大変ご無沙汰しております🙇🏻♀️
しばらく記事の投稿が滞ってしまいました💦
その間、バレエ解剖学、スタンストレーニングの分野でDLSの佐藤愛さんのもと勉強を続けていました。
バレエ解剖学目線からも、ワガノワメソッドの研究を掘り下げてみて改めて気づいたことがありました💡
ワガノワメソッドについて誤解されていることがかなり多くある!!
ということです。
「ワガノワメソッドは体の条件が良くないとできない」
「オーディションで選ばれた人じゃなきゃ無理」
「ワガノワメソッドは無理矢理アンデオール=ターンアウトさせる」
このような内容の言葉を聞いたことはありませんか??
他にも上げ始めるともっともっと出てきますが(笑)
確かに、ワガノワメソッドのバレエの教科書には180度にターンアウトされた足のポジションが記載されていますし、市販のバレエ学校の映像、SNS等の写真や映像などを見ても、らくらくターンアウトしてます!というようなダンサーが多く出てきますよね。
その映像が嘘だとは言いませんし、素晴らしいダンサーであることに違いはありません。(おそらく)
ただし、映像に出てくるプロやプロの卵たちは、訓練を積んだ状態を見せていて、映像やSNSには「こんな風になれますよ〜」という宣伝広告の意図が含まれていることを忘れてはいけません。
脚色はされているかもしれないということです。
また、本には「ポジションの完成形」が記載されています。
つまり何が言いたいかというと、
ついつい足(Feet)の部分のみにフォーカスされがちのポジションですが、
クラシックバレエの全ての足のポジションは、股関節から回して立つという大前提のもと成り立っています。
ワガノワメソッドで指導するバレエ学校では、「踵を前に」「もっと開いて」という言葉が飛び交っていますし、講習会などでも同様注意を聞いたことがある方も多くいることと思います。
私自身も良く言われてきましたし、通訳してもいました。
しかし、それらの言葉の裏には必ず「股関節から回して」という意味が隠れていて、足先だけでターンアウトをしている受講生がいれば実際に説明もしてくださる先生も多くいました。
正しく回旋したポジションを習得するには時間がかかります。
プロを養成するワガノワバレエアカデミーでもターンアウトを最初から180度に開くことはせず、まずは正しい姿勢と安定して立つことのできるターンアウト角度が優先されます。
さらに、バレエ学校の入学は10歳前後で、その年齢になる前に準備クラスに通っていたとしても7歳くらいからスタートします。
ワガノワメソッドでもプロを目指すからと言って、決して3歳で足首から下だけ開かせたりしているわけではありません。
ワガノワメソッドだから180度のターンアウトを求められるのではなく、
レッスンを続け、
学び続けていく過程で体が成長し、
筋力も強化されて、
身体機能や技術力が向上することで、
徐々にターンアウトを養っていった結果として、180度ターンアウトしているダンサーが育っていっているという仕組みです。
もう一度言いますが、
ワガノワメソッドが無理矢理のターンアウトをさせるメソッドなのではなく、全てのポジションにおいて「正しい姿勢で立っている」「股関節からアンデオール(ターンアウト)している」が大前提の上で、クラスでは先生方の注意が飛び交い、参考文献には「目指す形」としてポジションの写真やイラストが描かれているということです。
ワガノワバレエアカデミーの学校のプログラムの年齢や、タイミング、現地の教師の言っていたことをそのままコピーするのではなく、
○ 目の前の生徒さんに合わせて必要なこと。
○ 的確なタイミングで伝える。
○ 理解して使いこなせるように指導する。
こういうことの積み重ねが、アカデミックなメソッドの習得につながるのだと思います。
次回は、この文章の中で出てきた「アンデオール」と「ターンアウト」という表現に関する私のモヤモヤ、ロシア語や日本語に通訳する時の表現の幅など取りあげたいと思います。
長田聖良