雪組『ファントム』キャスト別感想です。

だいもん(望海風斗)と真彩ちゃん(真彩希帆)について語りだすとノンストップになりそうだから、今日は二番手さん以下から。

ネタばれ含みますので、ご注意下さい。
まだ何も知りたくないよ〜〜って方は読まれない事をオススメします。

正直、『ファントム』は感想レポ……書きづらい。
文章が追いつかない。
音楽を言葉で表現する難しさを痛感しています。


★彩風咲奈(93期・研12)キャリエール

解任されたオペラ座の元・支配人。
エリック(望海)は、彼の非嫡出子。

咲ちゃん演じるロマンスグレーの紳士・キャリエール。
見方によっては全ての元凶とも言えますが、彼がいたからこの物語は成立したとも言える、キーマン。
エリックの庇護者でありながら、その限界も感じている現実主義者
矛盾した思いを持ち合わせている、複雑な内面を持つ人物。
エリックに負けず劣らず葛藤が根強く、苦悩に満ちています。

答えが出しづらい悩みを抱えている為でしょうか、私が一幕で受けた彩風キャリエールの印象は「いい人だけど優柔不断」でした。

…ですが、二幕の見せ場・銀橋で望海エリックと並んでのデュエットは予想以上。
歌唱力の向上に加え、確固たる迫力と、父性を感じさせる包容力に、驚きを隠せず。

超実力派のトップさんの元、二番手羽根を背負う自覚の芽生えを、舞台で見せてくれました。
さらに骨太さを養っていかれますよう、期待しています。

それからもう一つ、予想を超えていたこと。
咲ちゃんはお髭が似合いますね。


★彩凪翔(92期・研13)シャンドン伯爵(役替りAパターン)

オペラ座の有力なパトロンで、音楽の造詣が深く、面倒見が良いイケメン。
魅力や才能ある娘たちを見出してはオペラ座に紹介し、レッスンを受けさせています。
いうなれば、フランスの光源氏といったところでしょうか?
街角で歌いながら楽譜を売っているクリスティーヌも、フランス版若紫の一人。

シャンドン伯爵がいなければ、オペラ座の地下に籠もるエリックは、クリスティーヌと出会えなかったかもしれません。
彼もまた、本作のキーマンの一人です。

多くの女性にモテモテのシャンドン伯爵ですが、不思議とプレイボーイという印象は受けませんでした。
むしろ、誰に対しても親切で、クリスティーヌに対しても紳士的。
育ちが良く、教養も余裕もある好青年。
絵に描いたような貴公子。

彩凪さん、まるっとハマりすぎ…!
ビジュアルはもちろん、醸し出す空気感も、白馬の王子様。
歌はちょっと弱いのですが、彩凪シャンドンを見ていると、うっかりすると目がハートになります。


★朝見絢(95期・研10)アラン・ショレ (役替りAパターン)

キャリエール解任後、オペラ座の新しい支配人に就任。
妻・カルロッタ(舞咲りん)をプリマに抜擢。
悪党かと思いきや、妻の尻に敷かれ気味の愛妻家。
悪党だとしても小悪党で、話が進むにつれ、憎めない味わいがジワジワと…。
バイキンマンとドキンちゃんが夫婦になったら、こんな感じかも(by アンパンマン)

基本シリアスな本作で、妻と共にお笑い部分を担当。
妻はかなり毒を含んでますけどね。

あーさがガチで似合うのは、シャンドン伯爵の方だろうと予測しています。
(現時点で、Bパターンはまだ始まってませんが)
とはいえ、なかなか良い味出してます、朝美ショレ。
新境地開拓中ですね、あーさ。
どう膨らんでいくか、楽しみ。
ビジュアルに比して声が少々高めなので、声の出し方を工夫してみたら、更に奥行きが増しそうです。


★舞咲りん(85期・研20)カルロッタ

オペラ座の新・支配人アラン・ショレ(朝美)の妻で、オペラ歌手
夫の権力を振りかざし、オペラ座のプリマに君臨。
歌唱力はイマイチで、エリック(望海)を苛立たせる。

…そう、この嫌な感じの歌い方が、めちゃくちゃ上手い。
わざと調子っぱずれに聴こえるように、微妙にリズムを乱してみせる。
例えるなら、らせん階段をタタタッと駆け降りるような歌い方をしてみたり。

聴き苦しくないラインをわきまえた、見事な「下手」の表現。
真彩クリスティーヌを引き立たせ、笑いをとる「勘違いプリマの歌唱」
不安定に聴こえるよう、綿密に計算された歌唱。
カルロッタのあくが強い歌唱は、クリスティーヌの声質の透明感や音程の確かさ、柔らかな歌声を際立たせます。

歌唱力・演技力ともに高くなければ出来ないさじ加減。 
高度な表現力だと思います。
さすがです。
こういう表現者を、ぜひ大切にして下さい、劇団さん。


★永久輝せあ(97期・研8)若き日のキャリエール

若き日のキャリエール以外にも、劇団員の役などもしていましたが、こちらで。
彩風キャリエールの回想に登場。
支配人見習い(当時18歳)だったキャリエールを演じている永久輝さん。
エリックの母親となる女性(朝月希和)に夢中になる青年時代が鮮やかに浮き彫りにされます。
若々しく純粋で、己の気持ちに素直すぎて暴走したり…。

彩風キャリエールと永久輝キャリエールは、違和感なく同一人物として観ることができました。
二人ともすらりとした体型で、甘めの美形…といったビジュアルですが、それ以上に漂う空気感が。
若さゆえの情熱と無鉄砲とはいえ、ベラドーヴァ(朝月希和)やエリック(望海)にとっては、人生を狂わせられたレベルの話。
若さで逃げてんじゃねえよ!って話ですが、永久輝さんの切なげな表情に丸め込まれそうになります。

18歳で既婚者だなんて、青田刈りされちゃった?
そうしたくなる美青年ではありますよ(おいおい)

カソリック教徒は離婚できないので、ツバつけられたら最後…だったのかしら。
離婚・再婚をしたいがため、独自の宗派を打ち立てた、どこぞの王様※みたいな人が、フランスにもいてくれたら良かったのにね。
(※エリザベス一世の父君・ヘンリー8世が英国国教会を樹立)


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