改めて末恐ろしい男だなと想った。

 

 ポスティングでのメジャーリーグ移籍を目指していた菊池雄星がシアトル・マリナーズと契約した。

 いつの日かシアトルの名前を口にしたことがあったけど、まさか、その球団と契約するとは。しかも、最低でもポスティング額が11億という予想以上の契約を勝ち取ったのは見事というほかない。

 

 そして、何よりの驚きは、その入団会見のほとんどが英語で行われたことだ。

 ありきたりな言葉だけではなく、質疑応答にまで英語で答える完璧な記者会見。

 その姿勢は、彼のメジャーへの想いの深さを表現した一つであったと僕は思う。

 

 周知の人もいるかと思うけど、筆者は、この4、5年、彼の登板のほとんどを見てきた。

 正直に言って、当初は、高校時代の輝きをどう戻していくのかを見ていたよう気がする。9年前、涙ながらに記者会見をしていた菊池雄星がどんな人生をたどっていくのか。154キロを出した高校時代に戻れるかどうかという視点だった。

 

 結論は、2013年に、突然、球が強くなり、この3年ほどは、こちらの想像をはるかに超える成長ぶりだった。

 その成長はまさに、一人の投手がエースの階段を上っていく道のりそのものだった。

 

 彼をそばで見ていて思うのは、必ず、目標を実現していく姿だ。

 時間はかかるかもしれない。けれども、絶対に逃さない。

 有言不実行が絶対になく、必ず、目指したことを確実にモノにしていくのだ。

 

 3年前の今頃だったか、

 話す時間が多くあったので、当時、ACミランに所属していた本田圭佑の話題になった。

 どんな話題かというと、彼がミラン入りした時の記者会見についてだった。

 

 全て英語で語る完璧な記者会見で、この姿勢が「世界で戦う」ということなのだろうと語り合ったのを覚えている。

 

「成功したい想いというのは、プレーだけのことではなくて、こういう姿勢にも現れる。必要な要素なんだろうね」

 

 ちょっと話題にした程度だったと思う。

 しかし、あれから3年、本当に彼は実現した。

 自己紹介だけでなく、ほぼ全てのスピーチを英語を使って会見をこなした。

 

 末恐ろしい。

 この3年、数々の凄みを見せてくれたけど、改めて・・・

 すごい男だなと思う。