マリウポリの20日間

2022年2月に起きたロシアによるウクライナ侵攻の中で

東部マリウポリへの攻撃の様子を捉え、第96回アカデミー賞で

長編ドキュメンタリー賞を受賞したドキュメンタリーです。

 

戦火の中でウクライナ東部マリウポリを取材するAP通信取材班が、

その惨状を世界に発信するためマリウポリ市内から脱出しようとする。

監督はミスティスラフ・チェルノフ。
 


ある程度は想像していましたが、本当に見るに耐えかねる映像が続きます。

リアルな戦地のものなので、当たり前なのですが、

やっぱり、いざ目の当たりにすると、直視出来ません。

 

でも、そんな自分に言い聞かせました。

見たくなくても見なければダメだ。

目の前で起きていることをしっかりと脳裏に焼き付けよう。

そして、戦争の恐ろしさと不毛さを胸に刻みつけよう、と。

 

このウクライナについては、一日でも早く、

ロシアの侵攻が止むことを願っています。
 

それにしても、戦地の状況を伝えてくれる記者やカメラマンの

使命感と勇気には、本当に頭が下がります。

 

命懸けなんて言葉では言えますが、家族ある身で、

あの状況下に身を置く気持ちは並大抵のことではありません。
 

当たり前のことですが、戦場記者やカメラマンがいないと、

現地のリアルな情報は手に入りません。

 

電気もインターネットも途絶えてしまっているので、

そこで何が起こっているのか、外に伝える術が無いのです。

 

今回のロシアによるウクライナ侵攻の実情は、

彼らの使命感によって外に伝えられ、その報道を見た西側諸国が、

ロシアの戦争犯罪を糾弾し、ウクライナ支援に動いた根拠になったのです。

 

そう考えると、ジャーナリストという存在の貴重さを

しみじみと感じました。

 

メディア不要論が叫ばれていますが、正しい報道を担う人たちは、

この世に絶対に欠かせない人たちです!


 

2022年2月、ロシアがウクライナ東部ドネツク州の都市マリウポリへの

侵攻を開始した。

 

AP通信のウクライナ人記者ミスティスラフ・チェルノフは、

取材のため仲間と共に現地へと向かう。

 

ロシア軍の容赦ない攻撃により水や食糧の供給は途絶え、

通信も遮断され、またたく間にマリウポリは孤立していく。

 

海外メディアのほとんどが現地から撤退するなか、

チェルノフたちはロシア軍に包囲された市内に留まり続け、

戦火にさらされた人々の惨状を命がけで記録していく。

 

やがて彼らは、滅びゆくマリウポリの姿と凄惨な現実を世界に伝えるため、

つらい気持ちを抱きながらも市民たちを後に残し、

ウクライナ軍の援護によって市内から決死の脱出を図る・・・。
こんなお話です。


これぞ、ザ・ドキュメンタリーでしたね。

オスカー獲得も納得の作品でした!
 

決死の覚悟で20日間をマリウポリで過ごした記者の皆様に

敬意を表して満点をお贈りします!


MY評価: ☆5 (☆5で満点)