フクロウの子供を映した動画がYouTubeに投稿されていた。

巣のある土手から落ちて巣に戻れなくなってしまったフクロウの子供が、人に助けられる様子が撮影されている。

 

動画の撮影者が、フクロウの子供に近づいて、巣のある土手に返してあげようとするのだが、フクロウは何か危害を受けるとでも思っているらしく、クチバシをカタカタ鳴らして怯えている様子だ。

 

この動画を見て、ハタと思った。

 

人間と同じだ。

って。

 

他者から危害を加えられないかと恐れる。

怯える。

それは人間も同じだと。

 

人間と動物とではよほど様子は違うが、僕は日々、このフクロウの子供と同じように、人が怯えている様子を見ているような気がする。

 

目が合った瞬間にニコッと笑うような人も、人の輪の中で陽気にしゃべる人も、横柄な態度で接する人も、些細なことで人を恫喝するような人も、コンビニの店員のように機械的に人と接するだけの人も、自慢話ばかり聞かせる人も、自分が接する他人に対して、心のうちでは何かしら恐れを抱いているように見える。

 

馬鹿にされないだろうか。

甘くみられないだろうか。

メンツをつぶされないだろうか。

プライドを傷つけられないだろうか。

仲間外れにされないだろうか。

何か危害を加えられないだろうか。

何か辱めを受けないだろうか。

 

そうした恐れと同時に、危害を受けないよう警戒心を抱いているように見える。

 

これは生物の本質じゃないだろうか?

生物は、他の生物に対して恐れを抱く。

動物は、初めから自分より劣っていると知っている他の動物でない限り、出会うのが人間にしろ、他の動物にしろ、必ずと言ってもいいほど怯えた様子を見せる。

熊が人を襲うのだって、人を恐れているからこそ襲う。

犬だって、恐れているからこそ、吠える。

昆虫だってそうで、人が近づいて行けば、一目散に走り去っていく。

 

つまり、人間も動物も虫も魚も、あらゆる生物は、自分以外の生物を恐れているという点で同じだ。

 

動物を見ていて、人間と同じだと思える点がもう一つある。

僕はよく動物を撮影した動画を見ているのだが、例えば、飼い主が帰宅すると、一目散にペットの犬や猫は、飼い主の元に走り寄っていく。

そうした動画を見て思う。

人間と同じだって。

大人の場合は、よほど様子は違うが、小さな子供が、帰宅した親に駈け寄っていく様は、動物とそっくりだ。

 

つまり、生物は自分以外の生物との触れ合いを求め、絆を求めている。

愛情を求めている。

これは生物の本質じゃないだろうか。

もっとも、虫や魚のことはよくわからないが、少なくとも人間と動物はそうだ。

 

自分以外の生物を恐れながら、それでいて、自分以外の生物からの愛情を求めている。

どんな人と接する時も、こうした生物の類似性を意識するのはとても大切なような気がする。

 

そんなことを考えていたら、聖書に記された「敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい」というイエス・キリストの言葉を思い出した。

言うのは簡単だが、敵を愛するというのは極めて困難なことのように思える。

それでも、すべての生物は、すべての人間は、本質的に恐れを抱き、愛情を求めているのだということを意識すると、万人を愛し、敵さえも愛するということに少し近づけるような気がした。

 

どんなに自分が嫌だと思う人も、憎いと思う人も、許せないと思う人も、恐れを抱いているのだと。愛情を求めているのだと。

どんな悪逆非道な殺人鬼でも、恐れを抱いているのだと。愛情を求めているのだと。

 

万人に対して慈悲の心を向けるという教えは、キリスト教、仏教に共通している。

その点で、仏教とキリスト教は極めて似ている。

 

仏教の経典にも、お釈迦さまがアングリマーラという大量殺人鬼を改心させる話が描かれている。アングリマーラは千人もの人を殺し、その指を首飾りにしていたという。

 

手塚治虫の漫画「ブッダ」にもアングリマーラが登場する。

確か、アングリマーラがお釈迦さまを捕らえて、拷問を与えていたシーンだと思う。

(僕はこの漫画を小学生の時、何度も繰り返し読んだ。)

お釈迦さまは、危害を加えられても、何の恨み言を言うでもなく、怒りを示すでもなく、それどころか慈悲深さを示してアングリマーラに問いかけている。やがてアングリマーラを改心させ、出家させてしまう。

 

 (引用:手塚治虫『ブッダ』)

 参考ブログ

 

参考記事 アングリマーラ

アングリマーラ(指鬘外道)- 奈良薬師寺 公式サイト|Yakushiji Temple Official Web Site

 

 

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吉井豪
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