【訳者注】これはニュースとしてより、おそらく大抵の人が、大体は知っていること、なぜ世界中でこういう残虐で理不尽な、破壊が起こっているのかという謎を、整理させてくれるエッセーとして、貴重ではないかと思われる。最初に引用・説明している、マデリン・オールブライトの言葉は有名で、サイトInformation Clearing Houseでは、これを常時さらしものにして掲載しているほどだが、このように説明されると、なるほどと納得できる。彼女の異常な精神構造が、すなわち米帝国主義、または米例外主義(窮極の共産主義)の精神構造である。

もう一つ重要なこの論文のポイントは、共産主義と、アメリカが共産主義として宣伝したものとは、全く別物ということである。著者は、ロシアの指導や援助が、ソビエト時代から、世界によい結果を与えてきたのは歴史的事実だと言う。これを共産主義からの解放と称して破壊し、混乱と不幸に陥れたのが、アメリカ帝国主義、すなわち究極の悪としての共産主義だった。スターリン時代とその悪の残滓は別として、末期のソ連体制は、マデリン・オールブライトのような純粋な悪に比べれば、問題にならないのではなかろうか?

 

 

RT: by John WightIndependent, Morning Star, Huffington Post等、多くの新聞の記者)

October 12, 2018

 

Bush & Blair’s Iraq war was key that opened door to Syria’s current hell

 

 

シリア、ラッカの時計台広場近くの廃墟、20171018日撮影

 

 

 

 

 

お産の苦痛が生命の代価だとするなら、真に独立した国家としてのシリアの誕生は、8年間の残忍で非情な闘争という代価によって、実現したものである。

 

ベトナム人民と同じことが、シリア人にも起こっている。帝国主義や覇権主義に対する彼らの闘争は、歴年年表に、決して消去することのできない場所をつくり出した。なぜなら、もしあなたが、西側のイデオロギーが闇に葬ったものの背後に分け入るならば、シリアの闘争はその核心において、反帝国主義という性格をもっているからである。

 

参考資料:「ニセの心配:ヘイリーや主流メディアのIdlibの文明についての口舌は、テロリストの存在を無視している」https://www.rt.com/op-ed/440629-idlib-liberate-terrorists-haley/

 

シリアの社会を見舞った地獄は、多くの点において、50万の子供を含めて、その200万の人々をすでに殺した13年間の制裁の後、2003年に、イラクを訪れた地獄の継続である。

https://www.theguardian.com/theguardian/2000/mar/04/weekend7.weekend9

 

この制裁の期間に、元米国務長官マデリン・オールブライトは、この帝国に仕える者が正直に語った、まれな瞬間において、この生の野蛮行為を垣間見せる貴重な言葉を語った。それは、通常はこのような人々が、彼らは本当は何者であるかについて、大衆を混乱させるためにかぶっている、民主主義と人権の仮面の下に隠れている。

 

インタビューをしたレズリー・スタークは、オールブライトに向って、50万ものイラクの子供たちが経済制裁のために死んだことをあげ、その代価は「それだけの価値がある」と考えているのかと訊ねた。オールブライトは躊躇することなく、イエスと答えた。「我々は、その代価は、それだけの価値があると考えています。」

 

https://youtu.be/omnskeu-puE

 

この西洋の覇権主義という獣をしっかり捕まえてみると、我々は、オールブライトのグロテスクな、邪悪な世界観こそ、50万のイラクの子供を制裁で殺したと平気で説明する能力を与えるものであり、これがアメリカを、ベトナムに対する戦争に駆り立てた同じ世界観だという、明白な真実にたどり着く。そしてこれがまた、キューバの人々に対する60年もの経済戦争を根拠づけるものであり、1980年代の南米・中米への隠れた軍事介入を説明し、同じ期間中のアフガニスタンのムジャヒディンへの支持や、べネズエラの政権交代を試みる現行の努力をも、説明するものである。

 

また、リビアに対する西側のアプローチを形成したのは、間違いなくこの考え方であり、2011年には、この国の陥った難局を、彼らは絶好の機会と捉えた。

 

言い換えると、それは、覇権主義イデオロギーがあまりにも病的になり、そのためには犯すことのできない、どんな悪魔的行動も、どんな犯罪や虐殺もなくなったもので、犠牲者の苦しみを「払うに値する代価」として正当化するためには、何十万の人命を、単なる泡やカスとして抽象化することが必要になるのである。

 

  参考資料:「ペンタゴンの “自衛” は、いつどこでも、戦争を意味する。しかし戦争の権力を規制せよという要求が出ている」https://www.rt.com/usa/440364-pentagons-self-defense-means-war/

 

2003年のイラクに戻るとして、シリア社会を傷つけていた、サラフィ-ジハーディズムという悩みの種だったものが、この戦争の過程で孵化した。そこでISIS(イスラム国)が生まれ、イラクではAbu Musab al-Zarqawiの下で、アルカーイダとして生き始めた。スタンフォード大学によると、・・・(中略)・・・

 

このような事の成り行きが重要な理由は、後にシリアに起こったことの根本原因は、2003年にそこで始まった米主導の戦争によって、イラクに植え付けられたことを、強調するためである。ブッシュ(子)とブレアの起こした戦争は、そこから、この中世的な野蛮行為が飛び出して大破壊をもたらした、地獄の門を開けるカギだった。そうでないと思っている、前駐シリア米大使のRobert Fordなどは、考えてみるべきである:――イラクが、社会的崩壊の奈落の底に落とし込まれなかったなら、流血と、そこから生ずるセクト間の流血、アル-ザルカイらのサラフィ-聖戦などは、その成長と拡大に要する条件を、与えられることはなかっただろう。

 

ダマスカスやモスクワでなく、ワシントンが、ISISというフランケンシュタインの怪物をつくり出したのであり、それは1970年代にクメール・ルージュが、1980年代にアルカーイダが、つくり出されたのと同じ、米帝国主義の実験室の中においてであった。

 

ベトナムが1980年代と70年代に、アフガニスタンが1980年代に、そしてシリアが今日、共通に持っていた(いる)ものは、もちろんモスクワの立場である。ソ連(ロシア)の1960年代、70年代の、ベトナムへの援助なしには、彼らはうまく行かなかったであろうことは、歴史的に記録された事実であり、同様に、1990年代には、ソ連軍が撤退を余儀なくされたことによって、アフガニスタンに恐ろしい運命が訪れたことも、歴史的事実である。ソ連の撤退とともに、この国は、国の崩壊につながる内部的矛盾の重荷によって、ふらつき始めた。

 

参考資料:「軍--人道的複合企業:美徳の装いのもとに広がる、西側の覇権主義」

https://www.rt.com/op-ed/440336-western-military-humanitarian-democracy/

 

ソ連邦の終焉が世界にもたらした犠牲は、取り戻すことはできないが、2015年にシリアで軍事介入ができるまでに回復したモスクワが、もし存在しなければ、今日のダマスカスは、昔と同じ、墓場にできた都市だったであろう。その犠牲の大きさは、アフガニスタンが陥った中世的どん底によって推測できるだけでなく、ユーゴスラビアの分断や、先にふれたイラクの死者によっても想像できるであろう。

 

イランとヒズボラもまた、シリアの復活への闘争に、血と財宝を費やして、不可欠の役割を果たした。一方、シリア・アラブ軍(国軍)の犠牲も計り知れなかった。

 

戦争や抗争の栄光化は、特に、その恐怖と残忍から遠く離れて、安全に暮らしている人々の間では、その悲痛な真実を隠し、無害なものにする。それを栄光化し、客室のゲームのように見ようとする人々は、少しの間その実態をよく考え、ジャネット・ランキンの言った「あなたが戦争に勝てないのは、地震に勝てないのと同じだ」という言葉を思い出すべきである。

 

シリアの戦争が、その言葉の滅びない真実を確認させるのは、それがもたらしたマンモス的な破壊、絶望的な人的犠牲、シリア社会の忍耐を限界まで試す事態を見たときである。それが意味するのは、この独立した、非宗派国家としての、この国の生き残りは、これで確実になったとしても、ランキンの言う地震からの十分な回復の能力は、時間がたたないとわからないということだ。

 

シリアの戦争が始まって以来、報告を続けてきたRobert Fiskの報道は、その経過を的確に教えてくれるので不可欠だが、彼によると、ほぼ7万から8万のシリアの兵士が死んだという。これは、この国の兵力が戦争の始まったときには、22万であったことを考えると、愕然とする数字である。にもかかわらず、肝心なことは、軍隊やアサド大統領の率いる政府に対する、過去8年に及ぶシリア人民の、強固な支援がもしなかったら、これはとうてい考えられない死者数である。

 

イドリブは今、反政府軍(と言われる者)の占領している、この国の最後の地域だが、どう考えても、地上で起こっていることは、遅かれ早かれ、おそらく早い時期に、この国の完全な解放が実現することを確実に指している。・・・

 

ここで一つ面白い事実を紹介しておこう。シリア政府とその戦争における動きを弾劾している西側のジャーナリストの誰一人として、この反政府軍の占領する地域内に、1インチでも足を踏み入れる勇気のある者はいないということである。それは、もしそんなことをすれば、彼らは有無を言わさず連行され、拷問されて、殺されることを知っているからである。

・・・・・

                             ——以上

 

PDF: http://www.dcsociety.org/2012/info2012/181016.pdf