なんてこった。書く時間がない。
帰宅すると、娘の母親が、居間に陣取っていた。
計算外のことだ。
午後十時を回っている。
俺は焦れていた。
これは、俺に対する嫌がらせなのだ。
PCは起動したが、ネットに繫ぐことは出来なかった。
無線LANの電源は引き抜かれており、それ自体が居間にあった。
俺の娘の母親が、監視しているので、電源を入れることなど出来なかった。
俺は、飯を食いながら、娘の母親が寝るのを待った。
十一時をまわった頃、娘の母親は寝室へ行った。
俺は即座に、居間へ行き、物音を立てないように、ACアダプターをコンセントへ差し込む。
自室へ戻ると、PCがネットに繫がることを確認し、ブログを立ち上げた。
書くことは、腐るほどあった。
しかし、書く時間がなかった。
ある程度、時間をかけなければ、小説や詩など、書けるものではなかった。
会社の昼休みに、携帯で書いてみたところで、ろくなものは書けないのだ。
くそったれ。
十一時を回っている。
あと一時間しか、書くことが出来ない。
それ以上起きていると、睡眠時間が、三時間を切ってしまう。
それだけは避けたかった。
疲れは慢性的で、バイトと仕事が休みの日は、いつも昼近くまで泥のように眠った。
このところ、疲労のせいで熟睡できないためか、鮮明な夢を多く観た。
はっきりと思えているのが、三つ。
そいつを、書いてやろうと思っていた。
最初の一行目を書き終えたところで、階段を乱暴に駆け下りる音がした。
おい!勘弁してくれよ!
娘の母親だった。
俺は部屋に進入されることを警戒し、PCモニターの電源を落とした。
娘の母親は、居間へ直行する。
これから、夜通し、居間でお勉強か。
冗談じゃないぜ!
もう、俺の部屋には来ないと判断し、モニターの電源を入れる。
案の定、無線LANの電源は引き抜けれていた。
PCは、オフライン。
「くそったれがこのやろう!」
俺は思わず、怒鳴っていた。
それでも、居間で娘の母親は、悠然とコーヒーをたしなみながら、お勉強を続けていた。
毎日毎日、疲労でヘトヘト。
それでも、睡眠時間を削ってでもブログを書いている俺。
なんなのでしょうね、この執念ともいえるべきものは?
書くことが、娘の母親に対しての復讐なのか?
しかし、もう、書いてられない。
無理だわ。
昨晩は、あまりの疲労で寝てしまった。
読者の皆様は、どのくらいの時間で、ブログ書いてますか?
携帯?それともPCで?
私の場合、最低でも、一時間は欲しいな。
