第3回市町村議会議員特別セミナーに参加しました | ごとう勇樹のときどき日記

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 11月19日~20日に大津市唐崎のJIAM(全国市町村国際文化研修所)で開催された第3回市町村議会議員特別セミナーに参加しました。JIAMのセミナーには本年度5回目の参加です。北は北海道から南は沖縄まで、全国の地方議員約200人が参加する大規模セミナーですが、その研修所が滋賀県内にあるというのは、私たち県内の議員にとっては大変ありがたいことと思います。

 

JIAM(全国市町村国際文化研修所)

 

 今回のセミナーでは次の4つの講義を受講しました。

  1. 「災害に強いまちづくり」 関西大学社会安全学部 特別任命教授 河田恵昭氏
  2. 「対話による協働のまちづくり」 前牧之原市長 西原茂樹氏
  3. 「データ活用で変わる社会~AI等新技術の活用について~」 株式会社三菱総合研究所 社会ICTイノベーション事業部 主任研究員 村上文洋氏
  4. 「地域を健康にするまちづくり」 筑波大学大学院 人間総合科学研究科 スポーツ医学専攻教授 久野譜也氏
【1.の講義内容】
 
 日本の災害情報は世界で一番進んでいるが、避難情報が出ても逃げなくなった。伊勢湾台風では平均30%も逃げた。2000年の東海豪雨では名古屋市が38万人に避難勧告を出し、3万2千人(約8%)が逃げた。13年の台風18号では京都市で30万2千人に避難勧告・指示が出され、逃げたのは3800人(約1%)。今年7月の西日本豪雨では1%に満たなかった。最近では、自分は大丈夫と思い、だんだんとひとごとになってきている。西日本豪雨の約10日間で降った雨は、貯水量275億立方メートルの琵琶湖の3倍。過去37年間で最大。このとき、①土石流②砂防ダムの決壊③ため池の決壊④土砂や流木の橋梁(きょうりょう)での堆積(たいせき)⑤ダム放流⑥背水(バックウォーター)現象⑦排水能力を上回るという7種類の氾濫(はんらん)災害が起きた。
 広島県呉市の天応地区では12人が死亡した。この地区では土石流も起きていた。45年の枕崎台風の呉市の死者は1千人を超す。なぜ土砂災害が起こるのか。50年もたてば、山の斜面の表面から1~1・5メートルは粘着性がなくなり、サラサラになる。そこに大雨が降るとしみて重くなり、斜面崩壊の力が大きくなって滑る。いったん滑ると、もう滑るものがない。だから、しばらくは雨が降っても土砂災害が起きにくい。呉市では枕崎台風から70年以上が過ぎ、どこで土砂崩れが起きてもおかしくなかった。「最近は土砂災害がないから安全」と思うかもしれないが、実は逆。ここ30~40年間に起こっていないところほど危ない。

 広島県福山市では、ため池が決壊した。山の上からいくつものため池が連続的につくられていて、あふれた水がドミノのように下流の住宅を襲った。最もため池が多いのは兵庫県で約3万8千。奈良県は約6千、我が滋賀県には約1600ある。ふだん使わないから関心がないではすまない。

 今後さらに犠牲者を減らすための質の高い治山・治水対策が求められる。個人で具体的にやるべき対策と自治体単位の幅広い対策がなければうまくいかない。
 
【2.の講義内容】
 
 平成17年10月に市町村合併によって牧之原市が誕生した。しかし、それまでの農業への積極投資による膨大な借金によって、実質公債費比率が県内ワーストワンという状況からの出発だった。幸い毎年の借入額の抑制や、交付税算入のない市債の借入の中止などによって、計画よりも早く財政健全化目標が達成できている。平成26年暮れからスタートした第2次総合計画では、この計画をベースとした地方創生の「牧之原市まち・ひと・しごと創生総合戦略」では、いま牧之原市はトップランナーとして評価されている。通常、総合計画は10年間、市政運営の基本として活用するが、社会情勢の変化などもあり、「第2次牧之原市総合計画」は1年前倒しでまとめた。この計画をスタートしようとした矢先に、石破茂地方創生担当大臣から全国の市区町村の首長に対して総合戦略の策定を求める手紙が届いた。これについて各方面へ確認したところ、完成したばかりの第2次総合計画に「人口ビジョン」を追加すれば総合戦略となることが分かった。その結果、提出は二番目であったが、国からは「これがわれわれのやりたかった地方創生だ」と共感をいただき、また日本創成会議では増田寛也座長からも「一番の内容」と評価された。そんなこともあって、牧之原市の取り組みがいま注目されている。とはいえ、計画の内容としては他団体と変わるところは何もない。唯一異なるのは「産・官・学・金(金融機関)・労(労働界)・言(マスコミ)」のみんなで話し合って一緒に計画をつくったということ。その手法が評価されている。

 総合計画を策定する場合、通常はコンサルタントなどの協力を得ながら職員が作る。しかし、牧之原市では市内の各界各層173団体、1500名を超える市民を巻き込み1年半の年月をかけて計画を策定した。その過程では、最初に約600名の市民に意見を出してもらった。その際に市民に、「どんな牧之原市になって欲しいか?」と「そのためにあなたは何ができるか?」ということを尋ねた。通常、二つ目は「そのために行政は何をすべきと考えるか?」という質問になるが、これをあえて「あなたは何ができるか?」としたことで、計画をつくるのは市民自身だと訴えたかった。

 そして、それらの意見をもとに、どんな計画を立てるべきかを審議する人たちを30名ほど選んだ。ユニークなのは、その参加者の平均年齢が42歳で、女性が4割を占めたこと。この人たちに“NEXTまきのはら”を託したわけだ。西原氏たちの世代が5年後、10年後のまちの未来を語ってもしかたがない。若い世代にこそ、やる気になってほしいと考えた。

 牧之原市では市がスタートした時から「対話によるまちづくり」を基本としてきた。よく「住民参加」や「合意形成」という言い方をするが、これらはいわば“役所用語”。これでは市民は誰も興味をもたない。市民はいろいろなスキルや知識を持っている。専門家もたくさんいる。だからこそ、市民の協力を得て対話によるまちづくりを進めるべき。

 そんな思いから、市役所を開放して市民の意見を聞くワークショップ「フォーラム牧之原」を実施している。ただ単に議論をしてくださいといっても、いろいろな参加者がいてなかなかうまくいかない。そこで思い切って会議のやり方を変えてみた。具体的には、ファシリテーター(中立的な立場で議事進行を務める人)を有効に活用する方法に改めた。それ故、牧之原市のワークショップは「気軽に楽しく、中身は濃く」「一人だけでしゃべらない」「頭から相手を否定しない」が原則。しかし、専門家を毎回頼むと10万〜20万円というコストがかかるため、市の事業として養成講座をつくり市民ファシリテーターを育成してきた。現在約30名が、市内10小学校区ごとに進められている「絆づくり事業」の会議などで活躍している。同様の例は他の自治体にもあるようだが、牧之原市の場合、養成と活躍の場という二つの仕組みをつくることでこのスタイルが定着しつつある。

 また、最近では「グラフィックファシリテーション」という手法も採用している。これは、参加者の認識を一致させるために、ファシリテーターが議論の内容をその場で図式化して示し、会議の終わりにそれを見ながら議論を振り返るというもの。これにより、文字でまとめた議事録よりも理解度が増すようになった。

 人は“学んで、気付き、共感する”プロセスがあって、はじめて自ら行動を起こす。それには時間がかかるが、市民自身に関わることは一緒に答えを探していくことが大切である。

 

【3.の講義内容】

 

 

 第二次ベビーブーム(1971-1974年)以降の出生率の低下により、我が国の人口は2004年を境に減少に転じ、ついに急激な「人口減少社会」に突入した。よく目にする1950年頃から2060年頃までの人口推移のグラフでは、我が国の人口はなだらかな増加傾向からなだらかな減少傾向へと転じたように見える。しかしもっと長い1000年単位といったスパンで見てみると、明治維新以降の急激な人口増加から急激な人口減少へ、我が国は歴史的な転換点にいることがわかる。ジェットコースターの頂点に上り詰め、急速に落下するまさにその瞬間にいる。ここで問題になるのが、我が国の社会制度や社会インフラなど、現在の社会を支えているものの多くが、人口急増社会に作られたものであり、人口激減社会には対応してない点である。

 人口が減れば、消費も減り、税収も減る。働き手も減り、社会全体が今のままでは維持できなくなる。既に飲食店などでは人手不足が深刻化している。戦後の高度成長期に作られた橋梁などの社会インフラが、補修費不足等により維持できなくなり、閉鎖を余儀なくされ始めている。使われなくなった住宅なども、今後ますます増加する。人口急増社会に整備した社会インフラが、負の遺産として次の世代に引き継がれてしまう。現在の年金なども人口の増加を前提とした制度であり、人口減少時代への対応が難しい。

 合計特殊出生率が人口の維持に必要な2.08を切った1974年以降、人口減少社会に移行することは既に予測されていた。しかし衛生環境の改善や医療技術の向上などにより平均寿命が延びたため、1975年以降も人口増加は続いた。しかしここに来て、ついに人口は減少に転じた。人口減少を食い止めるためには、出生率を2.08以上に戻す必要がある。

 諸外国の状況を見てみると、アメリカ、フランス、イギリス、スウェーデンなどは、2.0近くを維持しているか、一度低下した後、2.0近くまで戻している。一方、日本、ドイツ、イタリアなどは出生率が1.5を切っている。近隣の中国、韓国、台湾などの出生率も軒並み低い。我が国は出生率を高めるためにあらゆる施策を総動員する必要がある。そうしないと、日本という国が消滅してしまう。地方都市が「東京から人口を」とスローガンを掲げても、日本全体の人口が減少する中、縮小するパイを奪い合っても根本的な解決にはならない。仮に施策の効果が出て出生率が高まったとしても、そもそも出産適齢期の女性の絶対数が減っているため、簡単に人口は増加しない。再び人口が増加に転じるには長い時間を要する。

 人口減少が続く中、人手で行ってきた様々な仕事を機械に置き換えたり、機械が補助することで高齢者や女性でもできるようにしたりするなどして、とにかく生産性を高め、日本の社会を維持する必要がある。「AIが仕事を奪う」とよく言われるが、我が国の場合、AIでもIOTでも使える技術は何でも総動員して生産性を飛躍的に高め、社会を何とか維持し、日本の消滅を先伸ばしする必要がある。こうやって時間を稼いでいる間に、出生率を高め、人口減少から横ばい・増加へと転じさせないといけない。

 ここで留意すべきは「技術の使い方」である。2016年12月に、日本のパナソニックとローソンが共同で無人レジを開発したとニュースになった。買い物かごにバーコードリーダーが付いており、商品を入れると読み取る。無人のレジに持っていくと合計を計算し、タッチパネルで支払い方法を選択した後、現金やプリペイドカードなどで支払いをすます。なんと自動でレジ袋にも詰めてくれる。技術的には、なかなか高度なことも含まれている。

しかし間の悪いことに、ちょうど同じころ、アメリカのアマゾンが「Amazon Go」を発表した。入口のゲートでスマホをかざして来店者を特定した後、店内のセンサーやカメラなどで人の動きを追い、どの商品を手にしたかを判断する。来店者は商品を手に持ったまま、あるいは自分の鞄に入れてゲートを出る。支払いは、アマゾンで普段、買い物するときと同様、クレジットカードで決済する。

講義ではこの二つをスクリーンで視聴したが、Amazon Goの場合、来店者は、レジに並ぶことも現金を支払うこともない。欲しい商品を手にして店を出るだけである。まさに買い物体験の劇的な変革といえる。一方、日本の無人レジは、レジに並び、現金などの支払いも行う必要がある。店の省力化が進展するだけで、来店者は決して便利になっていない。むしろ機械の操作方法に戸惑うのではないだろうか。店員が対応したほうが、よほど便利ではないだろうか。しかも、Amazon Goは、来店者が店内でどのように行動し、どんな商品を手にしたか、すべて記録として残る。これは貴重なマーケッティングデータになる。さらには、来店者の行動が記録されていることから万引きの防止効果もある。来店者にとっても店側にとっても大きなメリットがあるのがAmazon Goである。

 2017年12月22日の第31回電子行政分科会で提示された、政府の「デジタル・ガバメント実行計画(案)」では、サービスデザイン思考を具体化するための「サービス設計12箇条」が示された。民間サービスでは当たり前のことも多々含まれているが、行政機関の計画にこのような内容が盛り込まれたのは、ある意味画期的ではないかと思う。行政機関は往々にして縦割り、かつ提供者目線でものを考えがちである。また、ものごとはできるだけシンプルに考えたほうがいい。行政機関のオンラインサービスの多くは、紙の時代の制度をそのままにして、技術でカバーしようとした結果、極めて複雑で使い勝手の悪いものになってしまった。情報システムを用いたサービスを考える場合、利用者にとっては極めてシンプル(Amazon Goは商品を手にして店を出るだけ)にして、その裏側で情報システムががんばり、データが走り回る形が望ましい。

 オンラインサービスについては、日々激しい競争にさらされ、ユーザーニーズの把握と反映に努力している民間サービスのほうが、行政サービスよりも一歩も二歩も先を行っている。むしろ、民間サービスに行政サービスを組み込んでもらい、ユーザー接点は民間サービスに委ねたほうが、利用者にとっても行政機関にとっても幸せではないかと思う。

 

【4.の講義内容】

 

 地域及び職域における第一次予防としての健康づくり施策の効果が不十分であることは、「健康日本21」の評価などからも明らかである。その要因の一つとして、これまでの施策効果が届いているのは、ヘルスリテラシーや健康に関する関心が比較的高い層であり、ヘルスリテラシーが低く、健康づくりに対して関心が低い層(無関心層)へのアプローチが不足していることがあげられる。さらに、この無関心層は約7割をも占めている可能性があること、健康に対する新たな情報収集をほとんど行っていないという特性が明らかにされている。健康に関する情報収集を行っていない無関心層は、ヘルスリテラシーの向上が起こりにくく、そのため行動変容も期待しにくい。このことは、保険者が現状の健康施策において工夫を凝らそうが、無関心層は自律的に情報収集を行っていないのであれば、その施策は彼らに届かず、当然ながら効果は期待薄となる。そこで、今後の健康長寿社会の実現に向けて必要な施策は、この無関心層へのアプローチといえる。また、無関心層も均一な集団ではないため、この層を動かすためには効果の確認された複数の施策からなる政策のパッケージ化が必要であり、インセンティブ策はそのパッケージに構成される施策の有力候補である。

 インセンティブ策は、無関心層を含めた多数の住民における行動変容のきっかけ、及び一定の健康づくりの効果を生み出す可能性を持つ施策といえる。一方、この施策のみで全ての無関心層を動かせるわけではなく、他の有効な施策(まちづくり、インフルエンサーによる情報伝達システム化など)との組み合わせが必要である。そして成果を出すためには

  1. 魅力のあるインセンティブを用意すること、得られたポイントの活用も魅力的であること。
  2. 事業の周知に関して、住民間の口コミが喚起される広報戦略を構築すること。
  3. ポピュレーションアプローチとしての自市の健康課題の一定割合を解決できる事業規模(参加者数の設定)を設定すること。
  4. 参加者の努力のモニター、努力や成果の見える化による継続支援、運営者の事業評価、及び運営負担の軽減のためには、ICTの活用が必須である。
  5.  無関心層も含めた多数の住民参加のためには、民間事業も含めた多数のプログラムを用意すること、及びライフスタイルで手軽に取り組め、成果も得られるICT健康プログラムが効果的である。
  6. 庁内体制は、健康づくり関係課のみで行わず、参加者の募集やポイント利用先として、地元経済界(商店街)を始め、健康・医療関連団体以外の巻き込みも重要であるため、全庁的プロジェクトでの推進が望ましい。
  7. 事業に一部税金も活用する場合は、ポイントが地元の商店街などでうまく活用されるような工夫を地元民間事業者とも連携して行うことが望ましい。
  8. 評価は、健康度に関連する要因、参加者数の規模、無関心層の参加割合、事業継続率などに加えて、医療経済的効果及び、ポイント利用による地域経済効果など多面的に行うことが望ましい。
 以上が昨日と今日の講義内容でした。
 今回の講義で学んだことをしっかりと活かして、より良いまちづくりに全力投球したいと思います。
 
講堂には178名の地方議員が出席
 
東近江市のよしさか豊議員と湖南市の藤川みゆき議員
 

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