東西ドイツの統一という
時代の波に翻弄されながらも、
懸命に心の絆を保とうとする
一つの家族の姿を描いた作品。
主人公アレックスは、
東ベルリンで暮らしていたが、
彼の父は、10年前に家族を捨てて西側に亡命。
その反動で必要以上に社会主義に執着するようになった母のクリスティアーネ。
そんな彼女はある日、
ふとした事がきっかけで心臓発作を起こしてしまう。
8ヶ月の長い眠りから奇跡的に目覚めた母だが、
その間にベルリンの壁は崩壊し、
ドイツは劇的に変化していた。
「もう一度強いショックを与えたら、命取りになる。」
という医者の言葉に、
東ドイツの崩壊を知ったときの母のショックを思い浮かべるアレックス。
彼が思いついた策とは、
東ドイツの体制がずっと続いているフリを装うことだった。
以上が簡単な概略。
作品は愉快。
アレックスが母親のクリスティアーネにばれないように
東ドイツのニュースを作って、
社会主義が続いてるかのように振舞うなど
最初はコメディーチックで楽しかった。
けれど、そんな状況にも変化が。
ウソがばれてしまうのだ。
冷戦が終結したことを悟りながらもアレックスの必死の演技に対し、
騙されているように振舞うクリスティアーネの姿は切なかった。
そして、クリスティアーネは死んでしまう。
その命が散る瞬間を夜空に舞う花火で表現したシーンの印象深さ。
死に際の表現の仕方が巧みだと思った。
東西冷戦の背景をより知っておけば、
製作者の意図をより感じれたと思った。
