刻禁止すべきです。
さて、麻薬の「麻」の字ですが、これは「しびれさせる」「感覚をなくす(麻痺)」というような意味があります。麻酔の麻と同じです。麻酔は英語でanesthesiaと言いますが、これはa(否定の意味)+esthesia(感覚)ですから感覚を無くす、という意味です。ちなみに感覚のesthesiaですがこれはエステサロンのエステと同じ言葉です。これについては後日回を改めてお話します。
ところで、麻の字ですが、中華料理で麻婆豆腐という食べ物があります。この麻はこの料理を考案したお婆さんの苗字(麻さん)らしいのですが、この料理はとても辛いので舌がしびれます。辛さにもいろいろあって、唐辛子の辛さとワサビの辛さ、そして胡椒の辛さは異なります。中国語では麻婆豆腐の辛さは、単に辛いと表現するのではなく、「麻辣(まーらー)」と表現します。麻の字を使っていることから分かるように、しびれるような辛さ、という意味です。
立川には麻婆豆腐のおいしいお店があります。一つはグランデュオの立川中華街の中の陳麻婆豆腐店です。これは陳健一さんのレシピのお店で都内各所にいくつかあると思います。もう一つはJR立川駅の構内の「雲呑好(ワンタンハオ)」というお店です。ワンタンがメインのお店ですが、ここの麻婆豆腐も麻辣です。グリーンウッドのお帰りにぜひ立ち寄ってみてください。
どちらのお店もテーブルに胡椒が置いてありますので、これを麻婆豆腐にかけますとよい香りがするのと同時に、舌がしびれます。この感覚は日本料理や西洋料理にはない味覚です。最初はびっくりするのですが、食事が終わってしばらくするとまた食べたくなるのです。
おそらく僕は麻婆豆腐依存症になっているのだと思います。麻婆豆腐は麻薬ではありませんが「麻」の魔力を持つ食べ物であることは間違えありません。
