ビッグコミックスピリッツに連載されていた、伊藤潤二先生のホラーコミックス「地獄星レミナ」です。伊藤先生の作品は当店では激売れというわけではないのですが、新刊を待ち望んでいる熱心なファンがとても多いという印象を受けます。そして、棚回転の非常に良い作品を出し続けてくれる作家さんです。



キャラクターの独特な表情や、「うわっ」と感じる描写など、先生の世界はどの作品でも、深く楽しむことができますが、この作品は多くの作品と比較してやや異質に感じます。未知の惑星の出現が及ぼす地球の危機に翻弄される女の子の物語ですが、描写よりもストーリー性が強いからでしょうか。いづれにしても、面白かったです。







短編「億万ぼっち」も併録してあります。これは、すごい描写が脳裏に焼きついちゃう作品ですよ。1つの単行本の本編以外に、ちょっとだけ短編が収録してある形態って好きです。得した感もありますが、何より1冊で2つの世界を感じられるのって嬉しいものです。



先生の作品は、ややユーモラスな部分もあり、コケティッシュな女性の描写も魅力的ですね。諸星大二郎先生の「栞と紙魚子」のシリーズがお好きな方にも、お薦めかもしれません。



この作品は2005年8月に刊行されましたが、その後に朝日ソノラマから「潰談 新・闇の声」が2006年に刊行され、それ以来新作は出ていないんですよね。早くまた、新しい作品にお会いしたいものです。



伊藤先生の作品を初めて読んだのは、僕がグランデに来てすぐの頃に、同じコミックフロアで働いていた後輩が貸してくれた作品でした。今ではもう絶版ですが、朝日ソノラマ刊行の「伊藤潤二恐怖マンガColection」というシリーズでした(今では文庫版で手に入ります)。その中の、「双一の呪いの日記」というもの。これはけっこうユーモラスな部類に入ると思う。でも、絵が怖かったなーって思い出があります。歯が釘なんですよ・・・だったか、口の中に釘を入れてるんだったか・・・そんな双一少年にまつわるお話。



つい先日、伊藤先生のコミックをお探しに外国人さんがいらっしゃいました。外国の方がお探しになる作品のベスト3は、やっぱり「ポケットモンスター(パッキーモンと発音する:最初はわからなかった)」「ドラゴンボール」「宮崎駿関連」ですが、伊藤潤二とは何とシブい!!ジャパネスク・ホラーを是非、さらに広めてください!