嫌な予感~それは、死
バイトに行くため、深夜に目覚めた俺は、
そのとき、嫌な予感に襲われた。
このままバイトへ行けば、死ぬ。
俺は何故か、そう思った。
おそらくは、疲労のため、潜在的にバイトを休みたいという気持ちに、
起因すると思われたが、
車でバイトへ向かう途中に、事故に遭い、
絶命する映像がはっきりと頭の中で再生された。
シートベルトなど役に立たず、車ごと押しつぶされる。
顔面を強打し、鼻の奥の方から、血の味がする。
単なるファンタジーに過ぎないのか?
それとも、予知か。
わはははは。
予知のはずなど、あるものか。
馬鹿馬鹿しい。
俺は今まで、そのような体験をしたことなどなかった。
だから、今後もあるわけがないのだ。
俺は、歯を磨き、着替えた。
いつものように、同じ時間に、玄関を出た。
また、嫌な予感に襲われた。
俺は一度部屋に戻り、コップ一杯の水を飲んだ。
時計をみる。
いつもは、始業時間の15分前には、駐車場に着くようにしている。
それを、ぎりぎりまで遅らせた。
俺は家を出た。
いつもならば、信号が黄色でも突っ込んだ。
その日は、きちんと止まった。
そして、俺は無事に、バイト先に着いた。
どうやら、取り越し苦労だったようだ。