年が明け、令和2年(2020年)になりました。
今年もよろしくお願い致します。

(喪中の方もいらっしゃると思うので、定型の祝辞は控えますね)

ここ数年、元旦から宝塚へ行って参りましたが、今年は久々に家族を優先。
親や兄弟姉妹と過ごせるお正月も、そんなに多くはないでしょうから。

明日海さんも、静岡のご実家でお正月を過ごされているのかな?
ご両親と、おこげちゃんも一緒に。

今日は、宝塚で拝賀式がある日。

そして、雪組『ONCE UPON A TIME INAMERICA』初日。
おめでとうございます。

さて、2019年の宝塚My Best…書き切れずに年を越しました。

残るは、年間マイベスト作品です。

基準は『2019年上演作の中で、私がもう一度(もっともっと)観たい!!と思っている作品』です。

そう、私が「また観たい」と思ってる事が基準なので、作品の優劣ではありません。

ごくごく個人的な感想なので、サラッと読み流して下さいな。

それでは、2019年(平成31年〜令和元年)Best5 お芝居編です。

★ 5位 月組『ON THE  TOWN』

1月に東京国際フォーラムで上演されましたが、私が観たのは8月梅田芸術劇場で再演された方。

新トップコンビ(珠城りょう&美園さくら)ブレお披露目作品。

脇を鳳月杏、暁千星、白雪さち花、夢奈瑠音、海乃美月、(専科)英真なおき等が固めた上質なコメディ。

20世紀もまだ前半のアメリカ。
ニューヨークに寄港した海兵が、自由行動が許される24時間に起こった物語。

世界大戦が終結する前の、不穏な時代背景を頭に入れておくと、「また会えるとは限らない」切羽詰まった立場と気持ちが、ドラマに奥深さを与えます。

珠城りょう・鳳月杏・暁千星の海兵トリオが、それぞれ出会った女性と恋に落ちるお話。

珠城さんが一目惚れしたポスターの女の子を3人で探す…という設定が物語の芯。

実にシンプルですが、出会えたと思ったらすれ違ったり(珠城)、恋した相手には婚約者がいたり(鳳月)、ルームメイトに良いところで水を差されたり(暁)、24時間というタイムリミットがあったり…と、ハラハラの種がそこここに蒔かれています。

個人的にピットキン(英真なおき)が刺さりました。
ピットキンは大学教授ですが、幼少期から、人から蔑ろにされがち。
愛されたくて、他者に対して寛容であろうと努めます。
でも、相手を尊重すればするほど、軽く扱われてしまいます。
哀しいですね…。

愛されたければ、まず己を大切にすること。
重要です。
…と、私自身の教訓としても、忘れ難い作品です。

権利関係が厳しいブロードウェイ・ミュージカルゆえ、著作権の都合で映像化できない事が残念です。


★ 4位 星組『ロックオペラ・モーツァルト』

星組・新トップコンビ 礼真琴&舞空瞳のブレお披露目公演。
11月21日に梅田芸術劇場、12月14日にライブビューイング で観劇。

これまた海外ミュージカル。
組長の万里柚美はじめ、音波みのり、夢妃杏瑠、音咲いつき、小桜ほのか、桜庭舞、星蘭ひとみ、紫藤りゅう、極美慎らが出演。
凪七瑠海(サリエリ)、悠真倫(レオポルド)が専科生として舞台を締めました。

若く、才能豊かなモーツァルトを礼真琴が生き生きと熱演。
変わり者でも知られる天才を、落ち着きのない小刻みな動きや、時折のぞかせる不安定な表情などで、アンバランスな精神状態を活写していました。

舞姫・舞空瞳のダイナミックで流麗なダンス。

歌姫・小桜ほのかの劇場に響き渡る歌唱。

ひたすら息子に寄り添う万里柚美。
肝っ玉母ちゃんの音波みのり。
弟を見守る桜庭舞。

本作は殆どのキャストがそれぞれハマっていました。
パズルがピタリと嵌ったような心地よい配置。

また、主演コンビのデュエットは歌もダンスも聴き応え・見応えあり。
雪組だいきほコンビ主演作に次いで、ストレスフリーな作品でした。


★ 3位 雪組『ファントム』

宝塚歴代屈指の歌唱力を誇る望海風斗&真彩希帆コンビ主演の、記憶に残るミュージカル。
こんなにハイレベルな大作ミュージカルはもう観れないかもしれません。

2018年11月〜2019年2月上演作で、通常は宝塚大劇場で観てオシマイのところ、東京公演も追いかけました。
だいきほのファントムを観る事ができた満足度の高さよ…。

脇を固める雪組子たちや、スタッフの皆様の熱意あふれる演出・潤色・音楽・映像・音響・照明・大道具小道具などなど、本当に素晴らしかったです…!

ミュージカルは総合芸術、団体競技。
最高の舞台を創り上げて下さった皆様に感謝。

いまだに、ふと気づけば脳内BGMは
「メロディ、メロディ、メロディ…♫」

パリの街角の場では、わざと素朴に歌っていた真彩ちゃん。
のちに同じ歌をビストロで披露した時の流れるような歌唱との落差が鮮やかでした。

だいもんは宝塚と東京で、エリック像が変化していましたね。
宝塚ではシャイで音楽が好きな青年。
東京では最後、父親の前で少年に還っていました。

歌の巧さに溺れず、常に「役として歌う」姿勢を貫く望海さん。
同期の明日海さんもそうなんですよね。
音楽学校の予科生時代から、寮のお部屋で「タカラジェンヌとは」「男役とは」と、二人して語り合ってたのかな?


★ 2位 雪組『20世紀号に乗って』

望海風斗&真彩希帆主演、2019年春、東急シアターオーブ  (東京都渋谷)にて上演。

ブロードウェイ・ミュージカルで、著作権の都合で映像化はなし。

ファントムと迷いましたが、本作は映像化されない…すなわち再演しない限り観られない…という事で、『もう一度観たい!!』度が高まりました。

落ちぶれた舞台プロデューサーが、かつて己が見出した女優(今はハリウッドの名花)を口説き落とし、なんとか一花咲かせようと躍起になる物語。

このお話も「長距離列車が終点に着くまで」と時間制限があり、それがハラハラ度を増します。

オープニングは始発駅から始まります。
上手や下手の袖から歩いてくるモブ達。
その中には、真っ白なスーツを着た男が。
肩が触れ合い、黙って凄みを利かせる男の頬には裂傷が。

アル・カポネ(望海風斗)やーーーん!!

…という遊び心あふれた舞台でもありました。
その後、ジャフィ(望海)が本格的に登場しますが、なんと走り出した汽車の外に!
ギリギリ何とか掴まった状態で。
真那春人と朝美絢に引き上げてもらい、汽車に乗り込みます。
…一命をとりとめたレベルだよ。

本作はヒロインが実質的な主役で、楽曲数も多く、難曲揃い。
転調に次ぐ転調。
リズムもどんどん変化し、リズムとして成立してるのか分からなくなる曲も。
変拍子だとしても、一体どうやってカウントしてるの??
それ以前に、どんな譜面なんだろう??

しかも驚いたことに、生オーケストラなんです。
オーケストラピットは幕の背後。
演者の動きはモニターで確認しながら…という離れ業。
指揮者の上垣聡先生はじめオーケストラの皆さん、すごいです…!

おそらく、少しでも席を増やしてお客を入れる為でしょう。
ありがたい配慮ではありますが、上垣先生はじめ、オケの皆様ありがとうございました。

ジェットコースターのようなスピード感は芝居やダンスにも如実に現れていました。

タップダンスなど、普段の舞台ではあまり見る機会のないダンスもお目見え。

また、だいきほコンビには珍しく、絵に描いたような大団円のハッピーエンド。
フィナーレは二人の結婚式ですものね。
タキシードにウェディングドレス姿のだいきほ。
お似合いでした。

語り出したら止まらない、見応え・聴き応え満載の舞台でした。
映像化されない事が残念すぎる作品です。


★ 1位 星組『龍の宮物語』

新進演出家・指田珠子のバウホール公演デビュー作。

瀬央ゆりあ(95期・研11)主演、ヒロインは有沙瞳(98期・研8)

副組長・美稀千種はじめ、天寿光希、天華えま、水乃ゆり、天路そら、遥斗勇帆、天飛華音らが顔を揃えます。

明治中期という時代背景にまず、喜んで呑まれました。
文明開化華やかならし現実と、神秘的な伝説が背中合わせに共存する、不思議な説得力。

実業家・島村家に寄宿する書生が主人公。
真面目で誠実な青年・清彦(瀬央)
島村家の令嬢・百合子(水乃)にはのかな想いを寄せるも、高嶺の花。

山彦(天華)ら、書生仲間と始めた百物語で、かつて祖母から聞いた伝説を語ります。

清彦は山賊に襲われた娘(有沙)を助けます。
腕ずくではなく、有り金をはたいて。
娘の名は珠姫、彼女に龍の宮へといざなわれる清彦。

幻想的ですが、不思議な説得力をもつ物語です。

心や気持ちがしっかり描き込まれていますが、説明台詞は必要最低限。
登場人物の仕草や表情、行動などから伝えてくれます。

作中ラスト近くで、清彦がある一言を発します。
それは今まで、聴いた事があるようでなかった言葉。
たった一言に、究極の気持ちが集約されている…と感じました。

胸に突き刺さる一言です。
でも、それは痛みではなく、切なさ。
こんなにも説得力をもつ言葉を、わたしは知らない。

主演の瀬央ゆりあは、くっきりした美形ですが、明治時代の書生が驚くほどハマっています。

整った顔立ちながら、純朴で誠実な空気を醸し出す瀬央さん。
一幕ラストは客席に降り、客席通路の階段をのぼり切る手前で一度振り返り、扉を開けて出て行きます。
客席通路を、龍宮と現世を繋ぐ道に見立てたんですね。

この振り返る時の瀬央ゆりあ……美しすぎて驚きました。

せおっちは器用にこなすタイプではないでしょう。
印象ですけれど。
だからこそ、清彦の魅力を存分に引き出せた、とも感じます。

一幕を観終えた時点で、二幕の予想がつきませんでした。
この後、どうなるんだろう?
そのワクワクと、素敵な空間にたゆたう余韻を味わえた休憩時間でした。

かつて、『月雲の皇子』や『春の雪』を観た人達は「なんだか凄いものを私は今、観ている」とソクゾクしたのでしょうね。

上田久美子作・演出、珠城りょう主演『月雲の皇子』

生田大和脚色・演出(原作は三島由紀夫)、明日海りお主演『春の雪』

のちのちまで長く語り継がれ、演出家はもちろん、主演ジェンヌの代表作と呼ばれるようになる作品があります。

そんな作品と出会えたのだろう、と感じました。
『龍の宮物語』と出会えたことに感謝します。

なお、私の中で1位は迷いなく本作と決まっていました。
揺るぎなく。

再演してほしいような、あの刹那の煌めきを閉じ込めておきたいような、何とも言えぬ気持ちです。

こうして振り返ると、海外ミュージカルと新進演出家のデビューが相次ぎました。
どちらも豊作でした。


▽次はショーについて書く…かもしれません
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