仙名彩世、退団発表記者会見

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花組トップ娘役・仙名彩世の退団記者会見が本日2018年10月16日(火)開かれました。

この会見でゆきちゃんが話してくれた事、じんわり胸に沁みました。
宝塚歌劇公式サイトとネットニュースで読んだ内容ですが、いくつかピックアップしてみます。

1)この場にいる事が不思議です

今まで、ニュース等で見てきた退団記者会見。
その場に、己がいる事が不思議です…と。
記者会見を開いてもらえる立場だという事実を、現実と受けとめ切れないゆきちゃん。
立場が変われども、素朴な心根の変わらなさを感じました。


2)就任した時から、じわじわと意識していた

2017年2月6日付(研9)でトップ娘役に就任した、ゆきちゃん。
就任当初から、退団をずっと意識し続けてきた、と話してくれました。 

94期のゆきちゃんは現在、研究科11年目。 
男役であれば、「男役10年」と言われるように、「さぁ、これから!」な学年。

トップ娘役の就任は、男役に比べると段違いに早い時期に集中するため、終わりを意識するのも早まるのでしょう。

そんな娘役の現実から目を背けず、客観視する姿勢を感じました。

切なさを感じる言葉ですが、同時にゆきちゃんの潔さが滲み出ています。


3)ヒロイン経験が少ない事をひけめに感じていた

「新人公演ヒロインを務めていない」と指摘する人もいますね。

裏返せば、新公ヒロインを務めた事がないにも関わらず、立派にトップ娘役という大役を務めた、という事です。

予行演習なしに、本番一発勝負に臨み、みごと成功させたようなもの。

快挙だと思うし、それこそ「相応の努力という準備を積み重ねてきた」証です。

瀬央ゆりあ(星組95期)が音楽学校時代、正塚晴彦先生から、「地道な努力がなかなか報われなくても腐るなよ、自暴自棄になるなよ」と言われた事を話していました。 

ゆきちゃんも、「腐らず、自暴自棄にならず、地道な努力を継続」してきたんですね。

ヒロイン経験が少ないのに、大逆転の大抜擢を受けたゆきちゃんに励まされた後進はとても多いはず。
それは花組に留まらないでしょう。

…いえ、宝塚に留まらず、様々な人々を勇気づけた事でしょう。
私も、励まされた一人です。

ゆきちゃん、引け目どころか、そんなご自分を誇って下さい。


4)明日海さんには以前から相談していた、『ポーの一族』の時に決意を伝えた

誰よりも早くから相談してくれて、明日海さんも嬉しかった事と思います。

同時に、ゆきちゃんの卒業を、おそらく心底惜しんでいらっしゃる事でしょう。

明日海さんの、ゆきちゃんを見つめる目が、語る言葉が、とても優しく温かい事からも窺えます。


5)花組のみんなには、『MESSIAH』上演期間中に伝えてた

会期中、どんどん熱が高まり、良作から佳作、傑作、そして名作へと深化を遂げた『MESSIAH』
原田諒先生の脚本・演出という基盤あってこそですが、花組生の熱量の凄さは圧巻でした。

劇場でご覧になられた方々には、説明不要だったと思います。
ライブビューイングやBlu-rayといった映像越しでも、かなり伝わった事でしょう。

ゆきちゃんの決断を知り、花組生たちの士気はますます高まったことでしょう。
時間や機会を区切られる事で、集中力はさらに高まっていきますから…。


6)下級生に伝えられる限り、伝えていきたい

新公で己の役を演じる娘役さんを自宅に招き、本役として共に役を深めたという、ゆきちゃん。

「(ポーの一族の)新公が終わった後、ご自宅に招いて下さって、最初から丁寧におさらいをして下さって」
と城妃美伶が話していました。

「えっっ??ご自宅で…?!」
それを聞いた聖乃あすかも驚きを隠せずにいました。

『ポーの一族』ステージトークでの一幕です。

そういえば、花乃まりあが組替で来た当初も、率先して世話をしていたとか。

面倒見が良く、優しく、頼りになる『花組のお母さん』なんですね。


7)同期には直接会って、目を見て伝えるようにした

その心遣いが、とてもとても嬉しいと思います。
ゆきちゃんの誠実さを感じる言葉、そして行動です。


8)珠城がいたから、がんばれた。

月組トップ・珠城りょうにだけは会えず、電話で伝えたそうです。

たまちゃんは電話越しに、「そうなんだ……よく頑張ったね、お疲れさま」と、ねぎらいの言葉をかけてくれたそうです。

「そうなんだ……」と呟いた珠城さん。
沁み入るような声が聴こえてくるような気がします。
言葉にならない思いの重さ。

「同じ時期に、同期の男役と娘役がそれぞれトップでいる事は、とても珍しいこと」と仙名さん。

……ほんとうに。
『奇跡的な巡りあわせ』と言っても良いかもしれません。

「珠城がいたから、がんばれた」
その言葉には、単純に「同期がいて心強い」という以上の重みを感じました。

珠城さんも、仙名さんも、それぞれ「異例の」と枕詞がつく就任となりました。

珠城さんは、異例の「天海祐希に次ぐ、早期就任」として。
仙名さんは、異例の「遅咲き娘役トップ」として。

それぞれ、メディアは特徴づけようとして、話題になるようにつけた枕詞で、悪意はないと思います。

ただ、就任までに至る道筋を知る人にとっては、ずっしり圧し掛かる重荷を、そこに垣間見たことでしょう。

94期でトップに登り詰めた珠城りょうと仙名彩世には、独特の運命共同体のような絆も生まれているのかもしれませんね。


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