遅ればせながら、昨夜遅く、東北・北陸ノ広い範囲で大きな地震が発生しました。
震源地は山形だと発表されましたが、新潟での揺れも震源地並みに激しかった模様。

大きな揺れに見舞われた地域にお住いの方々のご無事をお祈り致します。

大きな地震でしたから、余震もあるかと思います。
自然災害は防ぎようがない側面が多大ですが、どうぞお気をつけ下さい…。


さて、2019年6月18日(火)宝塚大劇場にて上演された雪組新人公演『壬生義士伝』の観劇感想つづきです。


★星加梨杏(100期/研6)
 齋藤一
(本役:朝美絢 95期/研11)

発声・メイク・髪型など、本役(朝美)に寄せまくり。
硬質な美を湛えた、クールでやんちゃな齋藤さん像を構築。

明治の世では警察官なのに、相変わらずナイフみたいに尖ってら。
維新の前も後も、オオカミみたいな風情を漂わせていました。  
獰猛さを感じました、ドーベルマンのような。
(シェパードやドーベルマンは警察犬として活躍するので、ちょうど良い?)

齋藤さんを脅し、ちゃっかり20両を巻き上げる吉村貫一郎(望海/彩海)へ向けて言い放つ、
「お、お、おもさげ野郎!」
齋藤あーさのアドリブが定番化した名セリフですが、齋藤梨杏は言わなかったなぁ。
それがちょっぴり残念。


★眞ノ宮るい(100期/研6)
 沖田総司
(本役:永久輝せあ 97期/研9)

発声が本役(永久輝)そっくり。
齋藤さんもですが、声を似せるってスゴイよね。
やろうとして簡単に出来るもんじゃないです。

超スリム体型も似ているので、立ち姿も沖田せあに寄せていました。
これまた、骨格が関与するので、似せようとして似せられるものじゃありません。

ほんの少しですが、沖田の台詞でフレーズがちょっと飛んだ箇所がありましたが、落ち着いて対処。
齋藤さんは涼しい顔で、総司は咳き込みながら、袖に消えました。
意味はちゃんと拾えましたし、大局的には問題ナシ。 
 
こういう面もある意味で、新人公演の醍醐味ですね。
演じている方は、内心ドッキドキだと思いますが…。


★日和春磨(101期/研5)
 池波六三郎
(本役:縣千 101期/研5)

元気いっぱいな池波くん。
キャラクター的に本役(縣)と同じ……じゃなかった。

宴会などの小芝居で、男同士で喋くったり、お酌したりは一緒でした。
…が、女の子にベタベタしてませんでした。
みつ(潤花)に写真を見せてもらうところでも、みつの肩に手を掛けず。

また、吉村貫一郎(彩海)が若手に剣術稽古をつける場でも、縣くんは座りつつも前のめりになって見入っていますが、日和くんは背を伸ばして座していました。
細かいところで日和くんなりに池波のキャラクターを創っていた模様。

総じて、縣くんの池波は本質的にはマジメだけど、おちゃらけたりもする、天空海闊な印象。
日和くんの池波は理想を追い求め、真面目で生一本なイメージ。

果たして日和六三郎に刺激を受け、縣六三郎は変化するのでしょうか?


★壮海はるま(103期/研3)
 松本良順
(本役:凪七瑠海  89期/研17)

背が高く、骨格に恵まれた男役さん。
『凱旋門』新公では、ヴィーゼンホーフ(本役:縣千)を好演。

落ち着き払った渋い軍医総監でした。
語り口調が低く穏やかで、ストーリーテラーとして邪魔にならない程良い存在感を醸し出してました。

驚いたのは、ラスト手前で銀橋を渡り、ソロを歌う箇所。
深く響くテノール(と言いたくなる低音アルト)でした。
歌唱力と表現力がありますね。
これまた、「もう一人の本役」と呼びたくなりました。

なんとまだ研3なのね、びっくり。 
渋い大人の男性を演じられ、歌える、将来が楽しみな男役さんです。


 ★ゆめ真音(100期/研6)
 谷三十郎
(本役:奏乃はると  85期/研21)

シリアスな本作で、呑兵衛で臆病で貴重な3枚目の谷三十郎。
本役(奏乃)より更にお笑いに特化させようとしたのかな?
赤ら顔がより赤く、千鳥足ももつれまくっていました。

ひとを笑わせる事はハードルが高いだけに、大健闘。
あらためて、本役さんの力量を感じもしました。


★一禾あお(102期/研4)
 大野千秋
(本役:綾凰華 98期/研8)

本役さん(綾)同様、知的でおとなしそうな美少年の千秋。
一人で少年期から青年期まで演じ分け、雰囲気やビジュアルも変化をつけていました。
幼馴染の嘉一郎(花束ゆめ)から母や妹を託され、しっかり応える千秋は男らしかったですね。


★花束ゆめ(103期/研3)
 吉村嘉一郎
(本役:彩海せら 102期/研4)

娘役さんが少年役を演じる事はよくある事…ですが、花束さんの嘉一郎は本物の少年に見えたし、聴こえました。
発声もちゃんと少年発声。

娘役が少年役を演じる時、身体つきや発声によっては「…(^_^)…うん、がんばってるね。可愛いし」という感想に終始する事も少なくありません。

それもあってか、たまに「THE 少年」な娘役さんに出会うと俄然注目。
彩みちるの弥彦(るろうに剣心)、華優希の小太郎(MESSIAH)、白河りりの少年時代のドン(雨に唄えば)など。
白河りりのドンは妹や友人ら観劇した人は軒並み絶賛していたので、加えてみました。
私も観てみたい…(うずうず)

花束ゆめの嘉一郎は本役(彩海)に近づけつつ、さらに生一本な少年ゆえの矜持を感じました。
ただ、「秋田征伐へ行く!」と意気込んだ時は、そりゃあ流石に大野次郎右衛門も連れて行くのを躊躇うだろうと思いましたが。

嘉一郎は、父不在の数年間の間に15~16歳位には成長したのでしょうね(推測)
本役(彩海)の嘉一郎からはそれを感じられましたが、花束ゆめの嘉一郎はそこまでの〈少年から青年前期への物理的な)成長を感じられませんでした。
そこが、男役が演じる少年と、娘役の演じる少年の違い、そして限界…あるいは課題なのかもしれません。

でも、花束さんの嘉一郎くんのけなげさ、素朴さなど、私はとても好きです。
透明感のある少年を演じられる、魅力ある役者さんだと思いました。


★潤花(102期/研4)
 みつ:成人
(本役:朝月希和 96期/研10)

にこにこ笑顔で、みつをサラリと演じていました。
ストーリーテラーとしては良い感じのあっさり加減。
顔の輪郭が変わったような気がしますが、気のせいかな?
以前より、少し細面に(丸顔から卵型に)なったような…?


★莉奈くるみ(103期/研3)
 みつ:少女時代
(本役:彩みちる 99期/研7)

本役(彩みちる)に寄せていました。
ちょっとした仕草も、本役をトレース。
彩さんは芝居上手なので、勉強になったかと。
愛らしいみつでした。


★羽織夕夏(100期・研6)
 ひさ(本役:梨花ますみ)

本公演ではエトワールを務め、美声を響かせている羽織さん。
老母ひさの演技、初っ端の第一声から「うっっっま!!」
…と圧倒されました。

息子・大野次郎右衛門(諏訪さき)と絡む芝居がメイン。
二人とも、発声・滑舌も、情動の表現も上手くて、新人公演と思えませんでした。
ハイレベルな応酬に、「もう一つの本公演」とすら思いましたよ…。

本役(梨花)さんも深みのあるお芝居をされますが、羽織さんも本役さんに近づけた良い芝居をされました。
フォルムを似せただけでなく、内実の深みまで近づけようとした心意気を感じました。

将来が期待されますね。
幅広い役の経験を積んでいかれますように。


▽次はあの人の感想です
にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村