映画「失楽園」とかね、ぶっちゃけ、(めっちゃ無責任な大人の話じゃん)と思っていました。
家族を裏切って、いい大人が何しとんじゃと。
同じ不倫映画でも「マディソン郡の橋」ではそこまで思わなかったなぁ。
理由は2つ。
性的な描写がそこまで多くなかったことと、家族が不倫の事実を知ったのが本人たちの死後だったこと。
まあ、失楽園の方は、マディソンとはちょっと違う売り(性に溺れていく系)の面もありそうなので、単純に比較はできないけど。
不倫は、主人公の子どもたちが10代後半の頃の出来事なので、結婚生活は最低でも15年以上、20年くらいと思われる。
いいですねぇ。
親近感わきます。
旦那も子どもたちを育てる毎日も何もかもが【生活】になっていて、【当たり前】になっていて、うん、幸せだけどね、ちょうど「幸せなんだけどね……」の時代ではなかろうか。
「幸せなんだけど……」、これはやはり、平凡な結婚生活を15年くらいしてみないとわいてこない感情かもしれません。
幸せなの、でも、幸せのあとに、何かが付いてくる。
不安だったり、不満だったり、言葉にできない何かだったり。
私、このままでいいのかな、みたいな。
そんなタイミングであんな素敵気味な男が旦那不在のなか現れたら、心揺れない主婦はいないのではないか。
庭で水浴びする姿を、2階の窓から覗き見。
久々に見る、旦那以外の体。
夜になれば誰も来ない家なわけで、まあ、いい年こいてても、そりゃ盛り上がっちゃうよね。
もちろん、2人にとっては遊びではなく愛だったわけですが、私が注目したのはそこではなく、自分たちが気づかないまま次のステージに進んでいるのが結婚生活であり、いつの間にか時間はどんどん流れていて、埋めようのない心の隙間は誰にでもあるのではないかということですね。
平凡だからこそ、なんとなく不安。
平凡だからこそ、こういうことが不満。
なんかわかんないけど、これでいいんだろうか。
子どもが思春期になれば母親としての悩みも変わるでしょうし、落ちつかない日々かもしれない。
自分の体調も悪くて、更年期かなと思ったり。
どう考えても、結婚20年の主婦が不安定な場所にいるのは間違いありません。
多くの【迷える主婦】の願望をスクリーンで叶えたのがマディソン郡の橋だったのかなぁと思ったりします。
たった4日で構わない、大切な家族には死ぬまで知られることなく、人生最後の恋をする。
実際にはありえないとわかっていても、想像する分には、まあ、悪くないですねぇ。
配偶者と婚姻関係がある以上は、現実には決して良い事ではないですけど。
しかし、田舎の主婦メリル・ストリープの可愛いったらないな。
それが、いずれは、「ランウェイ社」でバリバリ働いたり、マーガレット・サッチャーになったりするのだから、ほんと、人生、わからんもんだねー