花組トップ娘役・仙名彩世の退団発表を受けて、それぞれに感じる事があろうかと思います。

きっと、私たちの計り知れない事情があるのでしょうね。

…と、それはいつもの事ですが。

人事はデリケートな事ですし、憶測をまき散らす事は控えるべし、と己を戒めつつ、想像を巡らせる自分がいます。

あくまでも私個人の世迷言として、ざっくり書き記してみます。

正直、「なぜ、このタイミング?」と驚きました。

もし私が仙名さんの立場なら、息ぴったりの相手役と添い遂げたいと思うでしょう。

……と、それは私の主観でしかなくて。

仙名さんご自身が希望して……あるいは納得して…のご卒業なら、私ごときが何を言わんや。

シンクタンクや研究所と、人気稼業は通じるものがあります。
人が資源であり、その資質に左右される面が大きいと思われます。

芸能は、人気稼業の最たるもの。
まして、スターシステムを導入している宝塚歌劇団で、各組の頂点に君臨するトップコンビ人事は、経営に多大な影響を及ぼします。

トップスターは各組で一人。
トップ娘役も同じく。

ですが、背負うものは組子約80人分のみならず、スタッフや関連企業なども含めると、膨大な人々の仕事……ひいては生活に結びついていく。

宝塚歌劇がアジアを皮切りに世界進出を目指すのも、販路拡大を狙ってのこと。

裏返せば、販路を拡げていかないと先細りになる恐れがある事を、劇団は経験として学んだのでしょう。

ベルばらブームで、一躍その名を全国に轟かせた宝塚歌劇団。
ブーム収束後、長い冬の時代を経る事になります。

…とはいえ、大地真央・天海祐希といったビッグネームが誕生したり、いまや宝塚の財産ともいえる作品『エリザベート』との出会いもありました。

チャンスの芽は生まれて来る。
ただ、それを上手く次へ繋げられるとは限らない。
どんなに周到な計画を練っても、必ず当たるとは限らない。

…その反面、思いもよらないミラクル・ヒットが生まれる事もある。
一夜にしてシンデレラが生まれ、スターダムを駆け上がることもある。

番狂わせはどんな状況でも起こり得ます。

穿った見方をすれば、番狂わせに見せかけて、周到に準備された綿密な計画にうまく乗せられてるのかもしれません。

もしそうなら、それはそれで大したもの…凄い手腕ですよね。

宝塚歌劇団も、ディズニーリゾートも、USJも、ジャニーズも、夢やトキメキを売る商売を行なっています。

綺麗に微笑む水面下で、休む暇なく水をかき続ける夢売り人たち。

経営戦略に余念がないからこそ、不沈船でいられたのでしょうね。

宝塚の大看板・トップスターとトップ娘役。
彼女たちの進退に、様々な思惑や事情が絡むのは、当然といえば当然の事。

関与する人や事情は、劇団内に収まらなくても不思議ではありません。

ましてや、現在の花組トップスターは明日海りお。

元星組トップスターで「レジェンド」と呼ばれた柚希礼音から『トップ・オブ・トップ』を引き継いだ明日海。

誤解をおそれずに言えば、たとえ作品に多少の難があろうと、「彼女が出演するなら観たい」と思うファンを多く持つスターの一人です。

明日海さんは大劇場お披露目のエリザベートから、大入りを出されている模様。

そういえば、大劇場2作目の『カリスタの海に抱かれて』の脚本家・大石静先生が「千秋楽に大入袋が出た!」とブログに書いていらっしゃいました。
大入袋の画像もつけてらして、まじまじと拝見した記憶が。

ご存知の通り、会期中おしなべて高い集客を記録すると、千秋楽にご褒美(大入袋)が出るそうです。

『邪馬台国の風』の時も盛況に沸いたとか。
集客が難しいオリジナル作品でも、コンスタントに高い観客動員を続けていた明日海りお率いる花組。

『エリザベート』や話題作『ポーの一族』は言うまでもなかった事でしょう。

華と美貌で引き寄せた衆目を、身につけた芸の力でさらに惹きつけて離さない、花も実もあるタカラジェンヌ。

頂点を極めてなお、ストイックに精進し続ける明日海をして、「何でも出来るのに、努力を怠らない」と言わしめた仙名彩世。

明日海と仙名は、互いに尊敬しあい、リラックスしつつ、フルパワーでぶつかり合えるコンビ。

信頼と尊敬が基盤にあり、実力も伯仲し、切磋琢磨しあえる…って、なんだかゴールデンコンビ・大空翼と岬太郎みたいだよ、みりゆき。(キャプテン翼より)

仙名彩世は、明日海にとって比翼連理の相手役に見えました。
明日海にとって、仙名は頼もしい戦友であり、安心できる伴侶である事でしょう。

様々な事情で、一足早く劇団を去るゆきちゃん。
彼女は単体としても、ハイレベルな表現者。
サヨナラショーも、ミュージックサロンも、素晴らしいものになりそう。

…さて。
仙名彩世去りし後、明日海りおの相手役は誰になるのかでしょうか。

今後の想定を無視して、この与太話は成立しません。
なので、さっくり踏み込んでみたいと思います。

1)後妻はめとらず、やもめ暮らしの可能性

かつて、瀬奈じゅん(月組)や、朝夏まなと(宙組)が辿った道。

残された任期を考慮すると、あり得なくはない。
組カラー等を考えると、可能性が薄そうな気もします。
五分五分ですね。


2)どうしても上げておきたい娘役がいる可能性

以下は、あくまでも憶測です。
具体的に個人名をあげたのは、事例としてわかりやすいから。
他にも候補はいますしね。

星組から花組へ異動して以来、花乃まりあ時代から娘役の2番手格を務め、新公ヒロインを独占し続けた城妃美伶。

同じく、月組で長らく娘役2番手格を務めてきた海乃美月。

この二人は奇しくも、97期生(研8)
そろそろトップ娘役になれるかどうか、最終コーナーが近づいてきた…と考える向きもあるかもしれません。

仙名彩世のようなケースは稀ですものね。

仙名は、相手役(トップ男役)から実力と人柄を望まれてのトップ娘役就任…だったのか、真実は謎ですが、抜群のコンビネーションと信頼関係からして、そうだったのかな…と推察したくなります。

中堅の域に達してから、やはり相手役から強く望まれ(たと思われ)ての就任となると、彩乃かなみを思い出します。

彼女も、実力・人柄・相手役(瀬奈じゅん)との信頼関係の深さなど、共通する面が少なからずありますね。

仙名彩世の「新公ヒロイン未経験」は、実力不足ゆえではなく、タイミングの問題が大きかったのでは…と推察します。

神奈美帆さんもまた、新公ヒロイン経験がないとは思えない見事な舞台姿をみせてくれました。
(妹が神奈さん大好きでした)

シンデレラ・ストーリーは、レアケース。
レアだからこその、シンデレラ。

現実としては、どうしても上げたい娘役がいる場合、救済措置がとられる事もあるのかな…と。

もちろん、ただの憶測です。
推測ですらない、無責任な憶測ですので。


3)次代のトップ娘役を育成する可能性

将来を嘱望される若手娘役を、短期間であれ現トップに娶せ、トップ娘役として育てたい意向。
これも、あり得なくはありません。

(経験と実力を備えた)現トップに、コンビならではの役割・心構え等を伝授された嫁ごと、次期トップにタスキを繋ぐ。

このパターンは、宝塚のスタンダードの一典型だと思います。

多くのトップコンビは、片方が見送って後任を育て、後継者に託していくパターンを繰り返してきました。

近年は添い遂げが増えましたが、花組では今も、この入れ替わり型が主流ですね。

今なら、「華優希(100期・研5)を次代のトップ娘役に」と望むファンは多いことでしょう。

はなちゃんは花組内での人望も篤く、明日海さんからも可愛がられている様子が、ナウオン等からも見て取れます。

相手役の本命は某柚香光だと思いますが、彼自身がまだまだ己の事で手一杯の身。
現トップさんに仕上げてもらい、次期の頼もしい戦力になってほしい、という戦略も考えられます。

そのパターンですと、舞空瞳(102期・研3)も候補として浮上してきそう。

前任トップが育てた娘役が忘れ形見として残り、新任トップを支える。
これはこれで、美しい構造と言えましょうか。

大抵の場合、男役トップに比べ、娘役トップは学年がかなり下である事がほとんど。
経験も浅い中、10年選手の男役トップと肩を並べるのは大変でしょう。

男役は男役で、トップになりたてでも「娘役をリードしなければ」と気負う場面が多いはず。
そんな時、学年は下でも、トップとしての経験がある相手役が添うてくれたら、心強い事でしょう。

また、男役の陰に隠れがちな娘役が、サヨナラショーという大舞台を用意され、大劇場で短いながら、主演を張る機会を得られます。

事ほど左様に、入れ替わり型には様々な効用があるとも言えましょう。
夢見る度は、添い遂げ型に軍配が上がりますけどね。


以上、あくまでも私個人の想像に過ぎません。
サラッと斜め読みで、流して下さいね。


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