
作品はゴジラ愛満々の映画でした。監督がゴジラ大好きなのは、パンフレットの内容からも窺い知れます。

東宝のロゴ(?)でスタートしたのにビックリ。作品の随所に過去の東宝作品へのオマージュや音楽がちりばめられていて、これにもニンマリ。極めつけは、エンドロールで流れるゴジラとモスラのテーマ。ハリウッド映画でこれらの曲が聴けるのは感無量でした。
とはいえ、不満な点も。人物設定について多くの批評をみかけますが、それは専門家に譲るとして、個人的なおもいいれを書きますと、、、。
まず、ラドン(作品ではロダンと発音。なぜこのスペル?)の扱いがひどい。本来はゴジラと同格の存在なのに。
次に、芹沢博士の決断についての監督の見解。これは、「THE RIVER」というサイトの監督インタビュー記事で見つけたのですが、以下の部分に大いにひっかかりました。
(以下、引用)
「本作の、新たな芹沢博士は、かつての芹沢の失敗を正すために行動しているのだと考えたかった。今回の芹沢博士も、オリジナルの芹沢博士と同じような道のりを歩んでいます。しかし1954年版の芹沢はゴジラを殺した。我々自身の神を殺したわけです。本作の芹沢は前回とは違って、自分の神を救おうとしています。」
(引用ここまで)
引用した記事はこちら。→THE RIVER
ゴジラたちを神とする解釈はアプローチのひとつとしては認めますが、1954年版の『ゴジラ』は原爆を具現化したものである(とおもいます)ことを理解していないのは問題です。かつての芹沢博士は断じて失敗していませんし、1954年版の製作陣に対して失礼であると感じました。
まだまだ言いたい事はありますが、ネタバレしてはいけないのでここまで。
怪獣同士の戦いはハリウッドならではの迫力ですし、VFXの映像を観てしまった今、着ぐるみによる作品には戻れません。今後の展開に対する伏線の張り方もさすがです。次回作(「コングvsゴジラ」)以降のモンスターバース作品に期待大です。