帝京大学講師/栃木県宇都宮市のコンディショニングトレーナーの剱持です.
本日から2日間
作新学院大で【救急処置法実習】の集中授業です.
私のコマはテーピングがメインテーマ.
環境も違えば、学生の雰囲気も様々ですが、楽しみながらやってきます.
○夏本番の暑さ
さて、暑さが本格的になってきました.↓
今回は、暑い時期に
熱中症の予防対策としても実施できる【暑熱環境におけるアイシングの活用方法】についてシリーズでご紹介していきます^ ^
まずは、アイシングの活用場面のことです.
ちなみに、
私がスポーツトレーナーとして活動しているため、スポーツ現場の話が主となりますが、一般の方にもアイシングは活用いただけます.
また、ここで説明している【パフォーマンス】とは、一般の方に置き換えると【日常生活遂行能力】と考えてください.
○アイシングとは?
アイシングとは、冷却すること.
アイシングは、
氷や水さえあれば誰でも手軽に出来ます.
救急対応やスポーツ障害の予防、疲労回復の有効なコンディショニングの手段として、競技スポーツ場面だけでなくスポーツ愛好家、一般の方方にも幅広くアイシングは活用出来ます.
暑熱環境下の場合では、
体温が40度以上になると運動遂行が不可能になることがわかっていて、運動パフォーマンスは体温上昇に強く影響されます.
過度な体温上昇は、運動継続を制限する危機的限界レベルとされています.
熱中症の発生もしやすい状態と考えられます.
○アイシングの活用場面
暑熱環境下において長時間の運動実施によって生じた過度な体温上昇がパフォーマンスの低下につながると考えられるので、過度な体温上昇を予防する手段の1つとしてアイシングがあります.
スポーツ競技現場におけるアイシング場面には、サッカーやバスケットボールのように前半戦後にハーフタイムを挟み、後半戦がある球技系競技や、柔道のように予選、準決勝、決勝と一日に何試合もある競技では、下図のように運動前・運動間・運動後の3つのアイシングの場面があります.
【運動前】
特に慢性的な障害を抱えながら競技を行わざるをえないような場合の痛みのコントロールや運動前の体温や筋温のコントロールを行うこと.
【運動間】
運動による体温や筋温の上昇をコントロールして、熱中症などの疾病予防や後半のパフォーマンス低下の抑制もしくは維持させること.
【運動後】
疲労回復や過去に障害の既往があるような部位に対するケアを行うこと
です.
したがって、アイシングと言っても、その活用方法は様々で各使用場面によってアイシングの目的は異なります.
そのため、ただアイシングするのではなく、何を目的にしてアイシングするのかを明確にしておくこと良いと思います.
次回は、
アイシングの具体的な方法を紹介していきます.
では、時間になったので
作新大学の集中授業に行ってきます.
私も1人で1日6時間担当しているので授業合間にアイシング活用しています.^ ^
アイシング関連 記事↓
○参考文献:
・剱持佑起ほか:「アイシング」スポーツ損傷予防と競技復帰のためのコンディショニング技術ガイド,28:p248-253,2011年
・剱持佑起ほか:「スポーツ現場でのアイシング活用の科学」トレーニング科学,25(1):p3-10,2013年
・笠原政志ほか:「リカバリー戦略のための実践的研究知見」臨床スポーツ医学,11:p1126-1131,2017年
・長谷川博ほか:「暑熱環境下のパフォーマンスへの影響と身体冷却の効果」臨床スポーツ医学,7:p670-674,2018年