九十歳。何がめでたい

九十歳。何がめでたい

小説家・佐藤愛子のエッセイ「九十歳。何がめでたい」

「九十八歳。戦いやまず日は暮れず」を原作にしたコメディードラマです。

断筆していた90歳の作家の人生が、

社会への怒りをつづったエッセイによって大きく変わり始める。

原作のタイトル通り、

小説家の佐藤愛子さんのエッセイが映画化されたものです。
 

と同時に、タイトルと同じく、

90歳を迎えられた草笛光子さんの生誕90年記念作品です。

それが本編冒頭にテロップで現れて、背筋が伸びましたね。
 

草笛光子さん、90歳だなんて、信じられません。

背骨は曲がっていらっしゃらないし、お顔の肌もキレイです。

そして、何と言っても、あの声高に張った声は

とても90歳の方のものとは思えません。
 

さて、本編ですが、コメディーに振ってあるので、

楽しく見ることが出来ます。

終始笑いっぱなしです。
 

ただ、笑って終わりではありません。

主人公の佐藤愛子さんの口から出る言葉の一つ一つが、

いいことをおっしゃっているのです。

噛めば噛むほど味が出るタイプのことを

吐き捨てるように話されるのです。
 

人生、いろんなことがあります。

それに対して、いちいちクヨクヨしていたら、

たまったものではありません。
 

あと、人間は好きなことをやっている時が一番元気でいられます。

歳だからとかの理由でやめてしまうと

生きる楽しみが無くなってしまうのです。

死ぬまで好きなことをやる。

きっとこれが一番の元気の秘訣なのですね。


 

断筆宣言をして作家生活から引退した90歳の佐藤愛子。

締め切りと無縁ののんびりとした生活を満喫するはずが、

張り合いのない日々に心は塞ぎ込むばかり。

そんなある日、昭和気質で今や会社でも家でも肩身の狭い思いを

しているベテラン編集者の吉川真也が連載エッセイの企画を携え、

愛子のもとを訪れる。

けんもほろろに追い返す愛子だったが、

吉川はめげることなく毎回菓子折り持参で愛子詣でを繰り返す。

愛子の娘・響子と孫の桃子は、吉川のしつこさに呆れつつも、

彼の相手をしている愛子が心なしか元気を取り戻していることに気づき、

２人の攻防を温かく見守っていたのだったが・・・。
こんなお話です。


出演は、草笛光子、唐沢寿明、藤間爽子、片岡千之助、中島瑠菜、

オダギリジョー、清水ミチコ、LiLiCo、宮野真守、石田ひかり、

三谷幸喜、木村多江、真矢ミキ等。


主演の草笛光子さん、本当に素晴らしかったです！

冒頭にも述べましたが、声がとにかく凄かったです。

あと、90際になって、あれだけの台詞量を覚えられるのが天才的です。

俺なんて、50過ぎてから、めっきりと記憶力が落ちました。

本当に凄いと思いました！
 

草笛光子さん生誕90年の記念作品だけあって、

豪華なキャストが集まりました。

これも草笛光子さんの長年の功労の賜物ですね。

これからも生涯現役目指して頑張ってください！


ＭＹ評価： ☆４ （☆５で満点）