天狗にさらわれた少年 抄訳仙境異聞 

角川ソフィア文庫
平田 篤胤  (著)

今井 秀和 (翻訳/解説)

 

怪異と乙女と神隠し(1)にこの本の話題がでてまして

あ、怪異と乙女と神隠し(1)は

たまたまAmazonで1巻無料だったので読了したのです。

 

話を戻しますが、「仙境異聞」は

江戸時代後期 国学者 平田 篤胤さんが

神隠しから生還した少年から聞き取った異界に関する調書

との事だったので、おもしろそうじゃない!

と即読了しました。

 

内容としては、

天狗にさらわれた(教育を受けた?弟子になった?)寅吉に

著者の平田 篤胤さんが質問をして

寅吉が答えていくものになってます。

 

たとえば…

・妖怪について教えて

・太陽ってどんなんか知ってる?

・あっちの世界の寝巻きってどんなの?

・修行場には女性いたの?

・太陽って何なのか知ってる?

 

な感じな質問をして

それに対して天狗に教わった知識で回答しています。

 

結論から申し上げると

寅吉さんが天狗とされる方に

連れて行かれたそもそもの原因「占術」を教えて欲しいと

言ったことなのですが

この、平田 篤胤さんに対して回答している内容が

「占術」を駆使した回答方法だと思われます。

 

簡単に言いますと、

・幅広く最先端の知識を天狗から学び

・知識を駆使し分かることは断言する。

(断言をする中に曖昧表現も入れます。

 ~可能性も。~の様な等)

・わからないことは知らないときっぱり断る。

・相手の望まれているであろう回答は明確に否定しない事。

お話の中で

太陽のお話とかも出てきたりしますが

太陽フレアのことかなぁとか勝手にこっちがいい方に勘違いさせられたりします。

 

じゃぁ読了しても何も得られないのか?

って話になりますが

当時の時代背景を鑑みた解釈説明の仕方は

現在とは違う常識ですので中々に面白いものがあります。

山に異人がいるのが当たり前になっている世界観

疫病や家事は妖かしや天狗の仕業で

河童もいるのが当たり前の世界観なのにリアルっぽく

説明するっていうのは程々に異世界で楽しめましたよ。